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27年

北海道の南西沖地震からもう27年になるんですか。

島に立つ煙の映像が今も頭の中にあります。

綺麗な島。

私が渡ったのは去年の10月。

フェリーで江差から。

海も凪いで、船まったく揺れず。(笑)

「しまじかん」はのんびりと。

島が赤と金色に染まっていて、ホントに綺麗だった。

色彩の奥尻島。

感動しっぱなしの3日間。

北海道の離島って全部で5つ。

個性バラバラ。

奥尻島は一番穏やかな感じがする。

一番南だからかな?(笑)

27年前の悲劇、
今も島の人のこころの奥深くに沈められているんだろう。

海は何ごともなかったかのように。

空もひたすら青かった。

悲しいほどに青かった。

~憶えていてください~ 麻生 直子

憶えていて下さい

青い潮風の海辺の町で

すこやかな心とからだをもった人びとが

ていねいに生きていた一日一日を


一瞬の大地の鳴動が

破壊しつくしたあの夜の津波の怖ろしさ

連れ去られた家族たち

かなしい光景に失意して

未来を拒んだリしないでください


あなたの一日一日を

このままでは終わらせないでください

はるかな海の

月夜のねむりに還っていった人びとのために


最初の人が板きれとともにこの磯にたち

銀色の魚を釣り

野菜や穀物を育て

ひと組の男女が結ばれ

父となり母となり

ながい寒さから幼な子をまもり

働くことをいとわずに築いてきた村や町

くらしの糧をわけあってきた

海辺の家族の

その歳月を置き捨てずにいてください


生き残った人びとの

心に移り住んでいく魂たちの祈り

無数の人びとの温かな声援

憶えていてくださいあなたも

壊れたる 建物の散る 島の浜
物焼く煙 立ちて悲しき
(天皇(現上皇)陛下御歌)

あの悲劇を忘れないように。

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