大切な事を難しい言葉で言うと伝わらなくなる

島根県在住の小学生だった時、修学旅行で広島に行って、バスガイドさんから「原爆を許すまじ」という歌を教えていただいた。

当然の事だが、
「原爆を許すまじ」とは、
「原爆を許してはいけない」という意味だ。

しかし小学生の僕は、
「許すまじ」という言葉の意味がわからなかった。
それでバスガイドさんが、
この歌を歌い始めると、
「許すまじ」の意味がわからないので、
きっと「許す街」と歌っているんだろうと
推測して解釈した。

でもそれでは意味が通らなくなるのだ。
原爆はこんなに恐ろしい武器です。
もう原爆なんか使ってはいけません、
というガイドさんの話の主旨はわかったが、
それらの説明の最後に歌われる歌で、
「許す街、原爆を」と歌われていたのでは、
意味が通らないじゃないですか。

更にわからなくなったのは、
「三度許す街、原爆を」のくだりです。
もちろん今では意味はわかりますよ、
広島、長崎に続いて、
三回目の原爆投下は許してはいけない、
という意味なわけなんですが、
まず「許すまじ」を
「許す街」と間違えて解釈していますから、
「三度許すまじ」も、
「三度許す街」になってしまうわけです。

ここで頭が混乱ですよ。
大切な事を歌っているのに、
とてもいい歌なのに、
作者の意図が台無しです。

子供に大切なことを教える時は、
難しい言葉を使ってはいけない。
できるだけシンプルに、
物事の本質を的確に伝えなくちゃいけない。
それが課題ですね。

参考までに件の歌の一番の歌詞を掲載します。

ふるさとの街やかれ
身よりの骨うめし焼土(やけつち)に
今は白い花咲く
ああ許すまじ原爆を 三度許すまじ原爆を
われらの街に

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