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最期

今期最大の寒波到来。
縮こまりながら新宿へ向かう。
今日は年内最後のサークルの楽しいレクリエーションからの忘年会に行く予定だったが、それよりも大事な用事ができた。 
お笑いライブへ行かなければならない。

今日で推しのコンビが解散してしまうからだ。

もうナミダバシというコンビ名で活動することは無いし、2人が並んで見れるのも最後。
こうなったらやはり、サークルをサボってでも行くしかない。ファンとして出来ることなんてこれくらいだ。

私は彼らのおかげでたくさん劇場に通うことができた。はじめて闇ライブに行ったのもナミダバシきっかけだったし、主戦場の神保町よしもと漫才劇場にも地図を見ずに行けるようになった。

こんなに好きになった人達の解散は初めての経験で、未だに実感が湧かない。
芸人という職業はかっこよく、逞しくも見えるけど 多くはなかなか芽が出ず路頭に迷う。
彼らはM-1グランプリの決勝戦に進む、という目標を達成出来なかったため、解散となった。
M-1グランプリは芸人たちを狂わす大会だ。
この大会のせいで、今年も多くの芸人が解散した。

売れずにグズグズと続けるよりも、きっぱりと辞めることが出来るのも才能の一つらしい。
現実は辛く、厳しく、儚い。

いつもより大きい、温かい拍手が会場を包んだ。
M-1の日と憧れの囲碁将棋と一緒の日にだけ髪の毛を巻くたくみさんが、髪の毛を巻いていた。

戦友たちに「何で最後が神保町じゃないんだよ!」とツッコまれながらその日は終わった。

なぜ今日が最後なのか。
年内で終わりにすればいいのに。
そんな簡単な疑問はすぐに解けた。


明日がM-1グランプリだからである。


"人生、変えてくれ。"


本当に変わっちゃったよ。

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