「北海道道州制特区推進計画」へ提案
(ア) 地方分権の推進
(イ) 行政の効率化
1.行政の電子化
【目標】
・行政コストの削減:「クラウドシステム」によりデータ、事務作業、行政手続きを電子化および自動化し、行政コストを大幅に削減する。
・住民の利便性向上:住民の行政手続きをコンビニやスマホなど「ユビキタス=どこでも」できるようにし、住民の利便性を高める。
・行政の透明化:道の支出入を公開し、道民が随時閲覧できるようにすることで行政を完全に透明化する。
【戦略】
・プロジェクトJV:道内IT事業者を中心にプロジェクトJVを構築する。
・市町村への導入推進と連携:対象は道庁となるが、システムを共通化して市町村自治体でも任意に導入できるようにし、予め各自治体と道庁の連携をスムースにできる仕組みにする。
・基幹クラウドと端末の段階的対応:最初に基幹をクラウド化、そこに接続する端末をセキュリティ技術動向や住民の意識などに配慮しながら段階的に拡大する。各社コンビニのシステム、携帯端末、WEBなどが考えられる。
・紙文書対応:公文書などの発行はできるだけ電子化するが、電子化が困難な公文書だけはコンビニのネットプリントまたは郵送とする。
2.議会ITシステム
【目標】
・議会オンラインシステム:自治体の議会にオンライン参加できるシステム、議決をオンラインによりできるシステム、議会を住民に随時公開できるシステムをそれぞれ構築し、議会運営コストを大幅に削減する。また住民が自治活動に参加しやすいようにする。
・住民参加チャンネル:住民が自治に誰でも気軽に参加できるシステムを作る。
【戦略】
・プロジェクトJV:道内IT事業者を中心にプロジェクトJVを構築する。
・市町村議会への導入推進:対象は道議会だが、システムは市町村議会でも任意に導入できるようにし促進する。
(ウ) 北海道の自立的発展
1.「アジア高級ウインターリゾート計画」
【背景】
・東アジア地域にはヨーロッパやカナダのような「高級ウインターリゾート」が存在しないこと。
・道内には「ニセコ」のような先行事例があること。
【目標】
・北海道を東アジア圏随一の「高級ウインターリゾート」地域として開発し海外にプロモートする。
・主体的に開発を行うことで外国資本の流入をコントロールし、特定国の影響力を抑制する。
【戦略】
・プロジェクトJV:道内観光関連事業者によりプロジェクトJVを構築する。
・開発地域:「ニセコ」と「富良野」を拡充し、さらに他2,3箇所を開発する。
・エンタメコンテンツによるプロモーション:プロモーションに初音ミクを始めとしたデジタルコンテンツや道出身の作家によるマンガ・アニメコンテンツと積極的にコラボレートする。また「札幌国際短編映画祭」などとコラボレートしてプロモートに寄与するオリジナル作品のコンテストを行う。
・交通網整備:「新千歳国際空港」をハブにした公共交通網を整備し観光客の利便性を確保する。
JRについては「新千歳空港」を降りてから目的リゾート地までシームレスでかつエンタメフルな移動ができるように協力してもらう。乗車中に道産グルメを味わえる「居酒屋列車」、深夜便で到着した客が十分睡眠を取れるようゆっくり走り朝に到着する「スロー寝台列車」、エンタメコンテンツクリエイタが乗車して直接色んな話を聞ける「アーティストファン列車」など様々な企画を行う。企画は道内学生を始め世界中から募集する。
バスについては自動運転EV化を進め、安全性と好環境性をアピールすることで、リゾートイメージの向上に寄与する。
【課題】
・既存の「苫小牧のIR計画」との共存は難題と見込まれる。同地域は「ウインターリゾート」にはなり得ないため、観光地として完全な競合となる。これまでの投資回収を企図して多方面からの抵抗反対が見込まれるが、即効的な打開策は見いだせない。
2.「自律運転EV実証地域計画」
【背景】
・道内には国内のすべての自動車メーカーが拠点を持っていること。
・「自律運転」と「電気自動車」への転換が世界的なトレンドであり、かつ国の政策とも合致すること。
【目標】
・北海道を全国的な特に寒冷地車向けの「自律運転」と「電気自動車」の研究開発と実証地域にし事業者の誘致や関連産業の活性化により道内産業振興を行うこと。
・「自律運転」と「電気自動車」の社会実装を進め自動車交通環境を先進化することで住民の利便性を高めること。
【戦略】
・メーカー向け優遇策:「自律運転」や「電気自動車」の研究開発を行う国内外のメーカーに対して主に実証環境面で法的優遇策を提供する。
・ターゲティング社会実装:「長距離旅客貨物輸送バス・トラック」「無給電走行可能距離内かつ特定拠点間の定時運行を行う都市内定期路線バスおよび中距離定期貨物トラック」「過疎地の高齢者用自律運転ミニEV」また「都市間幹線道」「離島」などのように特定対象に優先順をつけてターゲッティングし社会実装のための法整備および環境整備を行い、全国的な先進事例とする。
