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狂おしいほど美しいアンの言葉➄―――アイスクリーム

Oh, Marilla, please, please, let me go to the picnic. Think of the ice cream! 
      (L. M. Montgomery. Anne of Green Gables. Standard Ebooks.)

どうかマリラ、お願い、お願い、ピクニックに行かせて。アイスクリームのことを考えてよ!


〈アンの狂美ポイント〉
「アイスクリームのことを考えてよ!」とブチキレる


〈この言葉の背景〉
アンがとても楽しみにしていたピクニック。教会の日曜学校が主催する子どもたちのためのイベントで、当時はまだ珍しかった「アイスクリーム」が振る舞われるという。アイスクリームを食べたことがないアンは、その言葉の響きとともに、それがどんなものかいくら想像して尽くせないものが食べられることをとても楽しみにしていた。しかしアンに不運が襲う。養母マリラからアンがブローチを黙って持ち出したという嫌疑をかけられてしまい、その罰としてピクニックに参加させないと言われてしまったのだった。しかし、アンはブローチを持ち出していない。何かの間違いだった。あまりの不条理さに、アンはなんとかピクニックに行かせてもらえるようにマリラに懇願する。そして、上記の言葉を発する。


〈周辺の原文〉
“Not go to the picnic!” Anne sprang to her feet and clutched Marilla’s hand. “But you promised me I might! Oh, Marilla, I must go to the picnic. That was why I confessed. Punish me any way you like but that. Oh, Marilla, please, please, let me go to the picnic. Think of the ice cream! For anything you know I may never have a chance to taste ice cream again.”
Marilla disengaged Anne’s clinging hands stonily.
      (L. M. Montgomery. Anne of Green Gables. Standard Ebooks.)

「ピクニックに行けない!」 アンはマリラの足にすがりつき、その手をつかみました。 「だって、正直に言ったらピクニックに行って良いって約束したじゃない!  マリラ、私はピクニックに行かなくてはならないの。だから私は告白したの。好きな方法で私を罰して。でも、ピクニックに行かせないというのだけは勘弁して。どうかマリラ、お願い、お願い、ピクニックに行かせて。アイスクリームのことを考えてよ!  もう二度とアイスクリームを味わう機会がないかもしれないって、わかるでしょ」 
マリラはしがみつくアンの手を毅然と振りほどいた。

『赤毛のアン』の物語の舞台となったプリンスエドワード島ではなくて、鎌倉の空です

〈おことわり〉
原文の翻訳は編集部員によるものなので不正確かもしれません。
正しい訳は邦訳の出版物をご参照ください。


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