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僕の百物語 第一部

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これまで体験してきた不思議な話を更に再編集してまとめています。
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記事一覧

43-山地悠紀夫について

 今回のお勉強に使用したテキストは、松原タニシ「怖い間取り」、池谷孝司「死刑でいいです」、小川善照「我思うゆえに我あり」、別冊宝島編集部「昭和・平成 日本の凶悪犯罪100」の4冊、そして、今回はあらためて読みはしなかったが小野不由美「残穢」も大きな影響を与えている。  まず松原タニシの著作を読み、タニシが最初に住んだ事故物件が、「大阪美人姉妹殺害事件」の現場マンションであったことを知る。ところがこのマンションはその事件が起きて事故物件になったわけではなく、その数年前から色々

42-保江邦夫さんについて

 普段活字で書かれた本をあまり読まない僕だが、最近読み始めた、まさに活字のみで書かれた本にすっかりはまってしまった。それは保江邦夫さんの「祈りが護る國 アラヒトガミの霊力をふたたび」という本で、僕はこの本の存在を1年程前から知っていたが、活字で書かれた本をわざわざ取り寄せてまでは読もうとは思わず、なんとなくペンディングにしていた。ところが最近ある方からいただいて、ついに読む機会ができたのだ。  内容を大雑把にご紹介すると、第二次世界大戦末期、実は原爆は3発作られていて、その

41-船井幸雄と中矢伸一

 うちの奥さんが2020年の11月に伊勢神宮に行って、それ以来様子がちょっとおかしいのだが、まあこの人は元々ちょっとおかしかったので、僕にとっては普通と言えば普通だけど、11月の18日にも一緒に食事に行きましょうと言われ、僕は「回転寿司なんかどう?」と言ったが、奥さんの独断でサイゼリアに行くことになった。この時に限らずうちの奥さんはサイゼリアでデキャンタのワインを飲むとチャネリング状態になる。この時もサイゼリアでデキャンタの赤ワインを飲みながら、延々一時間くらい説教をくらった

40-Wさんの話

 その頃、福岡に住んでいる僕の母が要介護認定を受けることになって、僕は月に何回か熊本と福岡を往復し、市役所の方と面談したり、母が入院している病院を見舞ったりしていた。  基本的には高速道路を使っていたのだが、その時はうちの奥さんが仕事先の研修旅行でいなかったので、なんとなく下道からゆっくり行ってみようと思い、国道3号線を通って福岡まで行った。そして福岡県の春日市のあたりまで来た時に、トイレに行きたくなって、ドラッグストアに寄ってトイレを借りた。その後、しばらく走ってガソリン

39-あるモーレツ社長の末路

 ある女性のお父さんが、会社の社長をしていたのだが、この人はかなり強引なやり方で短い間に急激に会社を大きくした人で、そのために取り引き先から怨みを買うようなこともあったらしい。そのお父さんが重い病気になり、女性が、どうしようかとあちこちに相談していたら、福岡市と北九州市の中間くらいの場所にある、あるお寺に相談に行ってみることをすすめられた。  お父さんはそのようなことを一切信じない人だったので、女性がこっそりそのお寺に相談に行くと、住職が、それでは、この日時にお酒を持って来

38-先輩の生霊

 今回の奇想天外な事件の主な登場人物は、50代のA子さん、生霊を飛ばしているA子さんの中学の先輩、A子さんの勤め先の社長の3人。A子さんは旦那さんも高校生くらいの息子さんもいる主婦の方、先輩は独身で公務員の方、男性。社長というのは60歳くらいのオジさんである。  ある日A子さんが通勤のバスの中で先輩と「偶然」再会した。この「偶然」というのがクセモノ。先輩というのは50歳を過ぎて、ミスチルの桜井にちょっと雰囲気が似ている、まあまあのルックスの人らしい。A子さんは中学の頃、この

37-魔女姉妹

 これはもうあまりにも荒唐無稽というか、これまで色々なオカルトな話を聞いてきた僕も、ポカンと口を開けて、「はあ、そうですか」と言うしかなかった話である。  霊能師匠の山村さんに縁ができて、山村さんの家に通うようになる人には、過去世で魔女やお坊さんや仙人だったというような、「見えない世界」とつながりのあった人が多い。僕も前世で修行僧だったし、山村さん自身も過去世で魔女だったことがあり、山村さんのところに来ている人で過去世で魔女だったという人は、僕が知っているだけでも10人近く

