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Hostdonで自分専用のサーバーを建てた話


※こちらの記事は2023/07/23時点の内容です。
※Fediverseについての基礎知識があること前提の内容となっています。
※原則「インスタンス」=「サーバー」と表記しています。

はじめに

 Twitterでのあれやそれやで今年に入ってから目にすることが多くなった「Mastodon」「Misskey」「Fediverse」といった分散型SNSおよびその用語ですが、自分も例に漏れず今年の2月に晴れてFediverseデビューすることとなりました。めでたい。
 最初は規模の大きいサーバーに登録したのですが、連合タイムライン(以下GTL)のあまりの流速っぷりに様子見&待機、みたいになってしまいこれでは登録した意味がなーい!とどこか自分と相性の良い所はないかとGTLを流し見していたところ、たまたま目に止まった投稿が現在メインでお世話になっているサーバー「Otadon」の管理人であるもりかぷさんのものでして。

 ドメイン「Otadon」というネームにもココロに何か引っかかるものがあったのでしょう、なんか良さそうだな~という直感を頼りにそのままアカウント引っ越しを慣行、その日の深夜にはOtadonへの移行が完了しました。
 それから5ヶ月、同サーバー内でお話する人も増え今では充実したSNS生活をしております。良い話だね。

 で、そこで過ごしている中で出てきたのが「自分専用のひとり用サーバーを作りたい」というもの。(以下「自鯖」と表記します)
 自分がOtadonへ登録した時点で自鯖を持っていたりちょうど作ってます!な方々は既にいらっしゃったのですが、一番の契機となったのは複数のフォロワーさんが今まさにサーバー作成しようとしていたこと。大変ながらも楽しそうなその様子に触発された格好となります。
 …まあその直前に「自鯖は作る予定はないかな~」とか書いてたんですけどね!たった1日で行動を覆すとは思いませんでしたがやりたくなったものは仕方がない。そういうことにしておきましょう。

 ちなみになぜ自分専用サーバーを作りたくなったのか?は単純で、「自分の城が持ちたくなったから」です。MastodonかMisskeyかも建てられるのであれば特別こだわりはなし。シンプルですね。

ホスティングサービス「Hostdon」

 自鯖を作るにしてもじゃあどうやるんだ、となったのでとりあえず考えたのは2つ。

  • レンタルサーバを借りて自分で一から作り上げる

  • ホスティングサービスを利用する

 ここ最近の傾向ではMisskey、Calckey(現:FireFish)で自鯖を立ち上げる人が多いのでそっちで作るのがいいのかな?とも思ったのですがそこはIT知識からっきしのクロすけさん、無料wikiを作る程度の知識はあってもソースコードとにらめっこして何もないところからサーバーを作り上げる技術はありません。
 それ+アップデートに伴う日々のサーバー管理は今の状況では難しいというか全てが面倒になって突然ほっぽりだす可能性がなきにしもあらず、というわけで「一から全部作り上げる」選択肢は今回外れることに。ホスティングサービスを利用することにしました。

ホスティングサービスって?

 ざっくり言えば「サーバーの立ち上げを代行してくれて、その後のアップデートやメンテナンスも一括して行ってくれるサービス」です。立ち上げ後の日々の管理はもちろん必要ですが、それ以外の重要な部分を全て行ってくれます。なんだこの素晴らしいサービスは。
 で、このホスティングサービスを行っている会社のひとつが「Hostson」というところです。ちなみに名前で察せると思いますが、代行対象となるのはMastodonとなります。

 他にもホスティングサービスを行っている会社はあるのですが、現時点で唯一日本語対応しているのがこちらになります。これが一番の決め手となりました。費用に関しては結構甘めに考えていたので、どちらかといえばサポートの手厚さ・分かりやすさを重視したかったというのがあります。

 ホスティングサービスをお願いするところも決まったので、次からは実際に登録申請~サーバー作成の話となります。
 ですがその前に、今回のサーバー作成にあたり参考にさせてもらった記事をいくつか紹介させていただきます。この場を借りてお礼申し上げます、ありがとうございました。

 Hostdonを利用したいというときはこれらの記事も是非ご参考になさってください。ではここまでのまとめです。

  • 筆者(クロすけ)はIT系の知識も技術も持ち合わせていない

  • 無料wikiを作成・運用する程度の知識ならある

 という人間がホスティングサービス「Hostdon」を利用してサーバーを作成する、というお話となります。内容的にはかな~り初歩の初歩な内容となりますが、同じような境遇の方にとってこの記事が「このくらいの知識でもサーバーちゃんと建てられるよ!」という道標のような存在になれば幸いです。

