STARTUP STUDIOをゆるく振り返ってみるお話 - ゼロイチのプロダクト実現率25%
お久しぶりです。スタートアップスタジオの中の人のながの(フォロワー増えるかなあ)です。前回の「STARUTP STUDIOを始めましたのお話」の記事から随分時間があいてしまいました(反省)
今後はもう少し頻度をあげて更新していくようにしたいと思います(弱気)
前回記事
さて、2020年4月から開始したスタートアップスタジオ(インキュベーション)プログラムですが、現在(2020年10月)およそ半年が経過したこともあり、「一体スタートアップスタジオって何やってんの?」、「うまくいってんの?」などなどあるので、現在までの軌跡をまとめて振り返ってみます。
プログラムの状況(2020年10月現在)
現在、プログラムのスケジュールで3回設けていた選考を終えて全体の内、7プロジェクトが事業検証を継続している状態です。
プログラムが立ち上がった時点では全体で採択は30件でした。
現在、プロダクトローンチまで実現できたプロジェクトが8件なのでおよそ25%の割合でプロダクト化まで走れるということが検証できました。
事業化や事業売却への実績はまだまだこれからですが、プロジェクトを進めている方々はアーリーアダプター且つ優秀な方が多いので事務局としては非常に頼もしいです。年内いっぱいをかけてユーザー獲得や実取引などの実績作りに励んでいきます。
事業化検証を進めている7プロジェクト
Earmind - カスタマイズイヤーモニター(D2C)
モノラボ - モノづくりプラットフォーム
Career to - キャリアシェアプラットフォーム
YourApparel - 洋服のCtoCレンタルサービス(シェアエコ)
Connelva - 参加者間交流特化型イベントプラットフォーム
Abroach - 海外進出支援SaaS
Freeat - 廃棄間近食品の無料提供アプリ(アド)
プロジェクト推進の成功要因と失敗要因
当初、30プロジェクト採択の内、7プロジェクトになってしまいましたが、一体、どういったところで躓くことが多いのでしょうか。
主な要因を大まかにまとめてみました。
うまくいく要因
・チームバランスが取れている
(コアメンバーは3人程度)
・チーム全体の熱量が高い
・チーム外の周辺協力者もうまく巻き込んでいる
つまづく要因
・本業が多忙すぎてプロジェクトに集中できない
・プログラムスケジュールでの実現困難
・チームマネジメントに失敗
・ニーズなし
その他(プログラム上終了だがポジティブな動き)
・起業します!
・もう一度しっかり顧客検証してみます!
CB INSIGHTSが発表しているスタートアップが失敗する20の要因の内、TOP5を抜粋していますが、市場ニーズなし、や適切なチームでなかったとありますが、この点では共通しています。
一方で、資金の枯渇や競争での敗北、価格設定という点ではスタートアップスタジオプログラムではあまり当てはまらないです。(プロダクトローンチ前にプロジェクトを中止するチームも多かったため)
原文サイト
プロダクトローンチを分岐点として大変そうなポイントを振り返ってみると、ローンチ前では事業アイデアに基づいた顧客ニーズの抽出やプロダクトへの落とし込み、ローンチ後では創ったプロダクトの認知獲得やサービスのトラクション(実績)作りに苦労をしているプロジェクトが多い印象です。
上記以外では技術的な問題によってプロダクト化が難航や、PoCの検証方法が間違っていた、などが要因で終了したケースもあります。
(次回から終了理由をちゃんとログ取っておこ。。)
個人的な印象としては、計画面では初期時点からプロダクトの構成をなんとなく頭に思い浮かべながら顧客ヒアリングや計画立てをしていたかどうか、マインド面では心が折れないようにセルフマネジメント出来ていたかが成否をわける要因になっているように感じます。
数字で紐解くプログラムの軌跡
2020年3月にプレスリリースや一部SNS広告を使ったり、Clusterを使ってVR上で説明会イベントをするなどしてSTARTUP STUDIO by Crewwで事業化したい方たちを募りました。1ヶ月間でおよそ150件の応募があり、事業を創りたい人たちのポテンシャルを感じました。その間1ヶ月で150の事業案を確認したり、面談を進めている最中はリソース不足を感じながらすごい大変だった気がします。大変すぎたのか一部記憶が欠落しています。。。
皆さん、やはりすごい熱量を持たれていたこと、本業を続けながら起業(事業立ち上げ)という点に非常にメリットを感じられていた声を多く頂いたこともあり、日本でのスタートアップ創業率をあげる施策として、「ながら起業」がやはりハマるんじゃないかと思ったことを覚えています。
軌跡1) プロジェクトエントリー 〜 採択
全体でおよそ150件のエントリーがありました。プレスリリースやイベント実施の効果かと思いましたが、現在残ってるファウンダーに聞いたところ『Facebook広告で見ました!!』と言っていた方が結構いたので労働対効果でいうとSNS広告圧倒的すぎてもしかしてイベントとかいらない?と感じつつも次回はちゃんと効果測定していきたいと思います。
