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#9 落ち込んだ時の処方箋/くろさわかな

どうしようもないときは八つ当たりしたっていい、って猫から(勝手に)学んだ

「オトナ」は汚くて、「コドモ」は純粋だ。

子どもの頃、アニメやドラマで当然のように出てくるこの設定が大嫌いでした。陰険なことをしたり自分の利益優先で考えたりするのは子どもだって同じだし、大人だって汚いことする人もいれば純粋な人もいる。その比率は変わらないでしょ?子どもだからとか大人だからで一括りにしないでよ、って。

成人して大人になってからもその考えはほとんど変わらず、結局フィクションの世界の「汚いオトナ」はフィクションの世界の話(あるいはリアルな世界にいるごくごく一部のオトナ)だと思って生きてきました。
だけどここ1ヶ月くらい、ちょっとその考えを改めるような出来事がちょこちょことあって、「わたしは今まで周りの人に恵まれて生きてきただけで、オトナって普通にあちこちにいるんだ」と思い直しているところです。

そしてその汚さは地続きでグラデーションになって、どこかの地点で自分も染まり色を出している、ということも今更ながら感じています。やっぱり私も「オトナ」なんだよなあという思い。子どもが純粋でいられるのはオトナがフィルタしてるからだとふとevilな考えがよぎってしまって、いやそもそもその色を出しているのがオトナなんだからおかしいだろ、とか憤ったり。ぐちゃぐちゃぐだぐだと脳内会議していました。

そんなこんなで、8月半ばくらいから9月上旬くらいまで、自分が「オトナ」だという現実を考えるたびに落ち込んでまして…。
本を読んだり、寝たり、美味しいものを食べたりしながらやり過ごしておりましたが、どうにもこうにも抱えきれないときもあります。

前置きが長くなりましたが、そんなふうに落ち込みがMAXのとき、わたしは「八つ当たり」をします。字面だけ見ると最低ですね。八つ当たり。しかしこの八つ当たりを最低なものにしないためのコツを、昔一緒に暮らしていた猫たちに教わりました。

八つ当たりには頭のてっぺんを使うべし😼

猫って、顔や頭を相手にこすりつけるような仕草をしますよね(便宜上、これを「すりすり」と呼びます)。特にごはんのおねだりだったり、朝起こしに来たときの「すりすり」は、頭相撲かと思うくらい力がこもっています。勢いをつけてぶつかってくるときなんてほぼ頭突き。顔面にこられると痛いくらいです。

甘えているときにする行為らしいのですが、たまに「すりすり」からの「甘噛み」なんかも繰り出されたりして。これって、若干興奮してたりイライラっとしてたりもあるんじゃないかなって思うんです。

そこでこの「すりすり」、八つ当たりの方法として使わせてもらっています。
相手は旦那とか息子とか娘とか大きめのぬいぐるみとか。わたしがやるのは「すりすり」というよりか「ぐりぐり」なんですが、ひたいから頭のてっぺんあたりを、相手の二の腕とか背中にぐりぐりーっとして八つ当たります。
(あんまりやると髪の毛が抜けたりチリチリになってしまいそうなので、そこは加減しつつ…。)

やられた相手は苦笑いするか完全無視といった感じですが、嫌がっていないのであればOKです。体が触れ合うと(ぬいぐるみでも)幸せホルモン「オキシトシン」が分泌されるらしく、八つ当たりしているうちに落ち込んだ気持ちもだんだん和らいでいきます。

大体落ち着いてきたら、乱れた髪の毛を整えて、八つ当たり終了です。
仕上げに八つ当たりしちゃった相手と一緒に美味しいものでも食べるとなお良しですね。

大切なことは「オトナ」でも「コドモ」でもなく、「猫」が教えてくれる。……かも。
ああ、また猫と暮らしたいなあ。

くろさわかな


最近は八つ当たり用にもう少し大きいぬいぐるみがあった方がいいかなあなんてことも考えています。候補はIKEAのサメ。

猫チャンも認定!


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