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読書記録(増殖する積読編)

セミとコオロギが鳴いていてビビった矢先に、急に涼しくなって震えた青木です。

今回はもろもろ積読のまま放置していた本の読書記録になります。


補足‥

積読そのものは『買っておきながら読んでない本』をさす言葉
です。

ですが、その積読の他にも「ポスト(ツイート)で流れてきたおすすめ本にいいねをして止まってる本」、「書店で気になったけど迷って作者やタイトルだけ覚えてメモ帳やらクラウドにメモして止まっいる本」、挙げ句に「一度読んで、やっぱもう一度いつか読み返そう」等…。

青木は積読未遂(データのすがた/記憶のすがた)と呼んでます。

最近、それをためていたクラウドが開かなくなり、実質一部創作も含めてデータがとびました。(普段あまり使わないのもあり、ボクも気づくのが遅かったためデータ移行をしそこねたのも悪いのですが、おい、エ●ーノート、お前、ちょっとそこジャンプしてみろよ、一つくらいまだデータもってんだろ?かえせよ!かえ(以下略))

参考にしたものは読み返したいとき思い出せないのがもあもあするのと、面白かったものは「あれおもしろかった!」っていいたくなる輩なので、避難も込めてnoteの読書記録として残しておこうと想いました。

◆読んだ本たち

『私はチクワに殺されます』(2024年8月、五条紀夫、双葉社)

帯とタイトルに惹かれて衝動買いしたもの。 
チクワサスペンスです。何を言っているか分からないかもしれませんが、チクワサスペンスです。造語じゃないです。ガチです。

チクワの穴を通して人の姿を見ると、その人物の死に様が見える――。巷に溢れるチクワの秘めたる怖ろしい力に気付いたトラック運転手の男は、気づいてしまった事実の重さに苛まれ、やがて身を滅ぼしていく。荒唐無稽な設定から始まる奇妙な物語は、複数の視点から語られることで全く異なる側面を見せる。ラストには予想不可能な結末が待ち受ける、前代未聞・驚天動地のチクワ・サスペンスここに開幕!

双葉社HPより引用
ちくわ(素材元/ぱくたそ)

作中は3章構成で1章がとにかくぶっとんでます。チクワに取り憑かれ、チクワに狂い、チクワに人生すべてを壊されていく主人公に対して、笑っていいのか怖がっていいのか、どんびくべきなのか、ごっちゃ混ぜになる未知の感覚に殴られます。ですが、2章、3章につれてあの一章はそういう意味だったのかと思った矢先に1章がまた殴りかかってくる感じ。

チクワと狂気は成立するんですね。一体何食べたらこんな設定思いつくんだ?ちくわか?ちくわなのか?(褒め言葉)と思う作品です。

あ、ほんと、チクワの穴は覗いたらためですよ。
知らないほうがいいですから。

『かにみそ』(2015年9月、倉狩聡、KADOKAWA)

チクワサスペンスを読んだ後に、読み直したくなった作品。こちらも、「泣けるホラー」という怖さと切なさの両感情をミックスしてぐちゃぐちゃにしています。

全てに無気力な20代無職の「私」は、ある日海岸で小さな蟹を拾う。
それはなんと人の言葉を話し、小さな体で何でも食べる。
奇妙に楽しい暮らしの中、私は彼の食事代のため働き始めることに。
しかし私は、職場で出来た彼女を衝動的に殺してしまう。
そしてふと思いついた。
「蟹……食べるかな、これ」。
すると蟹は言った。
「じゃ、遠慮なく……」
捕食者と「餌」が逆転する時、生まれた恐怖と奇妙な友情とは。
話題をさらった「泣けるホラー」。

KADOKAWAHPより引用

蟹がね、かわいいんです。そして主人公にとってかけがない友人になんですよ。

ただ、そのかわいい蟹がね、無垢のまま、壊れていくんです。あらすじにもある主人公の何気ないこの行動のせいで。

ボクも読んでて、だんだん感情移入してきて、そっから決断して、「ある場所」で蟹と主人公が別れを告げるんですが、まあその場面が‥。そこがすごく印象的で、よく覚えていて、とても好きな作品の一つになります。


『小説 たった今考えたプロポーズの言葉を君に捧ぐよ』(2023年5月、更伊俊介 他、KADOKAWA)

今年の六月に「ボードゲームでお題を作って制限時間内に作品を作る」という企画(https://note.com/crow69/n/n8679c0643ad0)を作る時にルールなどで参考にした本。原作は同タイトルのボードゲームです。

