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南半球最大のスタジアム「メルボルンクリケットグラウンド」

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今日はボクシングデー。現在開催中の「ジ・アッシズ」の第3戦が、オーストラリア・メルボルンにある「メルボルン・クリケット・グラウンド」で開催します。今回はこのスタジアムについて触れていきます。

南半球最大のスタジアム

「メルボルン・クリケット・グラウンド(以下MCG)」は1853年に完成し、その後、幾度の改修を行い、現在では100,024人収容のスタジアムです。

世界で11番目に大きく、南半球では2010年サッカーW杯決勝が行われた南アフリカのFNBスタジアム(94,736人)、2014年サッカーW杯決勝が行われたブラジルのマラカナン・スタジアム(78,838人)を上回り、南半球では最も大きいスタジアムです。

MCGは、2020年にインドのナレンドラ・モディ・スタジアムが132,000人収容にまで拡張するまでは、世界最大のクリケットスタジアムでした。

168年の歴史を持つスタジアム

MCGは今から168年前の1853年に、イーストメルボルンのヤラ公園の一角に建設されました。建設された当初は、木製の観客席が並ぶだけの6000席の小規模なスタジアムだったが、1897年には9000席に増加。1900年前後にMCGは大規模なスタジアムにするために観客席を大増設をしました。1897年からの15年で、観客席は9000席から60000席へ大規模なものになりました。

更に大増設を続け、1954年にメルボルンオリンピックを開催する頃には、94000席まで拡張されました。その後、1968年に老朽化した観客席を建築し直し、最大120,000人収容が可能のスタジアムになりました。

しかし、老朽化の影響によりコンクリートにヒビが入っていることが発覚したMCGは、1988年に1億5000万オーストラリアドル(約124億)を投じ、1992年のクリケットワールドカップに間に合うように大改修を行いました。更に2000年代に入り、2006年のコモンウェルスゲームズの自国開催に合わせ、4億オーストラリアドル以上投じ、老朽化した観客席に大改装を行いました。

2011年〜2013年の間で、チケット売り場、売店、飲食店、入場口の改装を行い、オーストラリアスポーツ博物館の新設を行い、2019年には照明をLEDに入れ替えています。

オーストラリアのクリケットのメッカ

10万人規模を誇るMCGは、1853年に誕生してから、シドニーにあるシドニー・クリケット・グラウンドと共に、オーストラリアのクリケットを代表するスタジアムです。

当初は州別の対抗戦として行われていたが、19世紀後半には先住民のアボリジニーの選抜チームとの対戦もありました。イングランドとのテストマッチシリーズ「ジ・アッシズ」が始まってから、MCGは必ず開催しており、特にボクシングデーの12月26日はMCGで多くの試合を行われています。

クリケットワールドカップでは、1992年と2015年に開催。パキスタンとイングランドの決勝が行われた1992年決勝では、87,182人の大観衆の前でパキスタンが優勝を決めました。2015年は開催国オーストラリアが、隣国ニュージーランドと対戦し、オーストラリアクリケット史上最高の93,013人を集め、その試合でも優勝を決めています。また、2020年の女子クリケットT20ワールドカップ決勝では、86,174人を集め、優勝を飾っています。

オーストラリアで絶大の人気を誇る「国技」クリケットにおいて、MCGは10万人規模を集める、世界最大級の集客力を誇るクリケットスタジアムとしての存在感を発揮しています。

オーストラリアンフットボールの聖地

「クリケットスタジアム」と名乗るMCGだが、クリケット以外にも様々なスポーツが行われています。

1954年のメルボルンオリンピック、2006年のコモンウェルスゲームズでは、MCGはメイン会場として使用され、開催時は陸上トラックが設置されていました。大会終了後には、陸上トラックが撤去され、再びクリケット場として使用されています。

特にオーストラリアの「冬のスポーツ」である、オーストラリアンフットボール(通称:オージーゲームズ、フッティなど)が行われています。

クリケットと並ぶ、オーストラリアを代表するスポーツであるオーストラリアンフットボールは、夏のスポーツであるクリケットの選手が、オフシーズンに体力を養うために作られました。フィールドの大きさが縦135〜185m、横110〜155mとサッカーやラグビーに比べても大きく、かつ楕円形で行われるスポーツは、クリケットのフィールドと近いサイズで行われています。

クリケット文化が根付くオーストラリアで生まれたオーストラリアンフットボールは、まさに「クリケットのフィールドで行われるフットボール」と言えるでしょう。

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