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12月8日から開催!イングランドvsオーストラリアの遺灰争奪戦! 〜ジ・アッシズ〜

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12月8日から、クリケットのテストマッチシリーズ「ジ・アッシズ」が始まります。このシリーズは、イングランドとオーストラリアの間で行われるテストマッチシリーズで、2年に1回、全5試合行われます。

今回はこの「ジ・アッシズ」に触れていきます。

骨壷争奪戦 ジ・アッシズ

イングランドとオーストラリアの対抗戦は、1877年から始まっていましたが、1882年に当時弱小チームだったオーストラリアがイングランドに勝った際に、イングランドの地元新聞「スポーティングジャーナル」に掲載された風刺記事が由来となっています。

この記事には「遺体は火葬され、遺灰はオーストラリアへ運ばれる」と書かれています。1882-1883年のオーストラリアで行われたシリーズでは、イングランドのイーヴォ・ブライが「遺灰を取り戻す」と宣言し、イングランドのメディアは「遺灰を取り戻すための遠征」と言われるようになりました。

その遠征で勝利したイングランドは、オーストラリアの女性グループから「オーストラリアのクリケットの灰」として、燃やされたスタンプが入った小さい壷を受け取りました。

この出来事がきっかけで、イングランドとオーストラリアの一戦は「ジ・アッシズ」と呼ばれるようになりました。

オーストラリア・ナショナリズムの表出

イングランドは、各植民地との交流を目的として、クリケットの対抗戦をはじめたと同時に、イングランドは本国の威光を示すために、クリケットを利用していました。集団スポーツであるクリケットの持つ「忍耐力」「協調性」「スポーツマンシップ」「自己犠牲精神」「集団への忠誠心」は、植民地政策と統治論に結びついていました。クリケットは植民地に対する精神的な優位性を見せつけるためにイングランドは利用していました。

対する植民地側のオーストラリアとしては、イングランドとの対抗戦は、本国に対して劣っていないことを証明するために、クリケットの試合では対抗心を燃やしていました。

1932年に行われた「ジ・アッシズ」シリーズでは、オーストラリアの伝説的なバッツマン、ドナルド・ブラッドマンに対して、イングランドがわざと身体にめがけてボールを投げる「ボディライン戦術」を多用した事件がありました。オーストラリアの国民が、イングランドの非紳士的なプレーに怒り出したこともあり、クリケットはオーストラリアにとっては、ナショナリズム高揚の一因でもあります。

イングランドとオーストラリアの文化・政治・国の威厳にも通じる「ジ・アッシズ」シリーズは、現在もなお、クリケット界においては、最も大きな一戦として注目を浴びています。

対戦成績はオーストラリアがリード

過去の対戦成績は、335試合行われ、オーストラリアが136勝、イングランドが108勝をそれぞれ収めており、引き分けが91試合です。

シリーズでの勝利数は、過去71シリーズ行われ、オーストラリアが33勝、イングランドが32勝、引き分けが6回です。

今年はオーストラリアで開催

2021-2022シーズンの「ジ・アッシズ」は、オーストラリアで開催されます。日程はこちらです。

テスト1
12月8日〜12日
ザ・ガッバ(ブリスベン)

テスト2
12月16日〜20日
アデレード・オーバル(アデレード)

テスト3
12月26日〜30日
メルボルン・クリケット・グラウンド(メルボルン)

テスト4
1月5日〜9日
シドニー・クリケット・グラウンド(シドニー)

テスト5
1月14日〜18日
パース・スタジアム(パース)

視聴方法

最後に視聴方法です。

国際クリケット評議会(ICC) の公式TVチャンネルで放送される予定です。

視聴料は、男女のシリーズ合わせて、全試合パックで19.99USドル(または19.99ユーロ)、1試合で4.99USドル(4.99ユーロ)、1日だけで1.99ドル(1.99ユーロ)です。

全シリーズを見るなら、全パックを買うのがお得ですが、数日かけてプレーするテストを全部見るのは難しいでしょう。試しに1試合買ってみるのもいいのかもしれませんね。

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