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当社の募集中ファンドの状況につきまして(2020年5月時点)

引き続き新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに伴い、世界経済全体への影響が懸念されています。投資家の皆様におかれましては、当社ファンドの貸付先(海外資金需要者)の現状等を懸念されている方も数多くいらっしゃるかと思います。

そこで今回は、2020年4月17日付(※)の続報としまして、当社の募集中(2020年6月8日時点)ファンドの貸付先(海外資金需要者)11社の経営陣から届いたメッセージをご紹介いたします。

※ 2020年4月17日付で公開した前回の記事につきまして、詳しくは以下をご覧ください。

なお、以下の記載内容は、当社が各貸付先(海外資金需要者)の経営陣に対して行った質問票等に対する回答内容を当社において翻訳のうえ、適宜抜粋および要約したものになります。また、2020年5月20日時点で当社が各貸付先(海外資金需要者)の経営陣より確認した事項につきましてお伝えしております。

当社としましては、今回の各貸付先(海外資金需要者)の経営陣からのメッセージ内容を踏まえ、引き続き今後も適切なモニタリングを実施してまいります。

1. 「東欧金融事業者支援ファンド」シリーズ(Cream Finance Holding Ltd.)

私たちは、事業からの収益と資金調達についてバランスが取れた仕組みを構築し、豊富な資金余力の確保を促進しているため、今後の会社の運営継続に関して問題がないと認識しています。また、現状において政府からの支援は検討しておらず、緊急時の支援策につきましては既存株主からの支援を検討しています。なお、ビジネスの状況は安定していますので、今年度は新たなビジネスプランなどは検討しておりません。

為替変動につきまして、取り扱っているメキシコペソ、ジョージアラリの下落幅は大きいものの、2020年4月初めからは緩やかに回復しており、2020年5月時点で下落幅の3分の1程度は為替レートを戻してきている状況です。日々の為替動向を監視しており、ヘッジコスト削減と適切なタイミングで為替ヘッジを行えるよう新たな為替取引業者との関係を模索しています。

2.  「ユーラシアオンライン金融事業者ファンド」シリーズ(LIME ZAIM HOLDINGS LIMITED)

私たちの主力市場であるロシア連邦では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延に伴う経済活動の制限とロシアルーブルの下落が同時に起こっています。加えて、2020年4月には、政府が銀行や貸金業者からの借入の返済猶予を認めると発表しました。このような逆風があるなかでも、私たちをはじめとする貸金業者に対する借入の需要は底堅いと感じております。

私たちは貸出額の増加よりも信用リスクの抑制を優先しており、貸出審査基準の厳格化を通じて貸出額をコントロールしています。また、こうした状況が続くことを想定し、2020年上半期に予定していたベトナム進出の後ろ倒し、人件費の削減など各種のコスト抑制策を実行しています。

ロシア連邦では2020年5月上旬以降、政府が発出していた外出禁止令の緩和や製造業、建設業の事業再開など前向きな動きも見られます。しかしながら、私たちはこれまで以上に保守的な事業運営を行い、顧客からの回収状況についてもこれまで以上に注意深くフォローしていくことを考えております。

3. 「欧州フィンテック事業者支援ファンド」シリーズ(Kviku Holding Ltd)

2013年の開業以来、私たちの95%の従業員は在宅勤務であり、私たちの日常業務はすべてオンラインで行われており、業務運営面では新型コロナウイルスの影響を直接的には受けていません。そのため、日々の業務運営に支障が生じることはありません。一方で、2020年3月30日より発出されていた政府による外出禁止令は、5月12日以降徐々に緩和されており、製造業や建設業は事業を再開しております。さらに2020年5月31日までには全面的に解除されると思われます。

私たちが提供しているローンの延滞率の上昇は起きておりません。その理由としましては、私たちが提供しているローンの平均額は100ユーロ以下と非常に小さく、さらに法人向けの貸出しはないからです。また、既存の銀行が融資態度を引締めたことから、オンラインローンに対する申込が増加しております。

為替変動の影響ですが、外貨建ての調達についてはすべて通貨オプションを使用して為替ヘッジを行っております。具体例としまして、2020年度第2四半期に入り、1ユーロにつき80ルーブルの行使価格で、コール・オプションを購入しました。また、原油価格が1バレル35米ドルまで戻したことで、ロシアルーブルは対米ドル、対ユーロで3月の底値から10%程度戻しております。

