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自死の対価
出典 晴智『魔女の怪画集』集英社
完結して長いですが、「伝わらない」のはよくわかると思います。
この作品は、最後と最初を繋げるとよりアイシャの悲しみが伝わってきます。
でも、絶望した人間が死を選ぶなんて、猶予がないものです。
自分のために死ぬんです。
少なくとも、その瞬間は。
生きていると自分がロキを見れない。
死んだあとはロキが自分を見れない。
大事なアイシャに死なれたロキの虚しさとか
大事なロキの死を厭わない生き方が怖いアイシャ
それらはお互いにお互いのためなのに、全く通じません。アイシャが死んだからです。
私たちに、死を悔いる時間はありません。
死を恐怖する時間もありません。
自分を天秤にかけても傾きません。
(私は母を天秤に乗せたから20年も長らえただけ)
死んだ後のことなど、野となれ山となれでしかないのです。
だから、死んだ後に気付くのは、双方にとって重いのです。
でも、死ぬ前に相談しても取り扱ってもらえないのです。
私が今餓死なり自死なりしたら、数値にはなっても、『公務員が生活保護の申請を通せば生きていられた』とかいう話にはならないわけです。
まあよくても『申請には来たが書類不充分だった』にはなるんでしょうね。全部もってたけど。メール窓口の方が持参物を書いていたので。
そんな現代で、『自殺をなくす』のは、相談窓口もそうですが、やはり働き掛ける方が大事です。
今の福祉は体制が出来てない。
場を繋いで相談窓口に行ってもらっても、窓口の社員が態度が悪いとこうなります。
私は生活保護を受給する権利を放棄した。
窓口社員がクズでね。信じたくないし会いたくもないんですよ。永久に解雇されてろ。
専門窓口ごとに交渉とか滅法労力が掛かります。
捌けないのも無理はないと思います。
でも捌けないなら、自殺をなくすという夢の看板を降ろしてもらえますか。
死にたい人にとっては目障りなんですよ。自分を救えもしないのに何言ってんのって。
看板を降ろさないと言うなら立ち上がってくれますか。不足だらけです。
それぞれの分野にはそれぞれの専攻があるから、難しい。当たり前です。
じゃあ自殺の専攻はどこですか。
心療内科?精神科?違いますね。
自殺対策を掲げているところです。
自殺対策を掲げる部分が、自殺対策を他専攻に交渉しないで、どうやって減るんです。
希死念慮者は何回でも死にたくなります。
同じ理由を振り返したり、違う理由が発生したりします。
冒頭の出典作品は短いですが、短い割には凝縮されています。もう少し読みたかった感はありますね、キャラクター数と過去話数も合ってないから、でこの子誰??ってのもいます。
生きている間に手を伸ばせるのは、人間だけです。
伝わらない死を減らすなら、どうか受け止めて。
私が死んだあとで構わないから。
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