SIGMA fp ローリングシャッター歪み|気づいたんです、歪むなら歪ませればいいと。
本記事は、以下の記事をnoteにて公開したものです。
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歪みも表現にしてしまう。
今回は雑談的なお話ですが、SIGMA fp Lを使っていて悩みの1つである「ローリングシャッター歪み」について、1つの考え方に辿り着いたので語って行きます。
ローリングシャッター歪みとの戦い
SIGMA fp(特にSIGMA fp L)をお持ちの方なら1度は直面したことのあるであろうローリングシャッター歪みですが、筆者もその悩みに直面していました。
ローリングシャッター歪みについて知らない方はこの記事を居ないかもしれませんが、一応ご説明しておきます。ローリングシャッター歪みとはイメージセンサーの読み出し時間中に、被写体が動くと被写体が歪んで写ってしまうという現象です。
一般的なカメラであれば、シャッター幕が搭載されていますが、SIGMA fpシリーズやサイレントシャッター設定にした際に、シャッター幕を使用せず写真を撮影すると、この現象が発生することがあります。この歪みは、センサーの読み出し時に発生する現象のため、被写体ブレでも手ブレでも発生するものです。ということでもっと詳しく知りたい方は、他の方がもっと専門的な知識と共に解説していただいている記事があるので、そちらを参考にしていただきたいのですが、簡潔にまとめると「写真・被写体が歪む問題が起こる」ということです。
そして、そのローリングシャッター歪みが顕著に現れるのがSIGMA fp Lです。
シャッター幕を搭載していない電子シャッターの上に、6100万画素という高画素で読み出し時間が長く、大きく歪みが発生します。SIGMA fp Lで撮影しているとすぐに被写体が歪んでしまい、世界が曲がって写されることがよくあります。筆者は購入前からローリングシャッター歪みが発生することを知った上で購入していますが、それでも衝撃を受けたほどです。
ローリングシャッター歪みがすぐに発生することで、動いている被写体はもちろんのこと、手ブレにも気をつけながら、動いて撮影するなど以ての外といった感じで、撮影に少し癖があるカメラという扱いをする必要があります。もちろんSIGMA fp Lを使用している方は、そもそもカメラには慣れた方が多いと思いますし、癖を求めて購入したというまであると思いますが、それでも悩まされることもあるかと思います。
そんなことを思いながら筆者はある日、歪むなら歪ませた作品を撮ればいいじゃないとなったわけです。(え…?
歪むなら、歪ませればいい。
もちろん歪まないでほしいシーンが9割以上であることは確かだと思います。加えてローリングシャッター歪みを起こした写真なんて写真じゃないと考える方も居るでしょう。
でもたまには盛大に歪ませて、盛大に違和感を演出してみるのも良いのではないかと思いました。
横断歩道を歩く人々は、進路を決めて真っ直ぐ歩き始めますが、その進路を撮影者が自ら歪ますという行為。だいぶおかしなことを言っていると自覚していますが、それでも主観的に進路を歪ませることができるのも写真表現の1つとして良いと思うのです。
撮影のポイントとしてシャッタースピードを遅くして、ローリングシャッター歪みだけでなく長秒露光によるブレ表現も同時に取り入れることです。歪みとブレを同時に使用することで、歪みだけでは発生してしまう違和感を緩和することができると感じています。
地下鉄のホームから反対側のホームにいる人を列車越しに撮影した写真。手前を走り抜ける列車が盛大に斜めになっていますが、ここまで歪むともう“歪んだ”というより“何かわからないモノ”として表現に取り入れられそうです。
この写真は歪みを抑えていますが、それでもパースが歪んでいるように見えます。
斜めに歪みながら回転させて撮影したためにそのように見えるのだと思いますが、1つのレイヤーとして前に白の縦線がありますが、このレイヤーも歪んでくれているおかげで全体的なバランスは取れているように思います。もちろん歪んでいる時点で現実世界と比べてバランスが取れているかどうかは確認することができませんが、写真に違和感を持たせるという点では1つの表現として取り入れられそうです。
まとめ
ということで、この記事では筆者が思ったことを淡々と語ってきましたが、少しでも参考になる点があれば幸いです。
今回筆者が伝えたいことは「ローリングシャッター歪みを許容しましょう」というわけではなく、「普段は抑えていることも、たまには表現として取り入れてみると面白いかもしれません」という提案です。
逆にまだSIGMA fpシリーズをお持ちでない方がもしこの記事をお読みであれば、このローリングシャッター歪みをどう捉えるか、「なんかめんどくさいなぁ」と思った方は合わないカメラなのかもしれません。(あくまで1つの要素としてです)
これからもしっかりと構えて歪まないように戦いながら、たまに歪みを取り入れた写真を撮影して行きたいと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
使用機材
カメラ|SIGMA fp L
レンズ|SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary