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「俺はいま何をやっているんだろう…」 1月の大寒少し手前の真冬の夜、ざあざあと降り注ぐ雨の中、一人国道1号線に立ち尽くす。傘はない。もう後戻りもできない。なぜこんな寒い中、この場所にいるのだろうか。もう何もわからなかった。 ***** 「面接のトークとして、『心が燃えた』経験があると面白いよ。やっぱり自分が心からめちゃくちゃ頑張った!ってエピソードが一つあると強いよ」 2週間後に、どうしてもいきたかった国際交流プログラムの面接がある。その面接のアドバイスを、すでに参加
私と「はたらく」の初めての出会いは、1メートル四方の試着室の中だった。 社会に出て働きたいなんて一度も思ったことはなかったが、大学3年生の時に、ついにリクルートスーツを買った。 正確には親に買ってもらった。これから就職活動をする私のために、正月の休みを使ってスーツを選んでもらった。 「試着してみなよ」 と言う親の声に、全く気乗りしない声で面倒臭そうに答えて試着室へ向かう。 「サイズが合わなければお声がけください! 」 店員が餌を見つけたかのような声で、試着室のカー