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エッセイ

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#旅

国道1号線で心を燃やせ

「俺はいま何をやっているんだろう…」 1月の大寒少し手前の真冬の夜、ざあざあと降り注ぐ雨の中、一人国道1号線に立ち尽くす。傘はない。もう後戻りもできない。なぜこんな寒い中、この場所にいるのだろうか。もう何もわからなかった。 ***** 「面接のトークとして、『心が燃えた』経験があると面白いよ。やっぱり自分が心からめちゃくちゃ頑張った!ってエピソードが一つあると強いよ」 2週間後に、どうしてもいきたかった国際交流プログラムの面接がある。その面接のアドバイスを、すでに参加

「大学生のボランティア」を経て思ったこと -フィリピンのスラム街にて-

「出逢いは新たな価値を生む」 フィリピンに行った経験から、この言葉を信じるようになった。 大学2年生の時に、いわゆる「貧困解決系」の学生団体に入ったことがある。貧困という大きすぎる課題に対して自分に何ができるのかが知りたかったため、「現地のニーズに基づいた支援」を掲げた、フィリピンのスラム街の支援を行う学生団体に入った。 それからというもの、学生の仲間たちと、まだ見ぬフィリピンのスラム街の「貧困」について話し合った。金銭的な問題で衛生面が整っていないのではないか。生涯年収

見えない価値観に肌で触れるとき -アメリカホームステイ紀行-

大学で英語学を専攻していた私にとって、英語が主流のアメリカに行くことは憧れであった。ただ、お金がない。でも、どうしても行きたい。そんな堂々巡りの悩みを抱えていたとき、たまたま1ヶ月間アメリカでホームステイができるプログラムを見つけた。しかも、安い。迷わず申し込んだ。 そのプログラムは、キリスト教の学習を前提としたプログラムであった。英語の勉強は大学ではなく教会の一室を借りて勉強し、聖書を読む時間が設けられていた。まあこれも経験だろうと、迷わず応募した。 私は「宗教」とは無