36-僕の母親の話

 僕の母親はキリスト教徒だったのだが、時々、僕や僕の子供のことを、神様にお願いしていると言っていた。教会などで神に祈る時、僕や子供のこともよろしくお願いしますとつけ加えているようなのだが、それは僕や子供が、母の思い通りの人間になるようにと、「神様」という架空の概念を通して「念力」を送って支配しようとしている、という意味にもなる。  実はこれは、かつて陰陽師や修験道の僧が、敵に対して呪いをかけていたのと同じやり方なのだ。僕はそういう「念力」は迷惑だからやめてくれと 何回かお願

35-Y社長の話

 かつてある会社に勤めていたのだが、そこの社長が強い念力を出す人だった。念力と生霊というのはほぼ同じものと言っていいかもしれない。僕はその社長が強い念力を出していることには会ってすぐに気付いたのだが、その会社の社員は全員、そういう、目に見えない力を信じないというか、過剰に怖がるような人ばかりで、社長にいいように「支配」されていた。  ある日、僕が会社で残業していたら、飲み会帰りの社長が会社にフラリと現れて、社長と2人だけでしばらく話すことがあった。気が付いたら深夜12時を過

34-Tさんの話

 前回のイヤマさんの一件があったのと同じ頃のことだが、当時の奥さんが、入院していた友達が退院したので、見舞いに行きたいと言った。その友達の家に行くと、入院先で知り合ったという、Tさんという女性も見舞いに来ていた。  そのTさんが、ちょっと変わった人で、「あの、今度うちにも遊びに来てください。でも、うち、すごく散らかっているんですけど・・・」と言うのだが、それを、2時間くらいの間に、4回か5回くらい、しかも、毎回初めて話すように、壊れたテープレコーダーのように、何回も同じこと

33-イヤマさんの話

 これまでに僕は、強烈な念力を出す人に3人、そこそこの念力を出す人に数人会っている。この世には「人の頭の中を読む人」や「念力を出す人」がいて、「人の頭の中を読む人」がやることは、レントゲン撮影のような行為なので、されていても気付かないこともあるようなのだが、「念力」というのは衝撃波のようなものなので、それを受ければなにがしかの身体反応がある。  元々「念力」というものの存在を念頭に置いていない人は、なんだか調子が悪いなあとか、頭痛がするとか、吐き気がする、寒気がするなどと感

32-何かが聞こえた

 消しゴム版画家でコラムニストのナンシー関さんの文章が好きだった。とは言っても、図書館でナンシーさんの単行本を偶然見かけた時に借りて読んだり、銀行の待ち時間に、そこに置いてある雑誌にナンシーさんのコラムが載っていたら読むという程度で、それほど熱心な読者というわけではなかった。  ところがある日、古本屋でナンシーさんの本を見かけ、一度図書館で借りて読んだことのある本だったのにもかかわらず、無性に欲しくなった。それを買って帰り、その日のうちに読んだ。その後、古本屋巡りをして夢中

31-ご先祖様について

 「あなたの旧姓はなんていうの?」ある女性と話している時に霊能師匠の山村さんが聞いた。その女性は結婚していて、今の名字で相談していたのだが、その女性の旧姓は前田だった。前田というのは、かつて北陸地方にあった加賀藩の藩主と同じ名字である。山村さんは「ああ、なるほどね」と言った。その女性と話していたら、その女性の御先祖さまが出てきて「あんたの話は全く理解できない」と山村さんに言ったのだそうだ。その人が腕組みをしてとても威丈高な感じだったので、きっと位の高かった人なんだろうと思って

30-「バチが当たる」ということ

 その頃僕の自宅は福岡市中央区の警固というところにあった。まあ、そこそこの街の真ん中であった。ところがかなり長い間、ある携帯会社(au)の携帯だけ電波が入らなかった。周りにマンションがたくさん建っていて、僕の家はマンションの一階だったので、ちょうど建物と建物の間の、エアポケットのような場所になっていたのだろう。僕の携帯は別の会社の携帯(docomo)だったので、ずっと気がつかなかったのだが、そのつながらない会社の携帯(au)を使っている人が遊びに来ていて、「あれ、ここ圏外にな