賢児(かしこ)と呼ばれて



そうそうそう、何で占いの話を始めちゃったかなんだけど、
とにかくインドの田舎の怪しげな占い師にも、小さいころ
ものすごく賢かったと言われた、くらい賢かったんだと
言いたい。

言いたい。

ものすごく言いたい。

ものすごく言いたいだけなのに、
2000字位遠回りした。

で、今ここ。




幼稚園の頃、もう既に両親は別居を始めていて
私は母と妹と、父の実家を離れてアパートに3人で暮らしていた。


母は公文の講師アルバイトと内職で生計を立てていて、
夜も仕事していた。
乳児の妹は居間で内職する母の傍らで寝ていて、
広めの寝室では、私が一人で寝ていた。


1~9までの数字が大きく書かれた敷布団用のシーツが
そのころの私のお気に入りだった。

数字だけでなく、淡いパステルカラーで
ファンシーなイラストも描かれていて、とてもかわいかった。

暗い部屋で、一人きり。
シーツに書かれている数字をなぞりながら
この数字はどこまで続いていくんだろうな~と考えた。

そのうち、数字だけでなく、
人間てどこからきて、どこへ行くんだろうと不思議に思い始めた。

そのうち、どこからどこへではなく、
何のために、人間は生まれてきたんだろうと考えはじめるようになった。



私は幼稚園児、でもはっきりそれを考え始めたことを覚えている。




私は小さいころから、「ナンデナンデマン」で
とにかく、あれはなんで?これはなんで?と
母に聞いてばかりいるので、かなりうっとしいがられた。

とうとうある日、母は私を本屋に連れて行き、
これに聞きなさいと国語辞典を買った。

上記の経緯から母にはもう、
ナンデナンデマンアタックを繰り出せなくなってしまった。


私は毎晩、
人間は何故生まれてくるんだろうかと考えるようになり
そして眠れなくなった。
不眠症の幼稚園児爆誕ですよ。


これは困った。

母には聞けない。
でもなんとなく、母に聞いたところで答えはないような気がした。
母だけじゃなく、誰にも答えは無いような気がした。



ん?

んン?




キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!



開眼(かいげん)

キターーーーー よ。




そう、私は悟りました。

何故に人間が生まれてくるのかなんて、
いくら考えたところで、答えはないのだと。

だから、考えるのは無駄。


そして、考えることを止めました。


快眠快眠。



ん?


はい!これ人生マックスで賢かったときです。

本当なんです。自分でも信じられないくらい
賢かったと思います。

誰にも今さら、証明しようがないけど。
その当時もこれは賢いなって自分でも、手ごたえ感じてました。


それからの人生は転がるように落ちて行ってますけど。
だって、その時に考えることを放棄しちゃったんで。


宇宙の真理を追究するより、睡眠は大事ですよ。


賢い人でいるより、賢く生きることを選択しました。
いろいろ思うこともありますが、まぁ最善の選択だったと思っています。






インドの怪しげな占い師が他にもいろいろいってたっけ。

結婚も出産もしていないし、
ドイツに行かなかったし
インドにも戻らなかったけど、

なんとか日々生きてます。


















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