2階の足音

昨日ついに判明した恐ろしい事実

今僕が住んでいるのは、
4部屋あるアパートの102号室なのだが、
最初熊本に引っ越して来た時は、
同じアパートの202号室に入居していた。

その時は101号室に公文教室が入居していて、
102号室は4人家族が入居していて、
201号室はもう10年くらい前から、
空室のまま放置されていた。
ちなみにもう築40年くらいになるアパートだ。

102号室の家族が近々退去すると言っているので、
それまで仮に202号室で暮らしてくれと言われていた。
202号室はその前に奥さんの妹が住んでいたのだが、
その妹が住んでいる頃から、奥さんに、
時々部屋で人の気配がして、
飼っていたチワワが脅えて、
部屋の隅をグルグル回っている、
などと言っていたそうだ。

御存知のようにうちの奥さんは霊感体質なので、
その部屋に住んでいる時に
何回か人の気配を感じて怖かったそうだが、
特に僕に相談することもなかったし、
僕にはさっぱりそんな能力はないので、
その件に関しては問題視されることはなかった。
しかし実は半年ほど前に
僕も同様の体験をしていたのだ。

細かく整理すると、
4年前には101号室には公文教室、
102号室には4人家族、
201号室は長年空室で、
202号室には僕と奥さんが住んでいたのだが、
その後102号室の家族は退去し、
後に自宅を新築中の人が3ヶ月ほど仮住まいして、
そして僕と奥さんが移った。

その後は201号室と202号室は空室のままで、
201号室は僕のマンガ倉庫として、
202号室は洗濯物干し部屋として使っている。

そして今年6月いっぱいで公文教室も退去し、
101号室は僕のセレクトマンガ倉庫と、
DVD鑑賞部屋として使っている。

まだ公文教室が退去する前の今年はじめあたり、
僕もまだお弁当の配達の仕事を始める前で、
時々夜中に眠れずに起きていることがあった。

そんなある日の夜中、おそらく3時頃、
102号室でパソコンに向かっていると、
上の202号室の中を
誰かが歩き回っているようなかすかな足音がするのだ。

僕は基本的に心霊のようなものを想定しないので、
誰かが部屋の中にいるのだと思った。
2階の部屋には鍵をかけていないので、
浮浪者のような人が入ろうと思えば、
入ることはできるが、
このあたりにはそんな挙動不審な人物はいないので、
誰だろうとは思ったが
誰だかはわからないがとにかく人間が部屋にいる、
と僕は思って2階に上がってみた。

ところが2階の部屋には誰もいなかった。
2階には建物の外階段を登らなければならないので、
この階段を登り下りすれば、絶対に足音がする。
僕は下の部屋で寝ている奥さんを起こさないように、
静かに登ったが、そういえばこの階段を登り下りする音は
一度も聞こえなかった。

それで2階の部屋に誰かがいたら、
それで充分な恐怖体験なのだが、
なぜその恐怖を保留にして、
僕は2階に上がって行けたのだろうか?

そのあたり、僕には基本的に、
そういうものが怖いという感情は欠如している。
というそんな話を昨夜奥さんとしていたのだが、
奥さんはこのアパートの2階には、
何かが通る霊道のようなものがあって、
いつもではないけど、時々、年に何回か、
そういうものが通っているんじゃないか、
という結論に達した。僕には基本的に霊感はないので、
「ふーん、そうなのかもしれないね」ということになった。

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