アカウント登録までの流れ

 前置きがとても長くなりましたが、ではまずHostdonへのアカウント登録から行っていきましょう。(上に貼ったリンクから飛んでね)
 トップページを下へスクロールすると出てくる「サービス一覧」からMastodonホスティングサービスを選びます。横にあるPleromaホスティングサービスは現在受付停止中のため、選べるサービスは必然的にこちらのみとなります。というわけで「詳しく」をクリック。

 詳細ページにはまず、Hostdonホスティングサービスの特徴が記されています。ざっくりまとめるとこんな感じ。

  • ドメインを持っていなくてもサブドメインが利用可能だよ

  • 既存のMastodonアカウント・Hostdonサーバーから無料で引っ越し・移行可能だよ

  • 各サーバのソースコードは全てGithubに公開されてるよ

  • アップデートやサーバーメンテナンスは全部Hostdon側で行うよ

 4つ目のアプデ&メンテは全てHostdon持ちという文面が非常に心強い。引っ越し・移行無料なのも人によってはありがたいでしょう。ソースコードに関してはあまり気にしなくてもいいかも。で、気になる人は気になるのが1つ目の「ドメイン」かと思われます。
 Hostdonでは外部で取得したドメインをそのままMastodonでも使うことができます。気にしなかったり費用を抑えたい場合はサブドメイン(hostdon.ne.jp)利用でも良いと思いますが、専用ドメインは何より「自分の城」感が出るのが最大の特徴。自鯖運用している方のURLを眺めてみると皆さん色々工夫していらっしゃって面白いですよ。
 というわけで、どうせ借りるならドメインも作ろう!となったので先にドメイン取得をすることにしました。

ドメインの取得について

 「ドメイン 取得」などでワード検索するといくつかサイトが出てくると思います。どこのサービスが良いかというのは正直分からなかったので、自分は周りの人の利用率が高い「ムームードメイン」を利用することにしました。

 取得したいドメインを調べて、費用とにらめっこして良ければカートに追加して購入しちゃいましょう。ちなみに取得時にかかる費用と更新時にかかる費用は別となるのでご注意。(条件によっては更新費用が無料になるケースもあります)
 自分は「crossdon.com」というドメインを取得費用0円で購入しました。ドメインにどこまでこだわるかはその人次第ですが、どうせ作るなら後悔のないようにしましょうとはクロすけさんの個人的な感想です。お財布とは要相談!

料金プランの確認

 さて、ドメインも取得したので改めてHostdonです。次は大事な料金について。
 料金プラン、よく見ると「東京リージョン」と「シンガポールリージョン」の二種類あることが確認できます。違いはデータセンターの設置場所に伴うレイテンシの差で、東京の方がいろいろな処理が早い…そうです。たぶん。なのでその分東京リージョンの方が料金お高め。
 自分の場合、まあいうてどこのサーバーでも遅いときは遅いからなという根拠があるのかないのか分からない理由で費用の安いシンガポールリージョンをチョイス。使ってみての違和感は特にないのでまあ大丈夫かな?という感じ。
 ライト/スタンダード/プレミアムはお好みで、ですが自分ひとりだけの利用であればライトで十分だと思います。画像をたくさん上げたい!というのであればスタンダードでも良いですが、この辺は使い方次第ですね。ちなみに最初見落としていたのですが、リモートの画像ストレージは全てのプランで無制限となっています。
 追加オプションの全文検索サービス、ローカル用追加ストレージもお好みで。自分はとりあえず多いに越したことはないということでスタンダード+追加オプション二種、で申し込みました。(プランは後から変更可能です)ひとりならライトで十分だってさっき言ってたって?まあまあ。

仮登録~本登録+新規作成の申し込み

 プランを確認したらいよいよ登録です。ページ下部の「アカウント登録」から仮登録フォームへ連絡用のメールアドレスを入力し送信しましょう。流れとしてはこんな感じ。

  • 仮登録メールから本登録を行う

  • 本登録メールが来たら「コントロールパネル」へ飛ぶ

  • コントロールパネル上部の「Mastodonインスタンス」→「新規作成」へ順に進む

  • インスタンスの新規申し込みページになるので、全ての項目をチェックしたら送信

 最後の「インスタンスに使用するドメイン」でサブドメインを使用する場合は、作成完了メールが届いた時点でサーバー作成が完了しているはずです。おめでとう!お疲れ様です!
 そして独自ドメインを使用する方はもうちょっと作業があります。頑張りましょう。