・交通監視センター:自律運転車を遠隔監視するセンターシステムを構築する。トラブルを即時に検知しレスキューを派遣する。
【課題】
・国が進める自動運転車計画との同期調整。
3.「R発電地産地消化計画」
【背景】
・北海道は長距離の送電網が必要で保守コストが嵩むこと。
・再生可能エネルギーへの転換が世界的なトレンドであり、かつ国の政策とも連携可能なこと。
【目標】
・地域ごとに有利な再生可能エネルギー方式により発電を行い、それを同地域で消費するシステムを構築し、エネルギー安全保障を高め、また将来的な低コスト発電社会を実現する。
・長距離送電網を廃止し送電コストを省略し電気料金引き下げで住民に還元する。
・電気のみならず「給湯暖房」についても電化や水素の利用により脱化石燃料を実現する。
・プラスチックごみの石油還元により石油を自前で確保する仕組みを開発運用する。
【戦略】
・北海道電力および関連事業者によりプロジェクトJVを構築する。
・風力、森林バイオマス、畜産バイオマス、温泉熱、地熱、海洋エネルギーなど、各地域に有利な発電方式を調査開発する。
・離島で優先的に開発導入しゼロ・エミッションとする。
・余剰電力は地域のEVで蓄電する。さらに余剰に発電できる場合は水素化し他地域へ”輸出”できるようにする。
・初期投資を平均化することにより電気料金の値上げを抑止する。
・泊原発をなし崩し的に永久停止にする。
4.「ウポポイ拡大化計画」
【背景】
・2020年にオープンした「ウポポイ」には(実体験として)リピートや海外客を誘致するような魅力がなく、”ハコモノ”になることは必至と容易に推測されるが既にオープンしてしまっていること。
【目標】
・「民族共生象徴空間」というコンセプトを「ワールドクラス」に実現するし、来場者を増やし自立運営可能にする。
【戦略】
・世界中の関連団体の協力を集め、世界のすべての「先住民族」の文化を一同に集める。展示物やパフォーマンスなど世界の「先住民族」の文化を観覧可能にする。
・「世界先住民族文化フェスティバル」を定期で開催し世界中から関係者を集める。
・世界の先住民族の文化をモチーフにして日本お得意の「デジタルコンテンツ」や「アニメ」、「Japanese-kawaii」の作品を制作する。クリエイタは国内外から学生や若手を中心に募集する。
・冬季観覧に備えて各建物を回廊でつなぐ。回廊の途中にいくつかの「日本式屋台」を設置し世界の先住民の料理を提供する。
5.「貧困道民ゼロ計画」
【背景】
・北海道は子どもの貧困率、失業率、非正規雇用率、ひとり親家庭率が都道府県の中で上位であるということ。
【目標】
・「貧困世帯」をゼロにする。
【戦略】
・雇用創出:先述のような施策により雇用を増やす。
・失業者ゼロ:失業者を全員無条件で非正規公務員採用する。その際の時給は最低時給より高く設定する。
・JV-LLP:先述の施策で各JVをLLPとしそこに地域の希望者を優先的に参画できるようにする。
・共助の構築:共助の仕組みを構築する。
・シーシャルキッチン:みんなで買ってみんなで作りみんなで食べる「ソーシャルキッチン」というスキームを全道各地に構築する。「子ども食堂」「フードバンク」、また地域の小売店、農家、漁業者、食品メーカーと協力する体制作りを促進する。誰でも利用できるものとし、フードロス、孤食など食事に関連する問題のみならず、孤立化、ひとり親家庭の託児、介護など複数の社会問題の解消を目指す。またその拠点として公民館や学校施設などを開放し利用できるようにする。
・ハウスシェアリング:フランスに例があるような多世代同居の「ハウスシェアリング」を促進する。自宅に空き部屋のあるシニアと若者乃至は未成年の子どものひとり親世帯が同居し、孤立化、ひとり親家庭の託児、シニアの見守りの解決策とする。民営のコーディネートサービスを道が後援しマッチングやアフターカウンセリングを行う仕組みを構築する。
6.「ルックノース計画」
【背景】
・道北・道東地域には経済的に有利な資源が乏しいこと。
・世界地図を俯瞰した時、道北・道東は日本の首都圏よりロシアに近いこと。
・北方領土は占領から75年経ち、存命旧島民も減少し、ロシア人の居住者も3世代目になっていること。また中国が影響力を強めていること。
・寒冷地域国向けの先進技術が日本にはあること。
・ヨーロッパ向け北極海航路が開発されていること。
【目標】
・道が独自にロシアとの経済協力を行い、道北・道東地域の産業振興を行うこと。北方領土については共同統治という新時代に向けて歩みを開始すること。
・寒冷地向けの商品を開発する。
・北極海航路に関連するビジネスチャンスを開拓する。
【戦略】
