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#2021年上半期Vtuber楽曲10選

七草くりむです。
野良猫のユウさん企画のタグに乗っかって週末dig部で聴いてすげ~~~ってなった曲やそこから気になって聴いた曲ですげ~~~ってなった曲を10曲ほど紹介しようと思います。

◆週末dig部 : 毎週金曜日20時~22時にVTuber/VRChat文脈から生まれた楽曲をリスナーから集めて引用形式でみんなで聴いています。お暇な方はぜひ見に来て流れた曲をTwitterで拡散してください!
https://www.youtube.com/channel/UCeHJuojCnQTsEnUkCX2qoUQ

◆[ 1 ] 御伽田カズヤ / 音戯 龍 [ 民族音楽 ]

2021.03.18投稿 / 1,360 回視聴 / チャンネル登録者数 853人 (2021.7.4時点)
この曲、やりすぎなんですよね。映画なんですよ。あまりにもエモすぎて語彙力失っちゃったし、dig部でも聴きながらみんなで絶句してました。
御伽田カズヤさんはドラマーの方で、楽曲も制作するし歌も歌うが、むしろドラム叩いてる動画がない ( 昔あった気がする )。1stミニアルバムが出ています : https://www.youtube.com/watch?v=TPUVd_LR78I
中国~日本系のテーマで壮大に描かれるストーリー。にじさんじの天宮こころさんから着想を得たこの作品は龍と話せる少女を表現しまるで映画の劇伴を思わせるような濃さで空間を音で埋め展開していく。一度聴けば圧倒されその世界観の中に心を掴まれる。非常にやりすぎな一曲です。

◆[ 2 ] 風月澪 / I'm I feat.Worker//Holic [ Bass House ]

2021.01.11投稿 / 1,215 回視聴 / チャンネル登録者数 803人 (2021.7.4時点)
この曲もdig部で出てきてすごすぎて阿鼻叫喚となった曲。風月澪さんはイラストを描くいわゆるギャルなJK。2ndオリジナル楽曲のI'm Iは1stのFoxTaleと同じくWorker//Holicさんがトラック担当。動画のイラストははんにゃじさんによるもので動画はWorker//Holicさんが担当。
本楽曲はBass Houseがベースとなっており、全体的にはダークでメロディックなEDM系ハウスとして展開していくんですが、見どころは1:00頃からのビルドアップから繰り出されるとんでもないドロップ。これを掛ければ振動でフロアの床が落ちます。歌詞からは自分らしさを強く生きる決意。その言葉に負けない強く殴るトラック。とても強かな楽曲で必聴の価値あり。

◆[ 3 ] 雪永さくら / 僕らの死はコンテンツ [ J-POP ]

2021.03.13投稿 / 942 回視聴 / チャンネル登録者数 1,080人 (2021.7.4時点)
作曲VTuber界のポップスといえばこの人。作る曲すべてが名曲になるヤバいヤツといえば雪永さくら。彼女の作風は明るく優しい音楽に対してむき出しの感情をストレートに投げつけるもので、しかしそれは決して完全に後ろ向きではなく、前向きになるための原動力にも感じる。まるで考え方が変わって前向きになれた時に過去の自分を戒めとするように。
本楽曲はVTuberの死という「ネタ」がその人の最高のコンテンツになってしまうことを皮肉ったストレート強パンチを繰り出す作品。本人がどういう経緯で作ったかは実は本人から聞いたんですが、しかし一字一句鋭くぶっ刺さるテーマ性をもつ歌。優しい曲が逆に歌詞の皮肉を強調する。ゴッホが生前1枚しか売れなかったように、クリエイターは死後最も評価されることが多く、考えさせられる作品。

◆[ 4 ] 奏星音夢 (Kanase Nemu) / Meteor Cafe [ Techno/House ]

