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#観劇記録「曖昧の合間にある今/33」

こんばんは、青木です。

本日、EN劇集団さんたばっぐの「曖昧の合間にある今/33」を観劇に行きました。

●発見

配布パンフも出てきた

13年前に見ていました。

チラシを頂いた時に、「このタイトル作品…どこかで…」と思ったものの思い出せず。今回の配布パンフに初期の公演情報があったのでそれを手がかりに家に帰って保管している観劇した数多の劇団さんの各公演パンフやチラシ群を探したら出てきました。見つけた瞬間、「あああああああ!!いたあああ!!」と思わず声がでたのはここだけのお話です。

パンフを見返すと思いだすもので、当時はまだ小遣いでやりくりをしていた学生(バイトもしてなかったので中学か高校のはじめぐらいだった時期?)で「1000円=自分の中で大金」だったのですが「岡山で、しかも自分の小遣いでお芝居が観れる」ということが嬉かったこととブラックファンタジーという文言にひかれて背伸びして観に行きました。ただ、当時、中学生か高校生そこらで片手で数えるぐらいしかお芝居観たことがなく、「すっごい難解なお芝居」と頭を抱えて帰ったなぁと書いていて思い出しました。さんたばっぐさんは『輝き丸』(本物のバンドさんと組んでミュージカルを公演した劇団さんのところ)としての印象が強く、覚えていなかったのはおそらくそのためだったんだと思います。

ダークファンタジーでひかれて再びみる…―人間の好みって年とっても変わりませんね٩( ᐛ )و

●個人的な感想

『曖昧の合間にある今』は2010年度版は「?」という雲をつかもうにもつかめなかった印象だったのですが、2023年度版はわかるようでわからないけどなんかわかるようなわからないような、本当に「曖昧の合間にある今」の中にいるような印象でした。

曖昧は漫画がキーワードになっているのですが、創作側の葛藤(自分のアイデアか売れるアイデア)は青木も過去にWSで場所の設定からの書き換えを食らったことがあるので、創作する身としてナイフのように刺さりました。
また、「創作」と「現実」の2場面が作中で出てくるのですがその場面切り替えがえげつないほどすごく、でも頭の中ではこれは「現実」これは「非現実」ついていけるのに合わないだろうと思ったパズルがパチッとはまり、あれ、これはどっちだと最後思わせる場面が出てきた時にはトリハダものでした。

役者さんがメイン、小道具と照明効果のみでしたが小道具には原稿にコマが書かれていたり、作中に出てくる死亡フラグの裏側に某有名漫画のセリフが組み込まれていたり細かいところまで作られていて観ていてとても楽しかったです。あと、物語もさることながら光と音楽のコラボがバリかっこよかったです。

『33』は今回初めて見ました。(初演はちょうどボクが演劇から逃亡していた時期でした)

「曖昧の合間にある今」は漫画、そして「33」はゲームがキーワードになっているのですが大道具が「ゲームで見つけたらワクワクするタイプの隠しドア」のような作りになっていてになっていて心の中ではしゃいでおりました。何を言っているかわからないと思いますが、あれを表現する言葉で一番的確なのは「ゲームで見つけたらワクワクするタイプの隠しドア」です。語彙力がなくてすみません)

そして、「33」の愛川さんは役者さんの雰囲気や演技力も相まって、あらすじにも書かれていた「やり直し」への葛藤、狂気、執念が1本目の曖昧とは違うベクトルで心を抉ってくる作品でした。

そして、「曖昧」「33」はそれぞれ単体でも楽しめたのですが、この2作品は一緒にみるとまたぞわっ思わせるような部分がありました。この2作品に「今泉」と「愛川」という同じ名前の別人物が出てきます。2作品はまったく別、なのに「今泉」を共通の役者さんが演じ、さらに意味深な部分が出て、さらに33のラストにつながるところを見ると「今泉さん、ほんとあなたは何者ですか」となりました。

明言されているものではないので、合っているかはわかりません。ただ、細かく書くとネタバレにもつながりそうなので語彙をオブラートに包んで書くとするなら、「こことここ、もしかしたら…。だとしたらやべぇじゃん!」と勝手に心の中ではしゃいでしまうぐらい曖昧と33、そして現実をつなぐ意味深な部分がちりばめられておりました。たいつかまた再演があればぜひ観劇でそのゾワッとを体験していただくのをお勧めします。できれば2本。


なんだか最後は劇団さんのまわしものみたいな書き方になってしまいましたが、ただのしがない芝居好きの感想です。迷ったけどもあれは2本まとめて観てよかった。ほんとに。

それではまた…。


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