怪盗るぽんの回答 20(完)
「いよいよね」
女は山頂の、建設中の城をみあげた。それは巨万の富と絶大な声望、そして権力を得るにいたった明智小三郎の居城である。国民の探偵だった彼だが、熱狂的な支持層である後援団体「少年探偵団」の強烈な後押しもあって、いまや次期総理大臣の呼び声もたかい。
「あいつも変わってしまった」木によりかかってそれを見つめていたるぴんがつぶやいた。「あいつと俺たちは不倶戴天の関係とはいえ、どこかにスポーツマンシップのようなものはあった。しかし、あの事件依頼、変わってしまった」
その事件と