2021.03.10投稿 / 291 回視聴 / チャンネル登録者数 191人 (2021.7.4時点)
これです、VTuberとしてこんなにストイックにテクノやハウスやってる人はとても珍しいんです……!奏星音夢さんは他にもFictional neon city (Nemu Rearrange Mix) ( https://www.youtube.com/watch?v=kno_rDaIX4c ) など、ガチガチに硬派なテクノやハウスを中心に制作されるほかテクノDJもされている方で、硬派なクラブミュージックが好きな方には破壊的にぶっ刺さるVTuberです。
本楽曲は宇宙をテーマにしたトラックでTechnoとAmbientともHouseとも取れる楽曲。7分半超えの尺でまさにDJ向き。静かに濃く広がるpadの音が果てしなく気持ちいいです。キックはハッキリリズムを打ちながらも優しく存在し、鋭くも全体とのバランスの取れたclosed hihatの音が踊らせてくれます。低音が聞いて静かにゆったりとぶち上げてくれる展開も音も非常にマニアックに満足させてくれます。

◆[ 5 ] 神咲 嶽 / PIT IN NUTZ [ Hip-Hop / Trap ]

2021.01.20投稿 / 4,415 回視聴 / チャンネル登録者数 1,260人 (2021.7.4時点)
超硬派なトラックに超硬派なラップ。低音がとても信頼できるし声がかっこよすぎる……!神咲嶽さんは神咲兄弟の三男で、長男は歌・イラスト・MIX次男はゲームときて、三男としてRAP・MIX・作詞作曲を担当。過去には韓国のユニットの3RACHA - WE GOをカバーしており ( https://www.youtube.com/watch?v=mgV_96lV7CI )、本作も韓国で流行しているTrap系Hip-Hopの流れを受けているスタイルとなっているように思います。
本楽曲はピーナッツくん(さん) ( https://www.youtube.com/watch?v=9VhrJCbr58A など ) をリスペクトした楽曲で三兄弟の中で黄色い所とも掛けていたりします。ラップ分野は若干疎いところがあり、一般的な目線でしかコメントできないのですが、韻の踏み方や譜割り ( いわゆるフロウ ) がバチバチッとハマっていてとても気持ちいい。特にドロップ ( いわゆるフック ) での yaya-Harder-Murder-가자 ( カジャ : 「行こう」) の韻や2:16のフックに入るところが最高です。

◆[ 6 ] Moe Shop / Notice (feat. Kizuna AI) [ French Electro ]

2021.05.28投稿 / 69,415 回視聴 / チャンネル登録者数 2,970,000人 (2021.7.4時点)
フレンチエレクトロと日本のポップミュージックから受けたフランス人のトラックメイカーMoe Shopさんがキズナアイさんをフィーチャリングした一曲。Kizuna AI & Moe Shop Supported by 花王とかいうクソデカメンツのアルバム表題曲「RADIO LOVE HIGHWAY ( https://www.youtube.com/watch?v=6RDA_564Ko8 ) 」の影に少し隠れているような感じがあるが、これがとんでもないキラーチューンなんですよ。なんなら最近のお気に入り楽曲です。
他の楽曲と比べてもかなり硬派に感じる一曲で、ドライなオルガンのような音がキックに対してダッキング ( ある音がなっている時にサイドチェインやオートメーションなどで別の音を絞ること ) していてバキバキで超かっこいい……!キズナアイさんは6/30に5周年を迎え、今に至るバーチャルYouTuberの始まり、いわゆる四天王と呼ばれる後のVTuber文化の元となるVTuberの概念を作った活動者の一人で、これからもいろんな変化が訪れるVTuber界の親分として輝いていて欲しいと思っています。

◆[ 7 ] ぷろぽりす幸子 feat.Dinger / エレクトロスイング・ラジオ体操第一 [ Electroswing ]

2021.04.01投稿 / 1,091 回視聴 / チャンネル登録者数 3,090人 (2021.7.4時点)
さてお次はエイプリルフールに投稿されたネタ曲。dig部でも「AUAUA - VR万物のファンタズム ( https://www.youtube.com/watch?v=H4yjN2arCoc ) 」や「ヴァネッサ・ドラクル - Teruyuki ( https://www.youtube.com/watch?v=opK2jnIVbIE ) 」などいくつものネタ曲と思われる楽曲がありましたが、2021上半期はこの楽曲のパンチが強すぎました。ぷろぽりす幸子さんは平成を完走しただけあっておそらくインターネット老人会入りしている働きバチな個人VTuber。完全にそのノリで超笑ってました……。そしてトラックは特にスウィングジャズを基盤とした楽曲に強く、概要欄キャプション芸のVツイッタラーのディンガー(Dinger)さん。
楽曲はワブルベースの濃いガチのエレクトロスウィング。やってることはラジオ体操。3Dのモナーが踊っているMV。急に始まるCoffin DanceことTony Igy - Astronomiaのパロディ。全部絶妙に笑かしてくるのやめてほしい。本気で遊びに来てる感じ、とても好きです。