スタートアップスタジオを始めた理由のひとつに"ゼロイチ"へ興味関心が高いものの、中々機会が少ない、という課題解決の場にしたいことが当初からあったので採択率20%はひとつのKPIになりそうです。事業を始める上で起業か退職か、ゼロかヒャクかの当たり前に殴り込みにいくスタイルで進めていますので温かい目で見守ってくださいませ。
軌跡2) プロジェクト公開 〜 チーム組成
プロジェクト公開後にはメンバーの募集をプレスリリースとCAMPFIREが運営する仲間集めプラットフォームTOMOSHIBIや副業プラットフォームのAnotherworksとの提携によって様々な方からプロジェクトへ応募頂いたようです。餅は餅屋ということで多様な人材を持つプラットフォームとの提携によってプロジェクトチーム組成には大きな問題はなく、ファウンダーの皆さまからは割と感謝されることも多かった気がします(えへへ。実際はトモシビやアナワのおかげじゃない?とずっと思ってます。)
< TOMOSHIBI × STARTUP STUDIO by Creww >
< Anotherworks × STARTUP STUDIO by Creww >
軌跡3) 事業コンセプト設計 〜 一次選考
プログラムの一次選考の基準として、事業コンセプトの設計固めということでリーンキャンバスの作成や具体的なPoCの計画を一つの基準にしました。
チーム組成後、1番最初に実施するコンセプトワークのため、選考基準の難易度は易しいものに設定しています。
ここで事務局として設定していた基準は前に進める意志のあるプロジェクトの選別です。そのため、プロジェクトごとに計画の精緻さに濃淡はあれど、今後の半年間での目標を立てて実行する、という意志を見ていました。
多少の壁打ちはしつつもファウンダーおよびチームがその領域のプロフェッショナルとして活動をしてもらいたい想いもあったので、基本的なスタンスとして計画の内容の質に対する選考評価はしないことに決めていました。
(今後、事業を推進していく中でステークホルダーとなる顧客(市場)や協業先、事業の譲渡先などに叩かれて絶望することが想定されているため、事務局はとにかく優しく伴走支援をすることを心掛けていました。)
軌跡4) 事業ニーズ調査 〜 二次選考
二次選考では練った企画を顧客に当てる、とにかく当ててブラッシュアップするための期間にしました。初期スタートアップでよくある事例としてプロダクト創りにとても時間は使ったが、誰も使ってくれないという事象がしばしば起きます。事業の壁打ちやユーザーヒアリングという名目でプロダクトローンチ前にいかに潜在顧客を捕まえておくか、ということを目標にしていました。
事業を創る上で戦略企画を経てから、実際の行動に移すことが最も大変だと思っています。机上の空論でいくら事業の可能性を謳ったところで顧客が使いたいと思うかどうかは別の話です。そのため、スタートアップスタジオのプログラムにおいては、プロジェクトのサービスを使うユーザー(アーリーアダプターの設定)とその層に対するユーザーヒアリングを50件集めてくることを選考基準にしていました。
とはいえ、本業がある中でサービス検証やユーザーヒアリングに時間を割いていくことはすごい馬力が必要です。そこは単独ではなくプログラムの利点で上手く同期プロジェクト同士での顧客紹介や認知向上の助け合い、それぞれのパートナー企業との接点を活用して採択時の半分の15プロジェクトが選考を通過しました。Creww単独ではやはり限界があるのでパートナー企業となりうる方も募集しております。お気軽にお問い合わせをば!
軌跡5) プロトタイピング 〜 最終選考
潜在顧客を捕まえたり、ユーザーヒアリングを経て仮説が検証できたプロジェクトにユーザーの声に基づいてプロダクト創りを進めるフェーズに移っていきます。昨今流行りのNoCodeツールを使ったプロトタイピング〜価値提供検証を進めているチームもあればスクラッチ(ゼロから開発)で進めているプロジェクトもあります。スクラッチ開発の場合では、「何を検証したいのか」が不明瞭なまま進めてしまうと時間ばかり要してしまうので要注意です。
原理原則、当初の価値検証で測るべき要素を定めたら、仮説を検証するための最小機能でのプロダクト実装という進め方を推奨しています。リーンスタートアップという考え方に基づいた新規事業開発の手法なので知らない人は読むといいと思います。(アフィリエイト風)
では、検証すべき点とはなにか?
あなたの事業の価値は一体なんなのか?という視点で考えるといいと思います。サービスの性質によって様々ですが、例えば毎日サービスサイトにn万人がアクセスされている状態=広告的な価値、サービス内での取引量が月にn万件ある状態=顧客基盤的な価値、プロダクトの販売量がn件ある状態=具体的なユーザーニーズを拾えている状態、などなどあります。
以上、ざっと振り返りでした!
新宿のカフェで土日で頑張って書いたので♡おしてください。100いいねいったらまたnote書こうと思います。
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