参考として読んだはずが、とても面白かったです。最初は、こてこての恋愛ものなのかなと身構えていたのですが、正統派なまっすぐなプロポーズだけでなく、ときに笑いあり、ホラーあり、「作者どうした?」「これは、プロポーズ、なのか?」等なんでもありなところがギャップが面白かった作品です。短編なのですいすいよめるのも魅力的。

『チャンピオンズ~週刊少年チャンピオンを創った男たちの物語~」(2020年4月、魚乃目三太、秋田書店(少年チャンピオン・コミックス))』

台本『クリエイターズハイ』(https://note.com/crow69/n/n74c0618dbd4a)の鬼塚というキャラクターを練り直す時に、伝説の編集者さんとか怖い編集者さんをキーワードに探して壁村耐三さんという方を知って関連で見つかった本。壁村耐三さんの他、チャンピオンを支えた編集者の方々のエピソードが漫画で描かれています。

初稿(学生時代に書いた時)は、とにかく現実にいなさそうな怖いヤバい人ぐらいに書いたのですが、実在した壁村耐三さんはその何十、何百もぶっ飛んでた。小説より奇なりって言葉がまじで的を得てた。

ただ、作中のエピソードの中で改革を起こす時、「子ども目線でやってくれるんだったら何してもいい。俺が責任を取るから好きに暴れてこい」といった場面は趣味で物書きをしている身としてめちゃくちゃかっこいい。それに、読み切りの条件だけで新人もベテランも一律で原稿をというのは、夢があるというか、ついていきたくなる気持ちがわかりました。これはついていきたい。ほんとに。

「本棚」雨穴(『本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む』収録) 

もともと『本をよんだことない32歳がはじめて本を読む』を読んでいた最中、雨穴さんの項目の前に同じものを事前によめるとしって。ほぼ、同時並行ですが、こちらは作品単体でよんだ印象です。

初読時の感想はめっちゃ読みやすい短編。
雨穴さんの動画作品の印象、ざらっとじわっと、かつあれは一体なんだったんだろうみたいな、後味の残るイメージがつよかったのでそれもあったからか余計にそう感じたのかもしれません。

ですが、「みんなハッピー!ちゃんちゃん!」ってならないところは雨穴さんだなあと思ったのと、節々でみくのしんさんの読書の道をたどっていったら見つかる「あ!あ、ここにも!」なところが出てきて面白かったです。

『本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む  走れメロス・一房の葡萄・杜子春・本棚 』


じつはトロッコを読むはネット記事でよんだことがあり、それが本になったと聞いて。ずっとすごい熱量で語っていたので本好きとしては嬉しかったので覚えてました。

個人的には「杜子春」にかまどさんの解説をもとに贅沢をする杜子春の解像度が上がって(杜子春に)ブチギレてるみくのしんさんが面白かったです。学生時代に「杜子春」をレポートの課題で読んだことがあり、主観を省きながら読む必要があったので「こいつぜいたくしてんなあ…あーあ」で読んでいたところを、「おい、なにしてんだよ、やばいって、ほらそんな使い方俺ならしないよ??ねぇ?!!杜子春???!!!」ぐらいの熱量で突っ込んで読むのでやばさというか、感情の思うがまま本を読むってまた違った楽しさがありますね。

また、かまどさんがみくのしんさんの疑問に対して「物語の中でさほど重要な場面じゃないからよみとばしてもいいよ」とかちょっとわかるというか、自分も本を読み慣れていたら無意識にことばの整理をしちゃうんだろうなあとはっとするとこもありました。

そして、雨穴さんの「本棚」。あらためて、かまどさんが「お前みたいに本読んでみたいよ」っていたのがすごくよくわかりました。作者がいる前でめっちゃ一人の読者として登場人物に共感出来るかしなあ葛藤するところがあるんですけど、こりゃあ、物書きのはしくれの身だからでしょうか、なんかそこまであれこれ想像して、葛藤している姿に対してうれしいだろうなとし、読めないが悪いことじゃないあとなぜか考えさせられる部分がたくさんあるりました。

そしていつも雨穴さんの作品は「内容がすごい」で止まっていたのですが、紙媒体で「‥そんなくふうを‥?」をつめこんでいたことがあげられていてあらためて紙媒体の本っていいなあと思わされました。

今回は一旦ここでストップします。
なぜって、歯止めや縛りがないと延々とふえていくので…。

本は読んだらおわりではなく、読んだら読んだでまた読みたくなる作品も増えていくものだと思っているので、実質減らないのです。まあ、その分作品の楽しみ方には終わりがないですが。へへ。

それではまた…。

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