私たちの固定コスト(給与、審査費用、IT維持費等)は、月次のローン貸出額のわずか2%にすぎません。現在の極めて厳しい環境のなか、オフライン中心で業務を行う既存の金融機関が苦戦を強いられていますが、オンライン貸出サービスへのニーズは益々高まっており、上記のような低コスト・オペレーションの私たちは、業界内でより優位な地位を築けるものと考えています。

4.  「ブルガリア中小企業向けローンファンド」シリーズ(LENO JSC)

銀行が既に新規ローンの広告宣伝活動を停止しているなか、私たちは新規申込件数の増加を見込んでいます。また、既存融資に関して、平時と比較して不良債権比率の増加を予想しますが、不動産担保で保全を図ることができています。ブルガリアの通貨(BGN)はユーロ(EUR)を基軸通貨とする固定相場制を採用しており、(対EURでは)通貨リスクはございません。

2020年2月末以降に私たちはグローバルマーケットの下降局面を確認し、下記2点の対応を機関決定しました。

① 不動産市場の下落に備え、融資を行う際の担保掛目厳格化
② 不動産市場の流動性低下懸念から、債務不履行となったローンの担保処分と当該債権に係る提訴の迅速化

私たちは幸いなことに、この異常事態の遭遇前に資金調達が完了しています。その潤沢な手元資金をもとに、私たちの使命であるブルガリアでナンバーワンの不動産担保融資業者になるという前向きなビジネスプランに変更はございません。さらに、新しい経済環境に対応するため販売商品の改善を図るとともに、ブルガリアの首都ソフィアにある本社を拡張、2020年に50人の新入社員採用を予定しており、これにより従業員数は100名に達します。

5.  「アフリカ未電化地域支援ファンド」シリーズ(AZURI TAIYOKO LIMITED)

私たちは、アフリカの事業国でのグループの社員と顧客の健康を守るため、引き続き太陽光発電システム設置数を抑えています。一方で、足元では不良債権の増加は見込んでいません。

太陽光発電システムについては、私たちは既に十分な在庫は確保しています。2020年3月時点では、私たちの取引先の製造業者が所在するマレーシアにおいて、政府が製造業に対して2週間の操業停止を言い渡していましたが、現在は解除され、製造は元に戻っています。

6.  「モンゴル金融事業者支援ファンド」シリーズ(Ard Credit NBFI)

モンゴル国の中央銀行により、2020年7月末まで有効な全ての借入人に対する4ヵ月間の返済猶予措置が行われております。私たちのローンポートフォリオは、伝統的な金融機関と比較して、高い流動性をもった融資期間の短いオンラインローンで構成されております。さらに、万一何らかの流動性確保が必要となった場合、私たちの株式持株会社である Ard Financial Groupが、緊急で必要な資金を提供してくれます。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が顕在化してきた場合、私たちは以下のような対策を考えております。

① 借り手に対する融資期間の延長を提示
② 新規融資の審査条件強化
③ 流動性比率の向上
④ 高いレベルで融資条件を満たす融資ポートフォリオの維持
⑤ 支払いが行われた利息の最大10%までの払い戻し

原油価格の低下が為替に与える影響に関し、モンゴル国は石油製品の純輸入国であることから、MNT(モンゴルトゥグルグ)は対米ドルおよび対ユーロにおいてプラス(上昇)の影響を与えるものと考えております。

モンゴル国の資本市場に関してですが、投資家がより安全な事業体を好むようになるという動きについては予想するものの、外国人投資家の保有割合が低く、マーケットからの資金流出という懸念はしておりません。

7.  「キルギスマイクロファイナンス事業者支援ファンド」シリーズ(Micro-credit Company “Bailyk Finance” Limited Liability Company)

キルギス共和国では、アブルガジエフ首相からの緊急事態宣言によって2020年4月30日まで首都Bishkekを含む複数の都市で人の移動の制限が行われました。その後、2020年5月1日より製造業、建設、メンテナンスサービス、公証役場等、指定業種・サービスから段階的に制限解除が行われ、2020年5月11日にはバス等の公共交通機関も運行を再開しました。

私たちBailyk Finance社は、閉鎖指令が出された都市に所在する9カ所の営業を停止し、2020年4月14日まで新規貸付を停止していましたが、2020年4月15日より全ての事業所で業務を再開しています。なお、キルギス共和国政府が発表した金融危機に対応するための民間企業保護施策により、既存顧客において適用申請のあったローンにつきましては、最大3カ月間の利払い延期対応を行っています。

私たちの主要な顧客セグメントは、貸付期間が24カ月間程度となっており、短期の借入より支払い延期を行うメリットが少ないため、当該申請を取り下げる動きも見られています。そうしたことによって、私たちの想定を上回る支払い延期申請が行われるといった事態は発生しておりません。

8.  「メキシコ女性起業家支援ファンド」シリーズ(SOFIPA CORPORATION, S.A.P.I. DE C.V., SOFOM, E.N.R.)