◆[ 7 ] YuNi / DAYZ [ EDM ]

2021.05.14投稿 / 251,595 回視聴 / チャンネル登録者数 366,000人 (2021.7.4時点)
YuNiさんは株式会社CandeeとActiv8株式会社共同プロデュースのVsinger。Vsingerという肩書を用いた初めての活動者で、世界初のVsingerを自称。特に有名な楽曲にはYUC'eさん作詞作編曲による「透明声彩 ( https://www.youtube.com/watch?v=BnH6RiFm9f4 ) 」がある。本楽曲ではボカロ楽曲「劣等上等」を制作したGiga(ギガP)が作編曲を担当したバリバリのインドっぽいパーカスを取り入れたEDM系ダンスチューン。ゆったりした導入から「Let's get going, super good day!」のフレーズとともにぐっと下がる深いベースとキック・パーカスのみになり、一気に心を掴まれる巧妙なトラックに知らぬ間に身体が踊らされている……!そんな仕掛けが上手く何度も仕掛けられていて、デカい会場で聴いたらどうなっちゃうの~!
ちなみにGigaさんによるセルフカバーなんてのもあったりします ( https://www.youtube.com/watch?v=sJTIBIGjMj0 )。

◆[ 8 ] 虎落ブエ / Bagh Nakh [ Metal ]

2021.03.16投稿 / 2,988 回視聴 / チャンネル登録者数 3,280人 (2021.7.4時点)
音楽VTuberの中でも普段の振る舞いから音楽性まで尖りまくった活動者、地獄から来たJK、虎落ブエさんの今年3月に発表された新曲。虎落ブエさんは普段の活動以外にもミックスも請け負っており、ちゃらんぽらん隊「魔法なんかじゃない ( https://www.youtube.com/watch?v=81KfENgtAdU ) 」のミックスを手掛けたことを覚えている方も多いと思います。そのほか誕生日と年末年始にマシュマロを貪り食うサムネとともにマシュマロを返していってるのをたまにTLで見たりしてます。ブエさんといえばなんと言っても超ヘビーで怒り狂うようなギターの音色と、雷のように鋭く常にその時その時に限りなく満点を叩き出すように正確な歌声。この楽曲でもその2点が丁寧にミックスされてこれ以上ない完璧さでぶっ刺してきます。テーマは山月記と「バグ・ナク」と呼ばれるインドの暗殺に使われた武器で、BOOTHの販売ページでは「人が己の中に秘める獣とは。」と締めくくっている。歌詞は山月記の中で狂い獣になろうとする時、あるいは袁傪の前に現れた ( 正確には草むらの中に身を隠し、事の経緯と最後に自らの証を遺そうとする ) 時の李徴をモチーフにしているようです。山月記ではこの獣とは「臆病な自尊心と、尊大な羞恥心」とあり、才能不足を隠そうとする卑怯な危惧と心身を投げ出して努力することを厭う怠惰が元になり傷つきやすい心が壊れついに狂ってしまった李徴とこの楽曲はどのようにつながってくるのか。そういった発想元となった作品と照らし合わせて聴くとより楽しめる作品だと思います。

◆[ 9 ] 夢川いちる / sommeil [ Electro pop? ]

