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#64 私の口癖/くろさわかな

【往復書簡 #64 のやりとり】
月曜日:及川恵子〈肉とお洒落は生きる糧〉
水曜日:泖〈知らない自分〉
金曜日:くろさわかな〈なんか、へぇ~〉

なんか、へぇ~

喋り出すとき、「なんか」から始めてしまいます。
「なんかさ~、昨日娘がね」とか「なんかね、テレビで見たんだけど」とか。
急に会話を始めるよりも「今から話しますからね」という合図になるかなと思っていましたが、「なんか 口癖」で検索すると出るわ出るわネガティブワード。「不快」「うざい」「耳障り」……。すみません、気をつけます…。

でもきっと、他にも自分で気がついていない口癖もいっぱいあるんだろうな。自分で気がつくのはまだ「口癖(仮)」の状態というか。そして、口癖とはいかないまでも、ふとしたときに口にする言葉にも染み込んでいる微妙な癖があって、その人の個性になっているんだと思います。

そういえばわたし、人の話を聞いているときの相槌がどうもうまくないようで。以前数名と談笑していたときに、なるほど面白いですねというニュアンスで「へえ~」と言ったら、「いやいやくろさわさん興味なさすぎですよ!」って突っ込まれたことがあります。
自分としてはまっっっっったくそんなつもりはなく、むしろ逆だったので驚いて否定しましたが、否定すればするほどそれ自体が笑いをとりにいってるみたいな雰囲気になってしまって、結局誤解は解けませんでした。

最初に話をしていた方が不快な気分になっていなかったのが救いでしたが、「へえ~」の言い方の癖についても口癖と同じように気をつけなければなあと思っています。

という話を娘にしたら、「そうそう、そういう興味ない感じの言い方するよね」と言われました。やっぱりそうなんだ…。なので気をつけて少しトーンをあげて「へぇ~!」と言ってみたら「なんかそれはバカにしてるみたいに聞こえる」と言われちゃってパニック。「へぇ~」自体の封印が必要かもしれません。「さすが!」「知らなかった!」「すごい!」「センスいい!」「そうなんだ!」を駆使しなきゃいけないでしょうか。いや、これもわたしが言ったら全部バカにしてるみたいに聞こえちゃうかもしれない。

いっそ会話の最初に「わたし、『へぇ~』の言い方が下手くそなので興味ないみたいに聞こえることがありますが基本興味ないときは別な話題になるように仕向けるので『へぇ~』は全然興味あるときです」って言っておこうかな。それこそ口癖になるくらい。

でもあだ名がトリビアとかになったら嫌なので、頑張って治そう。


くろさわかな

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