ネームサーバーの変更(独自ドメイン使用の場合)

 残りの作業がこちら。一連の作業の中では一番重要な箇所となります。ちなみにこれが終わらないとサーバーが作成されません
 独自ドメイン使用の場合、Hostdonから「該当ドメインのネームサーバーを変更してください」という連絡メールが来ます。ネームサーバーとはなんぞや…?となった人もいると思いますが、これはそのドメインを取得したサービスの管理画面で変更ができます。自分の場合はムームードメインになりますね。
 というわけで再度ムームードメインにログインし、コントロールパネルへ。「ドメイン操作」→「ネームサーバ設定変更」というそのものズバリな項目があるのでクリック。使用するドメインの「処理:ネームサーバ設定変更」へ進みます。
 その先はいろいろ並んでいますが、一番下の「取得したドメインで使用する(上級者向け)」を選択。Hostdonの連絡メールに記載されているネームサーバ名を入力し、合ってるようなら設定変更して完了です。あとはHostdonの連絡を待ちましょう。(変更完了の返信メールを送る必要はありません)

 申し込んだ日時にもよりますが、自分の場合ネームサーバ変更~変更確認メールが来るまで約3時間、その後サーバー作成完了メールが来るまでは更にそこから約1時間でした。土日に申し込んだ場合はもうちょっとかかるかも知れません。
 Hostdonからメールが来たら晴れてサーバー作成完了です!お疲れ様でした!…ではないんですね。もうちょっと続くんじゃ。

サーバーができたら

 作成完了したらそれでおしまい、ではなく今度はMastodonアカウントの作成と管理者登録が待っています。セキュリティの面でも大事なので、最低限ここまではやっておきましょう。

Mastodonアカウントの作成

 自分のサーバーにアカウントを作成します。
 Hostdonに登録したものとは別のアカウントとなるので、メールアドレスは別のものでも問題ありません。他のMastodonサーバーに登録したときと同じようにアカウントを作成しましょう。

作成したアカウントに管理者権限を付与する

 先程作成したアカウントに、サーバーの管理者権限を付与します。
 手順は以下の通り。

  • Hostdonのコントロールパネルにある「Mastodonインスタンス一覧」から作成したサーバーの右端にある「管理」をクリック

  • 「各種タスクの実行」内にある「管理者登録」に、作成したアカウント名を入力し、登録

 管理者登録が完了したら、もう一度Mastodonへ戻ります。
 次が一番重要です。

サーバーへのアカウント登録受付を停止する

 サーバーの準備が整うまで新規アカウントの登録受付を停止します
 サーバー作成時点で登録は誰でも可能になっているので、見知らぬアカウントからの登録を不意に受けない(スパムなどもあるため)ためにも重要です。できれば迅速に行なっておきたいところ。
 手順は以下の通りとなります。

  • 管理者登録したアカウントの「ユーザー設定」ページへ飛ぶ

  • 「管理」→「サーバー設定」→「アカウント作成」と進む

  • 「新規登録が可能な人」の項目を「誰にも許可しない」に設定し、変更を保存

 ブランディングやサーバールールなど、設定する項目はいろいろありますがこの2つは特に先に行っておくのが良いと思います。
 もろもろ終わって他の人を自鯖に招きたい!というときは、ここの項目を再度変更してくださいね。

おわりに

 この時点で約5400文字です。拙い文章ですがお付き合いいただきありがとうございました。
 ホスティングサービスを利用したサーバー作成は非常に便利で、技術に自信はないけど自分のサーバーは持ちたい…という人には特にピッタリだと思います。機能カスタマイズに関しては最低限のものとなりますが、そこは技術面をHostdon側へほぼ全てお願いしているので妥当かなと。

 最後に自分のサーバーをちょこっと紹介しておしまいにします。

 自分専用のサーバーなので誰かを招き入れる予定はないのですが、現在は自鯖持ってる人を中心にフォローさせてもらっています。中身は特に決め事のない雑多なよろずサーバーです。話題がコロコロ変わる。
 サーバーネームは、Fediverseという宇宙で人々が交差(cross)する様を表現した……のではなく「クロすけ」だから「クロス+Mastodon」のクロスドンが語呂ええやろガハハみたいな感じです。こういうのはノリと勢いが重要なので。

 以上、Hostdonでサーバーを立てるお話でした。
 誰かのお役に立てれば幸いでございます。

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