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[機材レビュー]iRig HD 2

iRig HD 2を購入してから、Macでギターを録音することがなくなった。このオーディオインターフェイスは自分のギターの録音のスタイルを大きく変えるデバイスになった。

iRig HD 2はiPhone / iPadに接続できるギター用のオーディオインターフェイスiRigの最新機種(2021年現在)で、2016年に発売された。iRigシリーズにはiRig HD 2の他にもiRig 2やiRig Proなど様々なモデルが用意されているが、初代iRig / iRig 2ではiPhone / iPadとの通信がアナログなのに対して、HD 2 / ProはUSB接続でデジタルで通信されるため音質が格段に良い。HD 2はMIDI接続の機能やコンデンサーマイク用のファントム電源などに対応していない一方で、外部アンプ用出力やFX/THRUスイッチが用意されたギター特化型となる。

自分の場合は、このiRig HD 2をiPad Proに接続し、同じくIK Multimedia社のAmpliTube for iPadとあわせて使用している。

音質・ノイズ問題なし

音質やノイズに関しては一切問題を感じない。ギターによっては、GAINをゼロにした状態でも強く弾いた時に入力レベルが過大になってしまうため、スラップや激しい演奏をする時に回路にダメージを与えないか若干心配になってしまうが、今のところ問題なく使えている。

レイテンシーはアプリとの組み合わせによるが、AmpliTube for iPadとの組み合わせであれば自分の場合は十分許容範囲だと感じる。ただし、同じ機材を使っても、違和感を感じるという人もいるため、この辺りは個人の感覚・好み次第になってしまいそうだ。

電源ケーブルから解放され、どこでも使用できる

iRig HD 2はiPadからのUSBケーブル経由での給電で動作するため、電源ケーブルが必要ない。iRig HD 2とギターとの間もXVIVEでワイヤレスにすると、気にしなければいけないケーブルはヘッドホンのケーブルだけになるので、非常に快適で良い。

下の動画も、録音はiPad + iRig HD 2を使って行っている。

Macで録音することがなくなった

iRig HD 2は本体のサイズも非常に小さいので、基本的にiPadを置くスペースがあればどこでも使用することができる。Macを使って録音するときは机の前で弾くしかなかったが、iPad + iRig HD 2で録音するようになってから、リビングのソファー、ベッド、ピアノの前、別室の机など、家の中でも好きなところで録音できるようになった。これは非常に快適で、もうこの2-3年はMacでギターを録音することがゼロになってしまった。

録音した後にMacでサウンドを再調整できる

iRig HD 2 + AmpliTube for iPadでギターを録音した場合、AmpliTubeを通した加工済みのサウンドとは別に、加工前の元の信号を書き出すことができる。AmpliTube for iPadでも十分に良い音を作ることは可能だが、元の信号をMacのAmpliTubeで読み直してそこでサウンドを作り直す、ということができてとても便利だ。トラック数が少ない曲であれば、後から音作りをやり直したいケースはそこまで多くないかもしれないが、トラック数が多い場合、ミックスをしてみたらなんだかしっくりこなかった、というようなことが時々ある。そういう時に、後から音の劣化なしでサウンドを作り直せるというのはとても便利だし、「後で直せる」という安心感は録音時に演奏に集中しやすくなるので良い。

外部スピーカーを使ってのモニタリングは難しい

iRig HD 2の場合、ヘッドホンを使ってモニタリングをしながらの録音は至って快適なのだが、外部スピーカーを使ってのモニタリングは快適とは言えない。

iRig HD 2では外部アンプ用出力を使うと、AmpliTubeで処理したサウンドをそのまま外部のギターアンプから出力することができる。ただし、この場合出音は当然ながら出力先のアンプのサウンド特性の影響を受けてしまう事になる。パワードモニタースピーカーを使えば良いのだが、パワードモニタースピーカーは重量もあり電源も必要となり、iRig HD 2のメリットの一つである、どこでも録音をできる手軽さが相殺されてしまうため、結局iRig HD 2はヘッドホンでの録音専用となってしまっている。

ヘッドホンではなくモニタースピーカーを使って録音をしたい場合は、iRig Micro Ampを検討した方が良い。

まとめ

iRig HD 2を買ったことで、自分のギター録音のスタイルは大きく変わった。リビングのソファーでiPadを使って録音を行い、その後サウンド調整をMacで行う、というスタイルは非常に快適で、もはやMacの前に座って録音をするスタイルには戻れなくなった。

最近はYamaha THRを録音に使う機会も増えたが、それでもiRig HD 2がメインであることに変わりはない。値段は安くはないが、間違いなく良いオーディオインターフェイスだと思う。


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