メキシコ合衆国では2020年5月18日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止対策のための活動自粛期間を予定通り2020年5月31日で終了し、2020年6月1日からはメキシコ合衆国内の各州で対策を決定、段階的に企業や学校の活動を再開すると発表がありました。

2020年4月の政府の発令に伴い、私たちも最終資金需要者ごとに個別のモラトリアム対応をしてまいりましたが、私たちが所在するOAXACA州は感染者の数が非常に少ないため、自粛内容が他の州に比べると緩く、比較的スムーズにオペレーションを実行しています。足元流動性は確保されており、2020年6月からの活動再開に向け再度ビジネスプランの見直しを実行しております。

9.  「ユーラシア個人向け小口融資事業者支援ファンド」シリーズ(CC Continental City Capital Ltd)

私たちが事業を行う国々においては、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による大きな影響は想定していません。新規顧客の貸付基準の厳格化と1件当たりの貸付額の縮小化によって収益の減少につながったものの、流動性が極端に低減する状況を回避しています。

私たちの事業国の中で唯一ウクライナでは、2020年3月に現地通貨が対米ドルで下落が進みましたが、足元では下げ止まっています。私たちは、民間投資家から十分な資金を調達しており、流動性は十分に確保しています。事業国の取引先銀行から利上げの話はありません。いくつかのシナリオを想定し分析していますが、いずれもグループの財務パフォーマンスに多大な影響はないと見込んでいます。

万が一、外部からの継続的な資金調達ができなかったとしても、新規融資を抑制することで、これまでの収益と既存ローンポートフォリオからの返済資金によって持続性を確保することができます。

10.  「中東地域ソーラー事業者支援ファンド」シリーズ(GLOBAL ENERGY SYSTEMS – FZE)

事業展開をしているクウェート国では全面的に外出規制が発令されており、私たちの事業は影響を受けています。 一方で、アラブ首長国連邦とヨルダンは徐々に制限を緩和しているため、ビジネスの状況は改善しているといえますが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、建設資材の配送遅延をはじめサプライチェーンの機能が低下しています。なお、今年度の事業計画については、現状では大きな変更は見込んでいません。現在、営業チームは業務を停止しており、資材調達などの管理をするなど、現場の支援をしている状況です。

為替変動の影響につきまして、アラブ首長国連邦の法定通貨ディルハムは、強力な経済基盤を背景に安定的に推移しており、対米ドルで大幅に変動する可能性は大きくならないと見ています。

11. 「米国セキュリティベンチャー事業者ファンド」シリーズ(CPD Limited)

私たちが事業を行う米国では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が猛威を振るっており、事業運営にも影響を及ぼしました。2020年3月から2020年4月にかけて、具体的には「ビデオマネジメントシステム」という防犯カメラの管理システムを提供するMilestone社へのデータベース納入開始時期の後ろ倒し、受注確約を得ていた企業への納入の延期、当初予定していたセールス担当者やエンジニアの採用抑制などの動きが見られました。

一方で、私たちのデータベースが最終的に使用されるコンビニや薬局は営業を続けていること、米国内でも州によっては経済活動が段階的に再開されていることなどを背景に、Milestone社をはじめとする受注先との契約締結や交渉に前進の動きも見られています。

◇ 「マイクロローン事業者ファンド」シリーズ(IDF Holding Limited)

クラウドクレジット注:当該ファンドシリーズは、本稿冒頭でご紹介した2020年4月17日付の記事公開時点では募集中でしたが、2020年6月8日現在は募集を行っておりません。直近、2020年5月8日付で、IDF Holding Limited経営陣から届いたメッセージを公開しております。以下をご覧いただければと存じます。

◇ファンドの手数料およびリスクについて
ご出資いただく際の販売手数料はいただいておりません。
なお、出資に対して、年率換算で最大4.0%の運用手数料を運用開始時に(または運用開始時および2年度目以降毎年度に)いただきます。
また為替手数料その他の費用をご負担いただく場合があります。
為替相場の変動、国の政治的・経済的なカントリーリスクや債務者の債務不履行等により、元本に欠損が生じるおそれがあります。
ファンドごとに、手数料等およびリスク内容や性質が異なります。
詳しくは、匿名組合契約書や契約締結前交付書面等をよくお読みください。
クラウドクレジット株式会社
第二種金融商品取引業:関東財務局長(金商)第2809号
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