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狂おしいほど美しいアンの言葉⑧―――傷つけばいい

I don’t care if I do hurt your feelings by saying so! I hope I hurt them. 
(L. M. Montgomery. Anne of Green Gables. Standard Ebooks.)

傷ついたって構わない。そう、あんたなんて傷つけばいいのよ!


〈アンの狂美ポイント〉
無神経で無礼な者に対しては「傷つけばいい!」という言葉を真正面から突きつける 


〈この言葉の背景〉
養母マリラの家を訪ねてきた隣人のレイチェル夫人。アンを見なるなり「ひどくやせている」「不器量」「ひどいそばかす」「髪の毛がニンジンみたいな赤色」と馬頭する。あまりの非礼な態度にアンは床を踏み鳴らしながら猛抗議。怒りで我を忘れていく(前項参照)。そして、レイチェル夫人に言い放ったのが上記の言葉。


〈周辺の原文〉
“How dare you call me skinny and ugly? How dare you say I’m freckled and redheaded? You are a rude, impolite, unfeeling woman!”
“Anne!” exclaimed Marilla in consternation.
But Anne continued to face Mrs. Rachel undauntedly, head up, eyes blazing, hands clenched, passionate indignation exhaling from her like an atmosphere.
“How dare you say such things about me?” she repeated vehemently. “How would you like to have such things said about you? How would you like to be told that you are fat and clumsy and probably hadn’t a spark of imagination in you? I don’t care if I do hurt your feelings by saying so! I hope I hurt them. You have hurt mine worse than they were ever hurt before even by Mrs. Thomas’ intoxicated husband. And I’ll never forgive you for it, never, never!”
Stamp! Stamp!
     (L. M. Montgomery. Anne of Green Gables. Standard Ebooks.)

「よくも私がやせているとか醜いって言ったわね? よくも私がそばかすだらけで赤毛だって言ったわね? あなたは本当に無作法で無礼で感情のない女性ね!」
 「アン!」マリラは狼狽しながら叫んだ。
しかし、アンはひるむことなくレイチェル夫人と向き合い、頭をしっかりと上げ、怒りで燃える目もまっすぐに向けて、そして手をギュッと握り締めた。感情的な憤りの気が彼女の体全体から吹き出ていた。
「よくも言ったわね?」 彼女は激しく繰り返した。
「もし、あなた自身がそんなことを言われたらどう思うの? もし、あなたは太っていて、不器用で、想像力のひらめきがないんだろうねと言われたら、どう思う? この物言いで私があなたを傷つけたって構わない。そう、あんたなんて傷つけばいいのよ! あなたは私の心をひどく傷つけたのよ。あなたの夫が酔っ払ってあなたの心を傷つけた以上に。私は絶対に許さない。絶対に、絶対に!」
アンは激しく足を踏み鳴らした。

『赤毛のアン』の物語の舞台となったプリンスエドワード島ではなくて、鎌倉の風景です

〈おことわり〉
原文の翻訳は編集部員によるものなので不正確かもしれません。
正しい訳は邦訳の出版物をご参照ください。


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