【終】徒然なるままに三浦春馬について書き留めるその8

青春という不安や迷いがある時期の「生きるエネルギー、全面にそれが伝播してくる人」。私にとってはそんな人、それが三浦春馬。

追って追う

わがおもいでの

君の影

さやかにひかりし

その輝きを


文章を読めば、当時のことを思い出す。
思い出すことは忘れないこと。
忘れないことは追悼になる。


上記の想いで三浦春馬さん(以下、親しみを込めて春馬)について書いています。

お付き合いいただけたらうれしいです。



舞台に行くようになったきっかけ

大学4年の冬だったと思う。
表紙に惹かれて一冊の雑誌を購入した。

画像1

 

春馬と健が表紙なので一目惚れだった。
2人のインタビュー、個々のインタビュー、そして2人のバイオグラフィー。

バイオグラフィーはこんな感じ。

画像2

当時は母校の先生とはいい関係を築いていたが、パッとしない成績の私に仕事の当てがあるはずがない。当然のように、講師先が決まっておらず、暇を持て余していた。

時間はたくさんあった。この記事を元に、片っ端から過去の出演作品を観た。入手困難な子役時代のものや、レンタルできないMV・ハンサムライブ以外はほとんど観た。初舞台の地球ゴージャスは半年以上前に上演されていたがDVDで発売されていたのでアマゾンで購入した。(今でもアマゾンの履歴に残っている)

DVDを観た感想が当時の日記に書かれていた。

「地球ゴージャスのDVD星の大地に降る涙を観てます。歌詞もわかりやすいし殺陣もいいし。面白ーい!三浦春馬がまじいい! 目に力あるね。末恐ろしい19歳である。」

確か、日記を書いた時は、冒頭のダンスや太鼓の演出の意図がよく理解できていなかったと思う。でも、舞台上で全身を使って表現している彼が活き活きとしていてすごく魅力的だったは覚えているし、10年経った今観てもそれは変わらない。

舞台の彼の輝きはDVDを通しても伝わる、強烈なものだった。

そう、この時「実際に動いている三浦春馬が観たい」と思っていた。アイドルではなく、俳優に対して、「実際に見てみたい」。
そう思わせてくれたのは春馬が初めてだった。

これがきっかけで、春馬以外でも本格的に舞台をテレビで観るようになったし、実際に劇場に足を運ぶようにもなった。



大学卒業後

卒業後は、この年の1月に始めた学生服売り場のバイトを続けていた。講師先が決まらなかったからだ。いや、正確には決まりそうになったところで白紙に戻ってしまった。おそらく別の人が管理職の推薦か何かで決まったんだろう。おかげで、この時期の私は、講師に選ばれる人は優秀でつてもある人なんだろうなと思っていた。今思うと彼らは彼らで何かしらアクションを起こしているだろうし、仕事が大変なのは想像できるから自分が甘ちゃんだっただけだけど。(ちなみに新卒で採用試験に受かる人は今でも優秀な人だと思っている。)

学生服売り場のバイトは計4年間続いた。いろんな人と話す機会があり、保護者の立場のパートさんもいれば大学生、新卒の新入社員・・・(今でも思い出しても強烈なのは月1で韓国に行ってマッサージやら髪を染めるパートさんがいたことだ。)いろんな立場の人がいて興味深かった。仲良くなったパートさんともよくお茶に行ったし、大学生の子にも仲良くしてもらった。嫌なことももちろんあったが、総合的には結構充実していた期間だった。

この年の4月はまだ講師先が決まらず、バイトがない日は暇を持て余していた。おそらくそんな時だろう。君に届けの実写の風早くんの配役が春馬に決まったと知った。

「春馬がくると思ったーー!昨日読んでたから超ドンピシャ☆」

原作の漫画は好きで集めていた。当時は先が見えない中、こういう楽しみで先を乗り切ってた覚えがある。

そうこうしているうちに、5月には講師先も決まった。途中で欠員が出た学校から連絡があった。家からは遠かったが、講師を経験できるのがうれしかった。

計3年11ヶ月に及ぶバイトとの掛け持ちの講師生活が始まった。この期間で、国立、私立、公立と、場所・学科・システムが違うところで働く機会があった。たくさん学ばせてもらった。自分の甘さ故に痛い目にもあった、若く未熟だった故に反発も覚えたが耐えた、でもそれなりに楽しかった。その中で今でもつながっている友人にも出会えた。ある意味、大学の頃より大学生らしかったかもしれない。遠征やイベントに行くようになったのもこの時期だ。

2012年の3月には地球ゴージャスの舞台「海盗セブン」を観に赤坂に行った。春馬は2回目の舞台で、とてもキラキラしていた。
私は2階席から観ていたが、遠くからでもはっきり確認できた。思っていたよりもはるかに背が高い。それが私にとって最初で最後の三浦春馬だった。

当時は東日本震災の直後。エンターテイメントの意味とは?表現者が仕切りに考えていた時期だった。そういう意味でコロナ禍の今と似てるかもしれない。劇中で、春馬はエンターテイメントの意義を「辛い時に思い出すと笑顔になれるもの。」と語っていた。また観に行きたいなぁ〜と興奮冷めやらぬ頭で帰路に着いた。