2021.02.14投稿 / 4,240 回視聴 / チャンネル登録者数 3,280人 (2021.7.4時点)
ASMR配信をメインとして活動していた夢川いちるさんの2ndオリジナル曲。作曲は作曲VTuberの橙ミャオさんが担当。つい先日6/30を以て活動終了となりましたが、個人的にこの楽曲もとてもおもしろい楽曲で、dig部で流れた後直談判して販売してほしいということでご連絡して配布していただくなどしてまして ( 現在も橙ミャオさんのBOOTHにて入手可能です https://daidai-myao.booth.pm/items/3014712 )、今回紹介せざるを得ない楽曲だと思い入れてみました。
この曲はASMRっぽさを取り入れており、ささやさ声でのセリフが取り込まれていたり、動き自体は多いものの音色などの調整によりいちるさんの声やASMR要素に合うようなふわっとして優しい仕上がりとなっていたりと、工夫の多い作品なのですが、それだけではなくコード進行もマニアックでメロディに全音音階 ( ホールトーン・スケール )を使ったりしていて特に1:10辺りのサビに入るところは作曲に詳しい方なら思わずニヤけるほど面白いことをしています。何この気持ち悪い ( トリッキーながら綺麗にまとまっているさまなどに対する称賛 ) メロと進行とベースライン天才か……?マジで何これってなると思うので聴いてください。素晴らしく面白くマニアックなのにポップなすごい曲です……!

◆[ 10 ] JOHNNY HENRY / Over the Wall [ Blues Rock ]

2021.02.02投稿 / 3,731 回視聴 / チャンネル登録者数 601人 (2021.7.4時点)
バーチャルブルースマンYAMADAのアニキ率いるJohnnyHenry(ジョニヘ)の1stアルバム「JOHNNY HENRY'S FREAK SHOW」からの1曲。JohnnyHenryは先述のYAMADAさん ( Vocal/Harmonica ) のほか、藍葉じるあさん ( Guitar )、Moiriさん ( Bass )、Yuki Hata ( Drums )で構成されているバンドで、VRChatのV-Kitazawa AWAKE ( 制作 : コクリコさん ) を拠点に生演奏を行っています。今年2~3月にはVRChatのライブハウスであるSpot Light Talks ( 動画 #VRSLT )、Club Refrain ( 動画 #ClubRefrain )、CLUB RUINS ( 動画 #CLUB_RUINS )、V-Kitazawa AWAKE ( 動画 #AWAKEVRC ) にて4日間に渡り各ライブハウスゆかりの人々と対バンしていく1stアルバム発売記念イベントTightrope Tourを行っています。その音楽性の中核たるYAMADAさんはブルースロックやそれに関連した1960sのブルース・ロック発祥のファッションなどに造詣が深く、本楽曲もまさに音も映像も世界観も、ディテールまで聴き応え最高の音楽になっています!映像はVRChatでのVlogを投稿するバスターさんによる撮影編集で制作されており、小ネタ満載の映像となっています ( しかも4:3 )。VRChatでは生演奏やアイドルライブ、DJに至るまでVR空間でのライブ文化が流行していて、JohnnyHenryさんもちょくちょく生ライブをしているので各メンバーのTwitterアカウントやバンドのTwitterアカウントをチェックするとともにApexなど最新3DPCゲームが遊べる環境にある人はVRChatをSteamでインストールして、VR機器がなくてもデスクトップモードで楽しめるので行ってみましょう!

ということで10曲紹介してきましたが、最後はこの曲で締めていきたいと思います。YouTubeはニコニコのようなタグ検索がないほか、アルゴリズムがオススメ楽曲が検索でも前に出てくる仕様であるため楽曲が探しにくく、見つけられていない面白い作品がまだまだたくさんあるように思います。そういった楽曲を発掘してもっと評価してほしいという想いでこれからも可能な限り週末dig部を続けていきたいと思います。ここまで読んで頂きありがとうございました!

◆[ ED ] コーラスメイト -Chorusmate- / 時の旅人 [ 合唱曲 ]

2021.04.18投稿 / 15,643 回視聴 / チャンネル登録者数 1,950人 (2021.7.4時点)

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◆七草くりむ ( Virtual Track Maker / VRDJ / VTuber ) : https://twitter.com/xxxcreme7 https://www.youtube.com/c/crim7
◆七草くりむオススメ楽曲リスト : https://www.youtube.com/playlist?list=PLaMEyudkYx3aOyoL0s8k31V0fLoRSBt-4

◆#週末dig部 Twitter : https://twitter.com/we_dig_info
◆#週末dig部 YouTube : https://www.youtube.com/channel/UCeHJuojCnQTsEnUkCX2qoUQ

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