西独のアカシャ

東独を破滅させる為に
彼は西独から来た
幼い頃から危険な訓練を
繰り返して育った
過酷な訓練で死んだ
同志達の遺体を越えて
彼は組織から選抜され
東独へと潜り込んだ
閉塞感で溢れる街を
彼は淡々とした表情で歩く
誰にもスパイと気付かれず
良き隣人としての顔を作って
その時が来るまで
彼は静かに歌を口ずさむ
西独のラジオで流れていた
カラスとカナリアの歌を














読んで頂き感謝致します サポートして頂いても書く事しか出来ませんが 宜しくお願いします