・ロシアコラボ:道北・道東を”辺境”にせずその”向こう側”へ拡張する「プッシュリムアウト作戦」を行う。具体的にはサハリンおよび北方領土とのビザなし往来、インバウンド向けに稚内や根室にロシア人向けの商業施設の拡充、アウトバウンドとしてロシア側へのコンビニ・スーパーなど店舗の進出や商材の輸出を促進する。
・北極海航路対応:釧路、根室を北極海航路の経由地として開発する。燃料電池船のために水素補給のできる設備を整備する。また物資輸送のためJR根室線を再整備する。
・寒冷地向け商材開発:寒冷地用野菜工場や寒冷地住宅などのパッケージの研究開発を行う。
7.「難民受入作戦」
【背景】
・世界には8000万人の難民がいること。
・道として人口減でかつ札幌市と他数カ所を除き消滅可能性自治体となっていること。
・国として「移民は受け入れない」という方針であること。
【目標】
・難民を「開拓時代の開拓民」のような形で受け入れ、マーケットの拡大と産業振興を目指し、また北海道の国際的な知名度をアップを企図する。
【戦略】
・プロジェクトJV:難民支援団体や関連産業事業者を中心としてプロジェクトJVを構築する。
・国の財政支援:国からの財政支援を受ける。
・難民居住区:特定の「難民居住区」を設け原則的にそのエリアのみを居住圏とする。そのエリアを出る場合は通常の入国手続を行うものとする。また日本人の出入りは原則自由とする。
・自活制:難民は原則的に自活するものとする。ただし当初は自活のための支援を提供する。域外との経済活動は原則自由とする。また難民と協力して産業振興に日本企業が積極的に参加することを促進する。
・受け入れ対象:受け入れ対象は原則的に「未成年者および女性」とし、例外的にその保護者として父親も対象とする。
・受け入れ上限:道の人口のピークの570万人に対して現在が520万人ということから、減少分の50万人を受け入れ上限の目安とする。
・設置地域:「難民居住区」の設置受け入れの自治体は原則限界集落とするが、地元住民や周辺住民とのコーディネートはJVが行う。
【補足:全体の戦略ポリシーについて】
基本的に「道民参加」と「民業主体」とする。
先進産業先取り型分野の事業
道がアドバンテージを持って産業化できる分野の事業とする。
投資する事業は全国さらに世界から投資回収できるように育成する。
民間主体のプロジェクトJV
各プロジェクトで「プロジェクトJV」を構築しプロジェクトの推進役とする。
・JVは民間が主体で道は後援とする。
・JVはLLPとする。
・民間企業および学生や地域住民が個人で任意加入できる。
・個人での加入時の出資金用として返済猶予付き融資を行う。
・あるいは個人は従業員雇用する。
・JVは”雇用増”の目的も兼ねる。
・学生は住民票を移さずに道内大学などに所属する者も対象とする。
・学生には調査、企画立案、資料作成など”学業に寄与する作業”を担ってもらう。
・反対すると見込まれる団体などには予めJVへの参画を促し、意見提案してもらう。
・道もメンバーとして加入し配分された利益は貧困世帯に再配分する。
債務保証による支出抑制
JVは基本的に後援などで支出になるが、それは中期的な投資と位置づける。将来的JVが関与する事業で道外からの売上が発生した場合、その一部を道に還元する。
事業への直接的な公金の支出は最小限にし、道政府が債務保証することで民間資金を集めるようにする。
その際にクラウドファンディングやVCなども利用も視野に入れる。
インクリメンタル開発とプロダクト化
ITシステムの開発は、運用しながら徐々に拡充していくインクリメンタルな開発を行うアジャイル方式とする。システムはプロダクト化、成果を他県、国、海外へ事業展開できるようにする。
収益は一部道にも入るようにし、それは貧困世帯へ分配するものとする。
システム開発への民間参加
システム開発のうちユーザーインターフェースとなるスマホアプリやWebサイトなどは、原則的にクラウドソーシング形式で個人や企業が自由に開発できる仕組みとする。
その際住民が参加する試験モニターの仕組みも用意しそこでアプリの検証を行う。
当方IT業関係者としては、ここに特別な策があります。
既得事業者への事業転換促進
新たな政策を始める際、既得権益を持つ事業者とその関連が往々にして抵抗勢力になる。
彼らは一定数の雇用を確保しているため、事業者自体の事業転換は雇用の確保には有効である。
そのため彼らを新しい政策に関連する事業へ転換することを支援促進する。
政治の透明化
ドラスチックでかつ民の協力を得なければならない政策は、逆に民間からの反発を生む場合が多い。
それを抑止するため(イ)によりこれまでにない政治の徹底的な透明化と住民参政のチャンネルを用意する。
希望に溢れた政策
政策は道民に”我慢を強いるもの”ではなく、”希望を持って参加”できる性質のものとすることが最も肝要である。