見出し画像

クラフトビール日記:Founders CBS

KBSとKBS Espressoは書いたのに、CBSはまだ書いてなかったので。
個人的には瓶で飲めるOne of the Best Imperial Stoutのひとつ。ベストといいつつひとつじゃないのは……まぁ、美味いインペリアルスタウトをひとつに絞るなんて無理な話だし、無粋な話だよね。

CBSはなかなか特殊な作り方をしていて、一応バレルエイジドインペリアルスタウトではあるのだけど、熟成させた樽がなかなか珍しい。
通常であればこの手のスタウトはバーボン樽で熟成するもの。ものによってはスコッチ樽で熟成したりしているけど、基本的にはウィスキー樽が多い。
変わり種ではプヤラがシェリー樽を使ったり、スコッチの中でも癖の強いアイラモルトの樽を使ったり。デモーレンもボウモア樽を使って、ボウモアみたいな香りのBAインペリアルスタウトを作ったりもした。

ところがCBSは、バーボン樽ではなくバレルエイジドメープルシロップ樽を使ったのだとか。
副原料にメープルシロップを使ったインペリアルスタウトも最近ではよく見かけるようになったけど、単純にシロップを使うのではなく、BAメープルシロップ樽を使うっていうのがなかなかニクい。
カナダに程近いFoundersだからこそのチョイスなのかもしれない。

しかし残念ながら、KBS Espressoの方で書いた通りCBSは既に終売とのこと。インポーターが取らなくなったとかじゃなくて、作らなくなったとのことなので、今ある在庫がなくなったらもうこれを味わうことはできないかもしれない。

感想

まぁ、言うまでもなく美味い。
今回飲んだのは2019年のもので、副原料にコーヒーやチョコレートを使っていて複雑な味わい。
メープルシロップのフレーバー一色というわけでもなく、適度なビター感とメープルシロップ由来の甘みが混ざり合って、上品なチョコレートのような感じ。
甘み以外のメープルのフレーバーは、やや温度が上がってからの方が感じるかもしれない。

もちろんアルホリックな感じはまったくないし、妙な尖りがないので非常に飲みやすい。
ハイクオリティなBAインペリアルスタウトはどれも、絶妙なバランスで度数や濃厚さの割りに飲みにくさを全く感じさせないのが凄い。

ちなみにこれの1年前、2018年のCBSはもっとメープルシロップのインパクトが強かったような気がする。
うちゅうのSaturnでも感じた力強い甘みと、メープルシロップのカラメル感が強烈な、お菓子のようなスタウトだった。
好みにもよるけど、甘めのスタウトが好きな私としては2018年のものの方が好みだったので、あの味をもう一度味わえたら……なんてことを思わずにはいられない。

これは憶測でしかないのだけど、CBSで使っていたBAメープルシロップ樽は毎年使い回していて、メープル感の後退した2019年の出来を見て、CBSのディスコンを決めたのでは……などと。
メープルシロップフレーバーのインペリアルスタウトの中では筆頭クラスのクオリティ、これをいつかまた飲める日がくると信じて。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?