初日の赤坂ACTシアターに飾られたポスターが、夜景に映え、とても綺麗だった。今でも鮮やかに思い出す。観劇後の高揚感とともにずっと忘れない、大事な思い出だ。


それから。

彼の舞台はチケット入手困難だった。劇団☆新感線の「五右衛門ロック」まではチェックしていたが、私自身、大河ドラマや昔の邦画に夢中になったりして、正直に言うとあまり追いかけなくなってしまった。ドラマ自体あまり観なくなっていた。

しかし、テレビで「三浦春馬」が映ると相変わらずうれしかったし、「あ、頑張っているんだなぁ」と思った。

「平清盛」を経て、大河ドラマオタクになっていた私は「女城主直虎」に出演すると知った時はうれしかった。しかしその時の私は「葵 徳川三代」や「風林火山」のようないわゆる硬派なドラマを求めていたので1話で観るのをやめてしまった。今考えると惜しい。


それでも大河ドラマ出演はうれしかった。ちょいちょい春馬の出演シーンを観た記憶は残っている。


私自身、講師期間を経て、採用試験合格後から現在に至るまで、本当にいろんなことがあった。

父の病気と介護
初めての一人暮らし
生徒との関係
全然うまくいかない授業 
職場の人間関係の失敗
失恋
自分の専門をやる覚悟
引越し
遠距離恋愛からの破局
卒業生を出す前での転勤
親族との別れ

春馬を追いかけなくなった8年間

私自身、以前はできなかったことができるようになり、話せなかったことが話せるようになり、億劫だったことが自然とできるようになっていた。その一方、足掻いても手に入られないものがあるのも知ったし、気持ちだけでは変わらないことも知った。 そして立場が人を作ることを実感した。 

いろんなことがあった。


私が観ていない間、春馬もいろんな仕事をやっていた。

中国語での撮影、進撃の巨人での主演、
キンキーブーツの評判は耳にしていた。また劇場に足を運びたいなと思っていた。後から知ったが英語も頑張って勉強していたり、殺陣も習っていたそうだ。

いろんなことを経験したからか、約2年前、せかほしの再放送で再会した時はとてもうれしかった。

あの時は夏休みで、すでに在宅に切り替えていた父の介護をしていた時だった。母が出かけていて、自分がヘルパーさんと介護をする日だった。

まだヘルパーさんが来ない午前中、父にお茶を飲ませていた時だった。ふとチャンネルをNHKにした。

あれ、中東?旅番組かな?あ、バイヤーさんが買い付けに来てるんだ。ん?舞台がモロッコ?えっ、三浦春馬だ!うわー、落ち着いた感じでかっこよくなったなぁ〜。JUJUもいるー。いい雰囲気の番組じゃん。春馬、こんな素敵な番組に出れるようになったんだー 


画面越しで再び会った君はさらに美しく、男らしくなっていた。

すでに始まって数分経ってたけど、この年はモロッコに行きたくて仕方がない時期だった。母に危ないから一人で行くのはやめてくれ、と言われ諦めていた。そんなモロッコだったし、いい番組だったので途中から録画した。

それから。せかほしはリアルタイムじゃなくて週末に観るルーティーンだった。30分番組でスタートしたが1年後には50分番組になっていた。

毎週観ると癒される。

春馬の語り口はとても落ち着いていて、8年前とは格段に成長していた。

真面目だけど、頑張り屋。そして世の中を少し冷めて見ている。それが私の三浦春馬のイメージ。
バラエティーでも舞台あいさつでも、周りの大人に囲まれて頑張って話をする、背伸びしているイメージだった。隣にいるのは岸谷さん、寺脇さん、浩市さん、小栗くん。 

同世代の間では周りを見て行動して、少し冷めている印象。

だけど、久しぶりに観た彼は、語り口も丁寧で、人に嫌な印象を与えない、洗練された、上品という言葉が似合う青年になっていた。JUJUさんと並んでいても違和感がない。

比べるのも雲泥の差だけど、
お互い、いろんなことを経てきたんだなぁ。


まるで離れていた同級生と再会した気持ちだった。頑張ってる姿を見て、あー、頑張ってるなぁ、私も頑張らなきゃ、みたいな気持ちだった。




これからも
ずっとそうやって歳を重ねていく

そう思ってた。

だからこそ、今回の訃報は本当に寝耳に水で、いまだに受け入れられていない。

Twitterで「三浦春馬」を検索し、せかほしの公式のツイートにほっこりし、時に信憑性の無い、憶測だけの記事見出しを見ることで嫌な人たちがいるのを目の当たりにする。心が痛む。



でも、

あの時の彼のキラキラは本物だ。

私の青春時代、
特に進路に迷っていて不安だった時期。


君が見せてくれる輝きに励まされ、癒された。これからが本当に楽しみだった。激しくしなやかに、そして美しく動いている君を、もっと見たかった。

もう、一緒の時代に歳を重ねることができない事実が、本当に悲しいし苦しい。



春馬


今までありがとう。


これからもずっと大好きです。




-----


読んでくれてありがとうございます。

一応、ひと段落しますが、

タイトルを変えて、またちょいちょいまた書きますね✏️

--------

2020.11.12  加筆修正しました。

アクトシアターは3階ありませんでした・・・確実に1階席ではなかったので2階席で舞台側から見て左で観劇しました。(遠くからでも背が高い!と感じました。) また修正するかもです

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?