90年代フジゲン製Squierストラトの修理1
80年代から90年代にかけて、日本でSquierが製造されていた時期があった。Fender Japanの生産が開始されたのと同時期に同じくフジゲンで作られて販売されていたのが最初のSquierだった。その後Squierの製造は韓国・中国・インドネシアなどに移っていったが、日本製の初期Squierは一部のファンの間では評価が高く、いつか試してみたいと思っていた。
今回入手したSilver Seriesが製造されていたのは90年代の数年間で、その間にもボディ材やザグリの形状、ピックガードやハードウェアなど色々と仕様変更が行われていたようだが、詳細な仕様については情報が少なくはっきりしない。
この個体はボディのザグリの形状やペグ(GOTOH製が使われていた)から前期の個体と考えられるが、ピックガードについては3PLYではなく1PLYのやたら薄いものが取り付けられていた。ボディはおそらくバスウッドと思われる。
あまりメンテナンスされていなかったようで全体的に汚れや錆があった。ピックアップは全て生きていたが、スイッチにかなりひどいガリが発生していたので、修理していこうと思う。
フレットはある程度残っていたがかなりくすんで場所によっては錆びていた。ローフレットの方は若干凹みも合ったので、様子を見ながら摺り合わせもやったほうがいいかもしれない。
今までギターを修理する際にはあまり深く考えず綺麗にできる範囲でなるべく綺麗にすることを考えてメンテナンスをしてきたが、闇雲に部分的に綺麗にしすぎてしまうと全体で見た時にチグハグな感じになってしまうので、今回は汚い部分は清潔にはしつつ綺麗になりすぎないように注意しながらリペアしていこうと思う。
分解
とりあえず一旦全体的に分解していく。
ネックポケットとネックの間にはわずかな遊びがある。ネックの加工精度は高いようだった。
ペグはGOTOH製。トルクもスムーズさも問題なく、チューニングが狂いやすいということもなかった。流石だった。
ピックガードはやたらペラペラだった。何故こんなにペラペラなのか分からないほどペラペラだ。ピックガードとボディの間にはピックが挟まっていた。ザグリは3シングルタイプのノーマルザグリ。ピックアップセレクターはよくみるYM-50だった。
サビ、汚れ、埃が酷かったブリッジも分解していく。いくつかイモネジが軽く固着していたものもあったが、最終的に全部外した。
プラスチックパーツも結構汚れが溜まっていたので洗浄のため取り外す。
分解が終わったので、次回は修理と洗浄をやっていく。
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