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狂おしいほど美しいアンの言葉③―――ぞくぞくするとき

Yes, that is the right name for it. I know because of the thrill. 
      (L. M. Montgomery. Anne of Green Gables. Standard Ebooks.)

そう、それが正しい名前です。
だって、体がぞくぞくってするから。そうだってわかるんです。


〈アンの狂美ポイント〉
体がぞくぞくとすれば、それが正しいとわかる


〈この言葉の背景〉
駅で初めて会ったアンとマシュー(後にアンを引き取る養父)は、馬車に乗ってマシューの家に向かう。その道中、アンはプリンスエドワード島の美しさに心を奪われる。アンは短い時間のドライブを心の祖から楽しむ。やがて、アンの眼前に湖面が輝く池が現れる。マシューに池の名前を尋ねるアン。しかし、その名が池の美しさを表していないと感じる。そして、自ら池の名前を考え出して、上記の言葉を発する。


〈周辺の原文〉
“That’s Barry’s pond,” said Matthew.
“Oh, I don’t like that name, either. I shall call it⁠—let me see⁠—the Lake of Shining Waters. Yes, that is the right name for it. I know because of the thrill. When I hit on a name that suits exactly it gives me a thrill. Do things ever give you a thrill?”
      (L. M. Montgomery. Anne of Green Gables. Standard Ebooks.)

「あれは『バリーの池』だね」と、マシューは言った。
「うーん、その名前、私は好きになれないです。どう呼べば……ちょっと待って。『輝く水面の湖』……そう、それが正しい名前です。だって、体がぞくぞくってするから、そうだってわかるんです。ぴったりの名前が見つかると、私の体はぞくぞくってなるんです。おじさんもそうなったことありませんか?」

『赤毛のアン』の物語の舞台となったプリンスエドワード島ではなくて、鎌倉の海です

〈おことわり〉
原文の翻訳は編集部員によるものなので不正確かもしれません。
正しい訳は邦訳の出版物をご参照ください。


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