Do It Yourselfにて

北海道COMITIA7に参加した。所謂、同人誌即売会というやつだ。
基本、僕は同人誌を作る際はオンデマンドという形式で、悲しいながらあまり売れないとわかっているから少部数になるのだが、印刷所に依頼して刷ってもらっている。しかし、納期を無視して、シンプルに、フライヤーを冊子にしたようなものを作りたくなった際に活躍するのは、コンビニのコピー機だ。所謂『コピー本』という種類の作品になる。最近は、PDFファイルをUSBメモリやSDカード経由で印刷してくれたりもするため、自宅にプリンタを用意する必要がなくなったのが本当にありがたい。今回も一冊、作った。急にショート・ショートを書きたくなったからだ。

イベントは盛況と言えるものだった。が、決して華やかな、採算の取れるような売上ではなかった。そういったものを度外視するのがこういったイベントであるとはいえ、影響力であれ資金的なものであれ、欲をかいてしまうのは確かだ。

旅行としては満足しつつ、己れの影響力についてもどかしい思いを抱きながら帰宅すると、ひとつの文章に出会った。

タイロウのパンクでぶっとばせ!

原爆オナニーズ、タイロウ氏によるコラムだ。そのギョッとさせられるようなバンド名(それに関しては氏の文章を読むとわかるのだが)のインパクトとは裏腹の、マニアックで理知的な文章が読める。僕はタイロウ氏に会ったことがないので、どのような人なのかは知らなかったのだが、バンド名、そして音楽性、シーンから『怖い界隈の人』ぐらいにしか思っておらず、今回いたく反省した次第だ。

タイロウ氏は何度も同じことを書く。「パンクとはDo It Yourself、自分でやること」と。そこにはスタイルなんて関係なく、文章だってパンクできるのだと。

僕はかつて、パンクスを気取っていた。いや、今でも心はパンクスなのだが、気取るようなものでもないな、と思い、一度スタイルを捨てた。RANCIDのMVに感動し指の付け根にマジックで『PUNK』と書いたり、ヴィレ・ヴァンで買ったおもちゃの手錠をブレス代わりに手首に巻いていた(これはラノベの影響なのだが、パンクだと思っていた)。世間一般的にはネットスラングで言うところの黒歴史、というやつなのだろうが、僕は意外といまでも気に入っているし、何かきっかけを見つけたらまたそういうことをするであろう人間だ。

話は戻ってタイロウ氏の言葉だ。そう、だよなと思った。己れを、Do It Yourselfで表現しようとする限り、それはパンクでいいのだと。

パンクはスタイルではない、というのはずっと言われてきたことだ。しかし、では何がパンクなのか?という疑問に対して、タイロウ氏はひとつの答えをくれた。もちろん、あくまで解答例、に過ぎない。自分なりのパンク、を見つけていいのだが。

パンク、していきたい。ロックするのではない、Do It Yourself、な。創作を続ける、生きている、限り。

投げ銭してくれると小躍りしてコンビニにコーヒーを飲みに行きます。