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ZENBU MISSILEの『ATM』

ビートメイカーのPlyaです!
今回は楽曲とコレクティブを紹介をしたいと思います!

ZENBU MISSILEという日本のベースミュージックコレクティブをご存知でしょうか?

知っていたらすごい!なぜなら年に1、2回コンピレーションアルバムを出しているだけの集団です。(たまーにメンバーが東京でDJしているらしい)

ジャンルは主にドラムンベース、たまにダブステップなど。

ダブステップは日本でも人気ありますがドラムンベースはそこまで人気ジャンルではありませんよね。
しかしヨーロッパではとても人気の高いジャンルで、国内でもクラブミュージックの製作者サイドの人達の間ではファンが多いジャンルです。

今回紹介したいのはそんなZENBU MISSILEのコンピレーションアルバム第3弾「bassmissile 3」より「ATM」というDubstepの曲です!

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実のところを言いますとこの曲は私も制作に携わっております(笑)

ということで制作の裏話も含めてご紹介させていただけたらと思います。


この曲が収録されたコンピレーションアルバムをクロスフェードした動画があります。8:53あたりからがATM(ショートver.)になります。

LINEミュージック登録している方はこちらからフルで聴けます!

https://music.line.me/launch?target=track&item=mb00000000018b8afb&subitem=mt000000000f195104&cc=JP&from=tw&v=1

制作秘話

メインで制作したのはtgdrlさんという方でこのコレクティブの発起人です。

Dubという言葉にひっぱられたのかレゲエ調のトラックになっています。
本人は「その安直なところもヴァイブスの一つ」的なこと言っていたなぁ。

mgLZRさんというベーシストの方がVerseのエレキベースを弾いていて、この二人がコンポーザー(作曲者)になります。

私はオルガンやピアノ、小さく鳴っている効果音などを入れさせてもらいました。

ちなみに使用したオルガンはArturiaのFarfisa Vというイタリアのヴィンテージのキーボードをエミュレートしたソフトシンセになります。
強烈なアナログ感でデジタルとは思えないサウンドを鳴らしてくれています。さすがArturia。
モデルとなった実機は60〜70年代のもので、レゲエでいうジャマイカのRock SteadyやロンドンのLovers Rockの時代と重なります。実際に使われていたかどうかまでは知らないんですが、当時っぽいサウンドは演出できたと思います(^^;)

”横ノリ”のドロップ(サビ)

Drop(サビ)の部分ですが、Dubstepと言えば派手なワブルベースと派手なスネアの印象がありますがこの「ATM」ではそこまで派手さは無く、小刻みなサブベースと2Stepのグルーヴが楽しめるドロップになっています。
これはおそらくですがNoisiaというオランダのドラムンベーストリオのVoodooというDubstepの曲からインスパイアされたのだと思います。

このNoisiaというアーティストは非常にAlternativeな(主流とは異なる)作品が多いのですが、メインストリームのトレンドを動かすほどの影響力を持つまさにカリスマ的アーティストなんです!

近年のクラブでかかるDubstepのドロップといえばヘドバンしたくなるような振りかっぶったフレーズが主ですが「Voodoo」の場合は非常に小気味よく、思わず体が動きだすようなドロップですよね。
つまり主流のDubstepのロックのような”縦ノリ”に対してこの「Voodoo」は”横ノリ”のDubstepという楽曲なんです!!びっくり!

縦ノリは音楽を聴いて頭を縦に振ったりジャンプしたりして縦方向に乗ることを指します。ジャンルだとロックやトランスなど様々な音楽で見られるノリですね。対して横ノリは身体や頭を左右に揺らして乗れる音楽で、ブラックミュージック系で見られるノリです。"天使にラブソング"などゴスペル聖歌隊が身体を左右に揺らしていたりする映像なんかがまさに横ノリ!

そんなことをtgdrlさんと熱く語らったのですが、この「ATM」はまさにNoisiaが提案した「Voodoo」に対するアンサー(?)いやむしろ乗っかりとも言えるでしょう!(笑)

何が言いたいかというとこの”横ノリダブステップ”がめちゃくちゃイイんです!

ラガが好きな人や、トラップが好きな人も乗れると思います◎

本当に”横で乗れる”って素敵なことなんですよね。

横ノリだけじゃない

ここまできて「ATM」は実は横ノリだけじゃないんです。

ドラムとサブベースというリズム隊でこのドロップを聴くと横ノリなのですが、ワブルベースを耳で追うとヘドバンも出来ちゃうんです。

ヒップホップが好きな私みたいな人はやはりリズム隊を自然と聞いてグルーヴを楽しんでますが、ロックが好きな人はギター的なサウンドのワブルベースを自然と耳で追っているかと思います。その人の好みでどちらでも楽しめるんです。

バースではラガなメロディも楽しめるし、2回目のドロップでは2Stepではなく4つ打ちのハードコアビートになり1番の盛り上がりになるので最後まで飽きずに聴くことが出来ます!

自分が携わった曲でなんですが、贅沢でいい曲出来たなぁとしみじみ。。

宣伝みたいになってしまいましたが、横ノリと縦ノリを知ればより楽しめる音楽が増えて人生ハッピー!

皆さんと共有したい思い記事にさせて頂きました。

僕も関わらせてもらっているZENBU MISSILEは燻りながらも尖ったベースミュージックを続けている人たちで、話していて本当に面白いです。その音楽に対する直向きさと理解の深さにいつも感心します。

bassmissileシリーズは2以降のジャケットのカバーアートを担当させてもらっているんですが、なんと4も実は出来ていてM3という音楽イベントで先行販売していました!またHgbrnRさん主体で製作されたpschemissile 2というPsytranceのアルバムも同時先行発売したらしいですね。

どちらもそのうち(笑)配信されると思います。

興味のある方はそちらもチェックしてみてください◎

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