オープンイノベーション(『オープンイノベーション』Chap.1)

  1. オープンイノベーションとは何か

    1. 知識の流入と流出を自社の目的にかなうよう利用して社内イノベーションを加速するとともに、イノベーションの社外活用を促進する市場を拡大すること

    2. 価値創造と価値獲得の源泉としてのビジネスモデルを明示的に組み込んでいる

    3. オープンイノベーションの根本的な前提は、役に立つ知識が広く分散していること

  2. オープンイノベーションという新しいパラダイム

    1. 今までのパラダイム:クローズドイノベーションモデル

    2. 新しいパラダイム:オープンイノベーション

  3. イノベーションの例外事象

    1. 企業のR&D部門からの溢出

    2. 知的財産

    3. 外部妥当性

      1. ハイテク産業から得られた定性的な証拠のみ(ローテクや素材産業に当てはまるかどうかは未回答)

      2. 米国企業ばかり(米国企業以外の妥当性も要検証)

  4. オープンイノベーションの先行研究

  5. オープンイノベーションの新しさ

    1. 社外の知識に対して社内で蓄積した知識と同等の重要性を認めること

    2. R&Dから商業的な価値を引き出すに当たって、ビジネスモデルを軸に据えていること

    3. R&Dプロジェクトの評価において、タイプⅠ、タイプⅡの計測ミス(ビジネスモデルとの関連で)を考慮に入れること

    4. 知識やテクノロジーの目的に適うような流出

    5. 潤沢な知識という風景という想定

    6. 知財管理の先取り的な役割

    7. イノベーション仲介者の役割の重視

    8. イノベーションの能力、達成度の新しい評価指標

  6. 結論

    1. 社内重視の垂直統合モデルの産業イノベーションは、まだ十分に理解されてない新しいモデルに道を譲ろうとしている

    2. 従来よりもずっと分散的なイノベーション環境でさまざまな人々が演ずる役割を含め、社外重視の視点が必要なことははっきりしている

    3. 新モデルの確立のためには、複数レベル(個人、グループ、組織、コミュニティ、制度)の分析を通じて組織のイノベーション活動を徹底的に研究することが必要