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[メンテナンス]中古で購入したLes Paulの初期メンテナンス

2017年製のGibson Les Paul Classicを購入した。値段が安かったこともあり、コンディションはあまり良くなかったので状態のチェックをしながらメンテナンスをしていくことにした。

状態の確認

ボディカラーはHoney Burst。今回も実物を見ずにネットでの購入だったため、到着までコンディションは不明だった。

2017年製ということで、極端なネックの反りやフレットの減りはないだろうと思って購入したが、幸いそれらはなかった。フレットはくすみ/汚れはあるものの、少なく見積もっても8割以上は山が残っており、表面を磨いてスムーズにすれば問題なく弾けそうだ。

弦の錆、埃の蓄積、金属パーツのくすみ具合などから、しばらく手入れをされていなかったことがわかる。リアピックアップは逆向きに取り付けられているようだ。

弦は1弦〜3弦がなぜか逆向きに巻かれていたが、幸いパーツへのダメージなどは見受けられなかった。トラスロッドカバーはClassicの文字がないものに交換されていた。(交換前のオリジナルのカバーも同封されていた)

ネックには片側の一部に変色が見られた。表面に大きな凹みや抉れがあるわけではなく、ラッカーの変質という感じでもなく、このような変色をみるのは初めてだった。前のオーナーによると、少なくとも大きくぶつけたりしたことはなかったとのことだが、変色の原因は思い当たらないとのことだった。

ちょうど親指が当たる位置になるため、過去のオーナーが演奏する際に親指の置き方に癖があったか、身につけていたアクセサリー等によって反応が起きてしまった可能性が高そうだが、原因は不明だ。

演奏への支障はないことと、変色が起きているのはトップコートの下の層だと思われるため、この部分については表面を磨く以外には手を加えない方が良さそうだ。

ボディ、ネックの汚れ除去

弦とパーツを取り外し、ボディとネックをポリッシュで磨く。写真ではピックアップがボディに取り付けられた状態になっているが、この部分も磨くときだけ一時的に取り外した。

少し前にTwitterで話題になっていたラッカー塗装対応のポリッシュLizard Spit Vintage Instrument Polish MP08を使った。過去に古い楽器の手入れでも何度か使用しているが、今のところ問題は起きておらずある程度安定して綺麗になってくれるので安心感がある。

フレットの研磨と掃除

フレットのくすみ/汚れはそこまで酷いものではなかったため、今回はマスキング不要で指板のクリーニングも同時にできるフレットバターを使うことにした。

今回は、フレットバターでも十分にフレットをスムーズな状態に復元することができた。拭き取りに若干時間はかかるものの、マスキングしなくて良いのと指板も一緒にクリーニングでき、レモンオイルも不要なのは楽で良い。

ピックアップの取り付け方向修正

前オーナーの好みで、リアピックアップが通常と逆向きにマウントされていたのだが、オリジナルの音を確認したかったため標準的な方向に直すことにした。ピックアップとエスカッションの汚れは乾拭きで問題なく取り除くことができた。

ブリッジ、テイルピースの研磨

ブリッジとテイルピース、ネジ類はいつも使っているフェルナンデスのスクラッチメンダー946で研磨した。今回はそこまでひどいくすみ、汚れではなかったのであっさりと綺麗になった。

一応、研磨した後にサーフェスプロテクター956を塗布した。正直にいうとこちらはどの程度効果があるのか、そこまでわかっていないのだが、確かに946で研磨しただけだとその後比較的短い期間で表面がくすんでしまうので、最近は期待をこめてなるべくこっちも塗るようにしている。

ピックガードの取り付け

これは手入れではなく完全に好みの問題だが、ピックガードを取り付けることにした。

今まで新品でGibsonのLes Paulを購入したことがなかったので知らなかったが、新品状態ではピックガード取り付け用の穴が空いていないことがあるため、取り付けたい場合は自分で穴を開けなければいけないようだ。この作業はあまり自信がなかったため、いつもお世話になっているギター工房yellowgemさんにお願いして加工していただいた。

純正のピックガードで穴の位置を確定した後、過去に作っていたオリジナルのピックガードに交換した。

弦高調整、オクターブ調整

弦を張って、弦高調整とオクターブ調整を行い、このギターを弾くうえでの最低限のメンテナンスは完了とすることにした。

サウンドチェック

元々所有していた1999年製のLes Paul Classicとサウンドの比較をしてみた。ピックアップは異なるのだが、他の仕様が近しいこともあってサウンドも極めて近しいようだ。

まとめ

届いた直後はそのまま弾けないようなコンディションだったが、数日間のメンテナンスの結果、快適に弾ける状態に復元することができた。ネックに変色はあったものの、致命的なダメージがなかったのが幸いだった。

楽器店以外での楽器購入は、安く購入できることがある一方で今回のようなコンディションで届いてしまうことは珍しくない。「ある程度なら自分でメンテナンスできる」という自信を持てるかどうかで、状況を楽しめるかどうかが変わってしまうので、今後も引き続きメンテナンススキルの向上に励みたい。

追記 2022/06 ピックアップカバーを取り付けた


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