見出し画像

お盆の出来事

妹夫婦と同居する両親は、共に元気ながら父は90歳、母は85歳と高齢だ。
コロナで大阪から実家に来られるのは困るから実家近くのショッピングセンターのフードコート(広くてガラガラに空いている)でならと会う言われ、約一年ぶりに子供たちを連れて車で片道2時間半かけて会いに行ってきた。

口調はしっかりしているけど体はだいぶ弱った印象の母、体は健康そうだが精神的な衰えや不安定さを感じさせる父。
久しぶりに会う私に、父はひたすら妹が不憫だと言う。

10年位前に乳がんを超初期に発見できていまは元気に暮らす妹だが、リンパも切除し抗がん剤治療もあり確かに大変だったと思う。
そしてその後父が鬱から自殺未遂を起こし、それで迷惑をかけたという思いもあるのは理解できる。

その妹が仕事をしながら家事も何もかもやっているから、体が良くない母さんに代わってオレが手伝ってやってて、もっとやってやらないとと思ってると父は言う。
妹とはよく連絡をとっているが、最近も別段変わったこともなく元気なのを知っているから、最初はうんうんと聞いていたが、あんまりしつこく妹の話ばかりするので、

そんなことは私だってずっと1人でやってきてるし、親の助けもなければ主人も2人の息子たちも誰も手伝ってなどくれない。大病こそしてないけど、私は親に心配かけまいと、体調を崩しても、何かに困っても、実家には伝えずに一人で踏ん張ってきたのに。
と言う想いが沸々と湧いてきた。

父があまりしつこいので、
そうだけど、私もずっと1人でやってきてるよ と一言反論してみた。
それでも父はやめない。
はぁー••• なんだろこれ⁉️
目の前にいるわざわざ会いにきた私に言うのは、子供の幼少期に母を散々手伝いに行かせてやったと言う、恩着せがましいセリフばかりだ。
私は母が孫見たさに好きで来てくれてると思っていた。
しかももう20年位前の話だ。

父はきっとまた精神的に弱ってるんだ。そう思い込もうとした。
実際そうなのかもしれない。

そこで遺言状みたいなものを渡された。
妹のことしか頭にない今の父が書いたものだ。
読まなくても想像できる。
最初のとこだけ読んで読むのをやめた。

父はまだ妹のことを話している。

だんだん怒りが湧いてきた。
この人たちに喜んでもらいたくて愛されたくて期待に応えてずっと頑張ってきたのは妹じゃなくて長女の私だった。それなのにもう私のことはどうでもいいの⁉️
なんだか切り捨てられたような気がした。
あんなに私を支配してきたくせに、最後は捨てるんだ⁉️

向こうで母は息子たちに、私に言ってきたように、ああしなさいこうしなさいといってるみたいだった。

もう帰ろう。

帰るわ と言って席をたった。
いろんな気持ちがないまぜになって泣きそうだった。
子供の前だからと必死で堪えた。

わざわざ何しにきたんだろ•••

私は元気な両親の顔を見て、安心したかった。
愛されてるって感じたかっただけなのに。
なんだかやりきれなかった。

家に帰り、夜みんなが寝静まってから、1人昼間のことを思い出してさめざめ泣いた。

グラウンディングして、昼間の出来事を再上映してみる。

再現される思考と感情が混ざり合って、ぐちゃぐちゃだった。涙が止まらない。久々に声を出して泣いた。
でも、一瞬体に意識が向いた。
どこがどうなってる⁉️
冷静に追ってみる。
するとさっきの渦巻いていた思考を冷静に見ているもう1人の自分が出てきた。

そうなんだ。今日はいつになくオーラルちゃんなの⁉️
おっと今度は被害者だね。悲劇のヒロイン⁉️

とか。

そうしてるうちに、なんだかとっても冷静になって全部が収束してきた。

しずかに
もう自由じゃん
て言葉が閃いた。

そうだ❗️捨てられたんじゃなくて解放されたんだ。
愛情と絡まり合った支配を、私はそのまままるごと手放したんだ。

なるほどー。

ホッとしたらどーんと今に戻ってきた感じがした。
目のあたりにヤバさ満載。
あーあ、明日仕事やのに、目ぱんぱん••

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?