楽になりたい

別に今まで特に苦労をしてきたわけでもない。バンドやって、バイトで稼いで、大学留年が決まって、やりたいこともないのにやりたいことをさっさと決めてバンドなんて辞めろって。いつまでたっても楽になれる地点なんてありはしない。そう思いながら今日も煙草に浸りながら明日のバイトに備えて寝るのだ。

バンドはなかなか動かない、サポートは居心地が悪い、どうしてこうなったんだろう。どこで何を間違ったんだろう。3年前幸せだと感じていたあの風景いつの間に胸が苦しむ日々が続くだけの生き地獄に変わったんだろう。

名古屋に行きたくない。あの界隈にこれ以上入り込みたくない。何をしてもお前はダメだ、知識も技術も常識も何もない。何もないから何もできない。バンドも仕事もどうでもいい。

木漏れ日が少しだけ暖かい、涼しい秋の森の中で落ち葉と共に分解されながらゆっくりとこの生命と別れたい。

そこに私がいても何も起きない、誰も気づかない、何も思わない、そうなりたい。

来世は誰かに愛されますように。

来世は誰かを愛せますように。

今はおやすみ。いつか死ぬその日までにこの感情を捨てて笑える日を、涙を拭える日を夢のまた夢の中で夢現に浸りながら夢見て。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?