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逆張りの記事を書こうとしたら自分が普段から逆張りしていることに気づいてしまったという話

はじめに

普段、あなたはどういう意図で本屋に行くだろうか。
「読んでたマンガ・小説の新刊が出るから」
「参考書が欲しくて」
「CDゲームを買うついで」
色々あるだろうが、概ね上記のところに近い部分に落ち着くと思う。

悪癖

僕は普段割と『なんとなく本を読みたいから本屋に行く』ことをする。
字面でお察しの通りこれ自体は砂漠の中から一粒の砂金を探すがごとくの無謀な真似なのであるが、こういうときに買った本はかなり印象に残りやすい。じゃあ具体的にどういう要素から買う本を決めるかというと、
・その時の気分
・その時のBGM
いま本棚に並んでいるタイトル一覧
・表紙
・煽り文
・帯
etc.である。
昔こんなアンケートを採ったことがある。

何でこんな質問をしたかというと、まず本屋の中でイヤホンを着けてる客が多いことに僕が違和感を覚えたから。
前述の通り基本的に事前情報を全く入れずに本屋に行くので、最終的にどんな本が選ばれるかは僕にも分からない。当然、他の客がどんな本に興味を持ったか、どんな話をしていたか、というのも僕が本を選ぶのに必要な構成要素であるからにして、イヤホンは必ず外してから本屋に入るようにしていた。
なので、僕がどれほどマジョリティとかけ離れているかを確認したかったのが上記のアンケートなのだ。
票数はともかく、この結果は概ね予想通りだった。

所以

じゃあなぜそんなバカみたいなマネをするのかというと、「本が面白くてもそうでなくてもダメージが少ないようにしたかった」からである。

例えば、今あなたが誰かから「最近出た○○って本が面白いよ」とオススメされたとする。
あなたもそれに少し興味を持って本屋に向かってみたら、それが一冊2000円するハードカバーの本で、著者は普段興味が無いあなたも名前をご覧じたことがある名前、そして本屋のディスプレイは一番目立つところにあり、なおかつ店員の手書きポップで『今週のランキング一位!』とか書かれていたとする。
ここまできたらあなたはおそらくその本を買うだろう。その本が5000円でも10000円でも買うかもしれない。
しかし、意気揚々と帰ってきて本を開いてあらびっくり、その本の内容は貴方の趣向に全く合わないものだったのである!……となったとき、あなたはどうするだろうか?
・古本屋に売り飛ばす
・性に合わなくて苦しいが何とか読む
・いつか読むだろうと本棚に寝かす
等々あるだろう。そしていつしか「なぜこの本を選んでしまったのだろう?」という疑問にたどり着くことはないだろうか?
そう、当然そのキッカケはあなたに本を薦めてくれた『誰か』なのである。
もしそれがあなたの知人であるなら、(許されるかどうかは別として)「あの本微妙だったよ~」と愚痴る機会があるかもしれない。
ではそれが朝のニュースのワンコーナーの紹介だったとしたら?あなたの知っている芸能人が棒読みで語ってくれた「今週の本売れ筋ランキング」が情報源だったとしたら?
その時、あなたが本を選んだ責任は誰が取ってくれるんですか?
……と。ここまで仰々しくはないが、僕が未だ見ぬ一冊を求めてしまう理由がそれである。
本が面白くなかったとしても責任は僕が取る。真の地産地消である
「そもそも最初の数頁ほどを読んでから決めるという手もあるじゃないか」という反論もご尤もであるが、最初の数頁程度で本の全てを語った気になるのは格ゲーエアプ勢と同レベルの御託なので、その論拠を突き出すのは相当親しい仲以外では控えておくべきであると忠告しておく。

言うなれば逆張り

例えば僕個人の話をすると、村上春樹や伊坂幸太郎、舞城王太郎の本は生理的に合わなかったし、西村京太郎は読点だけで本文の何割を埋めてるんだとこき下ろしたくなった。最近の東野圭吾はハウダニットよりホワイダニット寄りで映像化に胡座をかいているんじゃないかと言いたいときもあった。
だが、世界の誰かは今も彼らを褒め称えているのである。作品に対して批判を述べると言う事はそれを褒めている人たちも同時に貶しているのと同じだと思っているからこそ、こういうことは普段はどこにも書かないようにしていた。やり玉に挙げた先生方すみません。こんな僕を斜め上から突き崩すような作品をお願いします。

キッカケになれば

じゃあ僕がこれまで具体的にこのチョイスでどんな本を買ったのか?という話はここではしないことにする。書いてしまえば同じ穴の狢である。
なので、過去面白いなと思った企画を貼ってお茶を濁しつつ論を閉じようと思う。

神楽坂のかもめブックスで、中身の見えない本「Secret Book」を買ってみた - Sweet+++ tea time (hatenablog.com)

文庫Xとは?盛岡発、謎と書店員の思いに包まれた本の正体が明かされる! (2016年10月24日) - エキサイトニュース (excite.co.jp)

あなたが素敵な一冊に出会えますように。
それではまた。

追記
「逆張りにそれっぽい理由をつけてるだけじゃねーか」とご指摘をいただいた。それはたしかにそう。

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