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エッセイ

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#スキしてみて

「即時通知」と「見える化」ができるB/43のおかげで家庭のお金の改善が楽しくなった話。

「ちょっと電気消しなよ」 「水、出しすぎじゃない?節約しなきゃ」 「クーラー消して!」 家の中でこうした言葉をパートナーから聞くたびに、イライラしてしまう自分がいた。なぜ不毛な節約をしなければならないのか。終わりのない苦行に身を投じているかのような気分となった。 同棲を始める前は気にならなかったお金の話が、いざ同じ家に暮らし、生活費を支払うとなったときに問題として顕在化した。 どうしてもパートナーとお金の話をするのが嫌だと感じてしまう。 その理由は3つある。 ・どちら

人生を変えた「鉄の棒」

「今までの人生の中で一番のターニングポイントとなった出来事はなんですか?」 ともしも誰かに聞かれたら、私は迷わず、 「鉄棒です」 と答える。 ===== 小学1年生のある日、体育の授業で鉄棒をすることとなった。横一列に並ぶ鉄棒を前に生徒が並ぶ。順番に、「つばめ」という技から練習に入る。鉄棒を両手で持って、自分の体を持ち上げ、上体をやや前傾に保ち、まるで燕が飛んでいるかのような格好をすることだ。 私はつばめに関しては難なくクリアすることができた。そのあと先生が「次は前

川の流れを下る葉っぱのように

2021年の年の瀬、ふとLINEの友人の一覧を見たくなり、画面をスワイプしてみる。すると、過去に連絡をとっていた友人たちの存在に気づく。なぜ彼らと連絡を取らなくなったのか。 いや、特に理由はない。別に嫌いでも何でもないのに、距離と時間が離れれば、自然と他人の状態に戻ることも多いと、30歳になった頃から実感し始める。 その後もLINEの友人一覧を見ていると、元カノの苗字が変わっていることに気づく。それを見て、悲しい気持ちを抱くことなく、事実として受け止めている自分に、大人に

つながる道、つながる街、つながる私

緊急事態宣言下になってからのもっぱらの趣味は、歩くことだ。 家から駅までの道を、歩く。駅から会社までの道を、歩く。通勤の駅から一駅分離れた駅まで、歩く。正直ちょっと疲れたりもする。けれど、不思議と心地よい気持ちになる。 歩く時間を確保するために、少し早い時間に起きる。7時台の街並みは、車通りも少なく、少し静かだ。朝日が徐々に上がっていくのを、体の表面で浴びる日の角度で文字通り体感していく。少し汗をかくと気持ちがいい。足は疲れているはずなのに、なぜか軽く感じてくる。 歩く

「怖い」という感情に対する処方箋

怖い。 と漠然に感じる時がある。水槽の中で快適に泳いでいたのに、いきなり砂の上に打ち上げられるような。じわじわとゆっくり水分が減りながら露頭に迷うような感覚。 最近だと、4月に入ってきた新卒の自己紹介を聞いた時に感じた。 学生時代のきらきらした経験を自信満々に語りつつ、初々しく緊張しながら話す姿が、とても儚くきれいに見えた。 周りの社員は、自分の昔の姿を重ねながら、これから増える仲間への期待を胸に、熱心に一人ひとりの自己紹介を聞いていた。 その脇で私は、怖いという気

立ち止まり、振り返ること-瞬間の価値観たちと向き合う- #自分にとって大切なこと

 昔から気が向いた時に日記を書いている。正直にいうと毎日ではないので「日記」という言葉が正しいか自信はないが、もう10年くらい日記を書き溜めている。 うちに秘めた、内面の事情をたくさん書いているので、本音を言うと人に見られたくない。けれど、さらに本音を言うと「そんな自分を知ってほしい」という気持ちもある。この気持ち同士が対立し、どうやって日記を書こうか葛藤したのを今でも覚えている。 最終的にブログに書くのは気が引けると思い、悩んだ末の妥協点としてmixiに今でも日記を書い