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最終的にフレットと指板の手入れはフレットバター+αがベターかもしれない

フレット磨きと指板掃除は、見た目的にも機能的にも簡単で失敗のリスクが少なくそれでいて効果的なギターリペア作業の一つだ。自分もジャンクギター再生をする際にはほぼ必ずやっているし、ギターリペア/メンテナンスの第一歩としてまずおすすめしたい作業だ。

自分の場合は、まず指板をマスキングテープで覆ってコンパウンドを使ってフレットを磨いた後に、マスキングテープを取り除いて指板をオレンジオイル等で掃除・保湿する(ローズウッドの場合)という流れで作業している。それで大きな問題はないのだが、どうもこの順番で手入れをすると指板を磨く際に逆にフレットに細かい傷や汚れがついてしまうのか、どうも仕上がり時のフレットの光沢が少し悪くなってしまうような気がしている。かといって、指板を磨いた後にマスキングテープを貼るとマスキングテープに油分が奪われてしまい、今度は指板の仕上がり状態が悪くなってしまう。マスキングテープの代わりにフレットボードガードを使うという選択肢もあるが、あれはあれでフレットの側面に磨き残しが出てしまう。

表題のフレットバターというのは、フレットと指板を同時に磨くことができるオイルのようなものが染み込まれたクロスで、一枚1300円前後で販売されている。一部使えない指板もあるが、同時に磨けるというのがポイントで、マスキングの作業も不要ということもあり、フレットと指板をそれぞれ磨く場合に比べると圧倒的に短い時間で作業が完了する。

結構前に試した際の印象では、確かに楽ではあるがフレットに関してはコンパウンドを使って研磨した場合に比べると少し物足りない感じがあり、数回使った後にコンパウンドに戻ってしまった。

以来、ほとんど使わないまま時間が経っていたのだが、最近ギターのリペアをした際に、スケジュール的な都合で時短のために久しぶりにフレットバターを使った。、そのギターに関しては、その前の工程で軽くすり合わせを行い、フレットの表面をスポンジヤスリで整えていたこともあってか、大分綺麗な状態に仕上がった。後日別のギターのリペアでも、フレットの表面を軽く2000番のスポンジヤスリで撫でた後にフレットバターを使ったところ、やはりこちらも十分綺麗に仕上がった。少し面倒ではあるが、フレットバターを使う場合は事前に、目の細かいヤスリかスチールウールでフレットの表面を整えるという一手間を加えると、より良い仕上がりになるようだ。

冒頭に書いた通り、フレットを磨いてから指板を磨くという手順だと、どうも最終的な仕上がりにおいてフレットの光沢が失われる感があったのだが、上述のフレット表面を整えてからフレットバターで一気にフレットと指板を磨く、というやり方だとフレットの光沢が残って良い感じになる。

というわけで最近フレットバターを買い足した。しばらくはこのパターンでフレットと指板を磨いていこうと思う。


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