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No.128食品って何?(細菌性食中毒No.1)

こんばんは。

「細菌性食中毒」は腸管内に病原細菌が侵入して、健康障害を起こす食中毒。

食品に病原細菌が付着していても、食品の色・味・香りなどには変化がないことが多いので、注意が必要。
多くの細菌は熱に弱いので、十分に加熱処理するなどが、食中毒予防に効果的。

予防の三原則は次の通り。
1…つけない(器具や手指を消毒する)
2…増やさない(迅速な調理・低温保存を心がける)
3…やっつける(細菌・消毒により細菌を殺す)
細菌性食中毒は、「感染型」と「毒素型」の2つに大別される。

◼️感染型の細菌性食中毒
「感染型」は食品内で一定数以上に増殖した原因菌を摂取する、または腸管内で原因菌が増殖することで起こる食中毒。

①サルモネラ属菌食中毒
サルモネラ菌には沢山の種類があり、原因食品は肉類、卵類及びそれらの加工品。ネズミ、ゴキブリ、ペットなどが媒介する二次汚染もある。

⚫️サルモネラ菌と食中毒の特徴
・熱に弱い菌。60度で20分、65度では3分間の加熱で死滅する。
・近年、生野菜によるサルモネラ属菌食中毒が世界的な問題になっている。原因は、二次汚染。
・症状は激しい腹痛、下痢、発熱、嘔吐。重症の場合は死亡することもある。

②腸炎ビブリオ食中毒
腸炎ビブリオは好塩菌で、海水中に広く存在し、近海産の魚介類やその加工品から感染する。
海水温が上昇すると海面付近で増殖するため、7月〜9月は患者数が増える。
また海水と同じ2〜3%の塩分温度で最も増殖するため、漬物から感染することもある。

⚫️腸炎ビブリオと食中毒の特徴
・菌の分裂速度が非常に速く、至適発育温度の条件下では約10分間に1回分裂・増殖する。
・症状は腹痛、激しい下痢、発熱、嘔吐。死者は少なく、致命率(罹患者のうちの死亡者の割合)は低い。

③病原性大腸菌食中毒
牛たたき、ローストビーフ、サラダなど原因食品は様々。
腸管への作用の仕方によって、「腸管毒素原生」、「腸管侵入性」、「腸管病原性」、「腸管出血性」などに分類される。
O157で知られる腸管出血性はベロ毒素と呼ばれる毒素タンパク質を作るので、「ベロ毒素産性大腸菌」とも言われる。

⚫️病原性大腸菌と食中毒の特徴
・潜伏期間が長い(平均4〜9日間、それ以上になることもある)。
・100個程度のごくわずかな菌量で発症する。
・出血性大腸炎や溶血性尿毒症症候群などの合併症を起こす場合もある。抵抗力の弱い乳幼児や小児、高齢者は最悪死に至ることもあるため、特に要注意。

④カンピロバクター食中毒
家畜の肉の中でも特に鶏肉の生食、加熱不足で感染することが多い食中毒。
少量の菌で発症に至り、潜伏期間が他の食中毒よりも比較的長いため、原因食品を特定することが難しい場合が多い。
カンピロバクターに汚染された生水や氷などが原因となることもある。

⚫️カンピロバクターと食中毒の特徴
・酸素濃度が5〜15%で育成できる微好気性。
・熱に弱いので、食品を十分に加熱することが予防になる。

次に続けます。

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