見出し画像

AmpliTube TONEXは自分でキャプチャをしてこそ真価がわかる

ファーストインプレッションを書いた段階では、本文にも書いた通り「特別凄いと感じるところには至っていない」というのが正直な印象だった。

その後MODELER機能を使って自分でアンプのモデリングを試してみて、ようやくこのTONEX(+AmpliTube)の凄さを実感することができた。

M-Audioの安いオーディオインターフェイスM-Track DuoとBogner Alchemist 112、そしてTorpedo Captor Xを接続してキャプチャーをしてみた。最初にアンプで音作りをしたら、あとは指示通りにオーディオインターフェイスとアンプ、ギターを繋いで数分待てばキャプチャが完了、その後さらに数分間モデルの学習を待つだけでモデリングが完了する。

音質については上記動画の通り。注意して聞けば低音域に若干の違いは感じられるかもしれないが、正直なところ自分にとっては十分すぎる品質だ。

実際に自分で何度かモデリングをやってみてわかったことがいくつかあった。TONEXは、良いアンプ実機を持っている人にこそおすすめできるプラグインだ。

作成したアンプモデルは、AmpliTubeでアンプ(+キャビネット)として読み込むことができる。当然ながら、AmpliTubeの機能を使って前段や後段にエフェクターを差し込んだり、系統を分岐して他のアンプモデルのサウンドとミックスしたりした状態で演奏・録音ができる。まず、これがかなり快適で楽しい。実機でアンプの前段に、ノイズゲート→イコライザー→コンプレッサー→ブースターを挟もうとしたらそこそこのお金とスペースと労力が必要でノイズと音痩せの対策も必要になってくるが、それらのストレスなしに気軽に好きなようにエフェクターを挿せるというのは楽しい。後段のラックエフェクターに関してはより実機で実現するハードルが高いので、なおさらだ。エフェクターをしっかりかけた状態のサウンドでのギター演奏・録音は、アンプ実機での演奏・録音とは違った楽しさ・気持ちよさがある。エフェクターのパラメータは録音後に調整できるので、ノイズゲートが不自然にかかってしまった、というような時に後から部分的にOFFにしたりといったようなことができるのも嬉しい。

上に書いたようなメリットはAmpliTubeのメリットなのだが、それを自前のアンプのサウンドでも享受できるというのが大きなポイントだ。

そして、キャプチャした音を「プリセット」的に使えるのも嬉しい。アナログアンプでは、どうしても録音時の設定を後から完全に再現するのは難しい。バッキングを録った後にソロを録り、後になってまたバッキングを録り足したくなったというような時に、元のトラックと完全に同じトーンを再現するのはなかなか難しかったり面倒だったりする。

TONEXでキャプチャしたトーンは、「キャプチャ時のアンプの設定のトーン」になる。ツマミによるサウンド変化は再現できないため、必然的にプリセットのような使い方をすることになる。これはやはりなんだかんだ便利で、アナログアンプ実機の不便なところを補ってくれるものだ。

上記のように、実際に自分でキャプチャをしてみて初めてTONEXの真価が理解できた。お気に入りのアナログアンプを持っている人であれば是非お薦めしたいところではあるのだが、残念ながら自分の場合クリーントーンについてはなかなか期待通りのトーンのキャプチャに成功していない。スピーカーの鳴り感が重要なのか、レベル調整が良くないのか、それとも低音部分の再現性の違いが感じられやすいからなのか、まだまだ研究の余地がたくさんありそうだ。

2022.11.19追記: iOS版アプリが出たので録音してみた


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?