メリクリ

「クリスマス」っていう言葉を聞くたびに

メリークリスマース。
ほどよく腹のゆるいいつもと変わらぬ朝、クリスマスソングなんぞをyoutube再生で聴いたりなんかして気分だけクリスマスですが、この「メリークリスマス」というフレーズを聞くとどうしても「トニー谷」を思い出します。

「トニー谷」って知ってます?

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リズムに乗りながら、そろばんを楽器のようにかき鳴らす芸が有名な舞台芸人です。妙な英単語を混ぜたしゃべりが絶妙で「レイディースエンジェントルメン、アンドおとっつぁんおっかさん」などその言葉は「トニングリッシュ」と称され、「さいざんす」や「おこんばんは」など独特のしゃべりで人気を博し、歌手としても活躍しました。

この「トニー谷」がバブル時代にブームになったことがあり、代表曲を集めたアルバムを持っていたわけです。
といっても、人からもらったカセットテープですけどね。
「トニー谷、面白いから聞いてみて?」くらいの軽い感じで手にしたものだったので、もらったあと放置していたんです、しばらくの間。
興味ゼロの上に、楽曲のタイトルが「なんじゃこりゃ?」っていうのばかりで、聴こうという気持ちにならなかったんですよ。
「さいざんす・マンボ」「ぶくぶく・マンボ」「チャンバラ・マンボ」「あなたのおなまえ何ァんてェの」
聴く気になります?
でも「聴いた?まだ聴いてないの?」と催促されるのが面倒で、仕方なくBGM的にかけたわけですよ。

そうしたら「なんじゃこりゃ!」と、予想外の裏切りに衝撃を受けましてね。
ノリの良いマンボのリズムに、歌詞に出てくる言葉が「ネチョリンコ」「ドブリンコ」「ハベレケレ」とかの造語とダジャレのようなトニングリッシュが満載で、とにかく面白いんです。
それもちゃんとオチがついてるっていう、ひとつのネタになってるんですね、歌自体が。

で、聴き入っちゃったわけですよ、アルバム『ジス・イズ・ミスター・トニー谷』全楽曲に。
特に、その中のとある曲に大爆笑したわけです。
それが「サンタクロース・アイ・アム・橇(ソーリ)」。
曲は「ジングルベル」、歌詞がトニー谷調になっているものなんですけど、これが全然楽しくない歌詞でしてね。

メリークリスマス、アイム・ハンサム・サンタクロース
メニー苦しみます、アイム・ノーマネー・さんざん苦労す

ではじまりますからね、クリスマスソングが。
この歌のおかげで、「メリークリスマス」が「メニー苦しみます」に聞こえはじめた、っていうね。
だから、ケンタッキーだのコカコーラだの、キラキラ輝く映像のクリスマスCMで「ハッピークリスマス」って言われても「ハッピー苦しみます」としか聞こえないわけだ。
大勢で「苦しみま〜す」って、笑顔で何を言っとる?ってな具合に。

20代から、別の楽しさで薄ら笑いを浮かべるクリスマスを毎年過ごしています。


みなさまのご支援に感謝します。