映画『関心領域』についてディープに語ってみました

公開初週の興行成績が洋画第１位ということで、そのシリアス極まりない題材にも関わらず大きなヒットとなっている本作『関心領域』ですが、個人的に優先度の高いテーマということもあって、ちょっとがっつり深めに語ってみました。

本作の撮影、音響、そして作品に込められた監督のメッセージ、今この時点、2024年というタイミングにおけるこの作品の特別な「意義」といったようなことなどについて語っています。ぜひご一聴ください。

#042 『関心領域』 音響と撮影が描くもの、そして、描かないもの― 2024年、最も「耳を塞いではいけない」「目を閉ざしてはいけない」作品の話。

この作品、本当に深掘りすると無限に掘っていけるタイプの作品なのですが、ポッドキャストであればあまり身構えずにただ聞き流していくということもできるかと思います。一見しただけでは見逃してしまうような要素も多々ある作品ですので、未見の方は前半のネタバレなしの部分を、鑑賞済みの方はぜひ後半の核心部分まで聞いていただければ。

以下は例によって、『関心領域』に関するTwitter(X)での発言を拾ってきたものです。

国際長編映画賞は『関心領域』！昨日観てよかった！

— タロー @ Crush On Cinema (@CrushOnCinemaLL) March 11, 2024

国際長編映画賞『関心領域』のジョナサン・グレイザー監督のスピーチ、一歩踏み込んでそれ以上は控えておいてやったぞ、みたいな感じだったな。

— タロー @ Crush On Cinema (@CrushOnCinemaLL) March 11, 2024

音響賞は『関心領域』かー。

— タロー @ Crush On Cinema (@CrushOnCinemaLL) March 11, 2024

見事アカデミー国際長編映画賞と音響賞を受賞した『関心領域』、本当に音のいいとこで観た方がいい奴。昨日の特別先行上映は音はとても良かったんですが、真上の階の恐らくは『デューン2』IMAXの鳴動が時々入ってきて「これは本編の音？どっち？」ってなったので、どこで観るかは結構難しそう。

— タロー @ Crush On Cinema (@CrushOnCinemaLL) March 11, 2024

>RT
『関心領域』、先行上映で観た奴だけど、来週また行く。アカデミー賞を獲った音響もそうなんだけど、撮影も只者じゃないというか、「『見える範囲』は『全て写す』」と言わんばかりの徹底した被写界深度が凄まじくて、「撮影対象だけでなく撮影行為も語ってくる」作品。必見。

— タロー @ Crush On Cinema (@CrushOnCinemaLL) May 18, 2024

うっかり空き時間に本屋に立ち寄ったがために一気に読了。映画版『関心領域』を先行で先に観ていたので「え？」という部分もあったんですが、同じ根からいずれ劣らぬ二本の太い幹が立ち上がっているような感じと言えばいいのか、合わせ鏡の間に立たされるような、非常に稀有な読書体験となりました。 pic.twitter.com/psadpgByGq

— タロー @ Crush On Cinema (@CrushOnCinemaLL) May 23, 2024

それにしても、映画版『関心領域』、とんでもないもの観せられたなと思ってたんですが、原作を読んだ今はもう「ジョナサン・グレイザー…お前…」に続く言葉がないというか。とりあえず、明日また、この衝撃の余韻を抱えたまま、もう一度観てきます。

— タロー @ Crush On Cinema (@CrushOnCinemaLL) May 23, 2024

『関心領域』の原作小説と映画版は、「アウシュビッツ収容所の所長とその家族」がメインキャラクター、というくらいの共通点しかなくて、もちろん舞台と登場人物が「それ」なんで、テーマは「それ」なんだけど、アプローチも結構違っていて、個人的には同ジャンルの別物、くらいの感覚ある。

— タロー @ Crush On Cinema (@CrushOnCinemaLL) May 25, 2024

『関心領域』、たしかに特異なアプローチの作品なんで「知らないと分からない」「気づかない人も〜」みたいな話が出るのは分かるんだけど、そういうのが耳に入ったとしても、これから観る人が「テストを受けるように観て、帰ってきて答え合わせ」みたいな接し方にはならないといいな、と思う。 pic.twitter.com/BNzz0O9GY3

— タロー @ Crush On Cinema (@CrushOnCinemaLL) May 28, 2024

意外にも、というと言葉が悪いけど、『関心領域』が予想以上にヒットしているようで興味深い。日本のプロモーションも作品の軸からブレないストイックな方向でやってると思うんだけど、こういう作品がこういうPRで数字出せる、っていうのは、洋画配給の人にちょっとちゃんと考えてみて欲しい気がする。

— タロー @ Crush On Cinema (@CrushOnCinemaLL) May 29, 2024

『関心領域』、あまり意味はないけど気になってた部分が分かったので。ヘスが転任の話を出した後の、夜の厩舎のシーン、背後の壁に書かれた装飾文字、

„Das Glück der Erde, liegt auf dem Rücken der Pferde“

だった。「この世の幸福は馬上にあり」くらいの意味。

— タロー @ Crush On Cinema (@CrushOnCinemaLL) June 1, 2024

>RT
新ピカ『関心領域』が『フュリオサ』押さえて週末1位ってすごいな。

— タロー @ Crush On Cinema (@CrushOnCinemaLL) June 3, 2024

そういえば『関心領域』、ザンドラ・ヒュラー演じるヘートヴィヒがすごくカジュアルに口にする「Lebensraum』(字幕は「生活圏』だった？失念)という言葉の、そのあまりにカジュアルな「口にされ方」もなかなか凄いよなと思うわけです。 pic.twitter.com/k7ShoLkmmc

— タロー @ Crush On Cinema (@CrushOnCinemaLL) June 5, 2024