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04. 裁判傍聴記✐-無免許運転-

この記事は、私が裁判傍聴した時のことを、記録するために書いています。


私が記憶に残った3つの裁判について、書き記したいと思います。
3つ目は、私が忘れられない裁判です。


File3.道路交通法違反



罪名:道路交通法違反
被告人:30代男性

無免許運転で捕まった男性の裁判でした。
高速道路走行中、助手席に座っていた彼女がシートベルトをしておらず、警察に止められた際に発覚しました。
車には友人と彼女が乗っていて、2人は運転免許を持っていると思っていたそう。

被告人の言い分としては、友人が眠そうだったため、自分が代わりに運転しようと思った。
車以外の移動手段が思いつかなった。
これまでに何回も無免許で運転しており、お金がなく免許を取ることができない、といったところです。
何回か交通違反・無免許運転で捕まったことがあり、3年前には無免許運転で死亡事故を起こし、服役経験があるそうです。



感想


不快に感じる裁判でした。
何回も無免許運転を繰り返し、死亡事故を起こしたこともあるのに、まだするんだ、と不愉快極まりなかったです。

会社設立のためにお金を貯めていて、免許をとるためのお金がないと言っていたことに対しても、車のルールも守れないのに、何を言っているんだろうと思いました。

私は、ニュースで飲酒運転による死亡事故などを見るたびに、胸が痛くなります。
飲んだら運転しなければいいのに、それでも運転しなければいけない状況って何なんだろうと、裁判中ずっと考えていました。

淡々と質問が続き、裁判が進みました。

証人尋問で、被告人の彼女は、シートベルトを忘れていた自分が悪い、寝ぼけていた、自分がしっかりしていきます、と話していました。
それに関しても、答えになっていないと感じました。
1番問題なのは、無免許運転で捕まったことも、死亡事故を起こしたことも知っていたのに、なぜ運転を止めなかったのか。
どうしてシートベルトのことばかり話すのか、私には理解できませんでした。

事実確認が進む中、もやもやばかりが増えていました。
今回の無免許運転について事実確認を行う場であるため、仕方ないとは思います。
それでも、どこに向かう途中だったのか、車は誰のものなのか、などの質問が続き、被告人も平然とそれに答え続ける状況に、この裁判に何の意味があるのだろう、とも思いました。

裁判の終わり、裁判長が「最後に私から1つだけ聞きたいことがある」と言いました。
初めて、裁判長が進行役以外の言葉を発しました。

「以前、無免許運転で死亡事故を起こし、ある家庭のお母さんの命を奪いました。なぜ、また無免許運転できたのですか。」

少し泣きそうになりました。
私が最初から最後まで、ずっと思っていたことです。
裁判長が代弁してくれたような気がしました。

それまで平然と答え続けていた被告人が、初めて黙りました。
何も言えないまま時間が過ぎ、少し経ってから、謝っていました。

やっぱり裁判長の発言というのは、重く、そして響きました。

被告人が、自分の何が悪かったのか、以前の事故を踏まえて、考えてみてほしいです。



判決


後日、判決を聴きに行きました。

懲役1年

交通違反・無免許を繰り返す上、死亡事故を起こし、それでもまた同じことを繰り返した罪は重い。
反省してくださいとの判決でした。

私は、率直に、短いなと感じました。
法廷で泣き崩れる彼女や友人の姿を見ると、何とも言えない気持ちになりましたが、二度と運転はしてほしくないという気持ちは変わりませんでした。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


引用写真
紙芝居:ぶるるん ぷっぷー
作: にへい たもつ
絵: いのうえ ちひろ
出版社: 教育画劇

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