大器晩成型といわれて数十年が経つけれど
昔からよく言われるのは、「あなたは大器晩成タイプ」。
手相占い、動物占い、占星術その他色々、ことごとく『大器晩成』という文言が入っているので、大器晩成型であることは間違いないわけです。
ちなみに、大器晩成とは、 " 大きな器は完成するまでに時間がかかることから、真に偉大な人物も大成するのが遅い " ということで、大人物は若い時には目立たず人より遅れて頭角を現す、という意味に使われます。
大器晩成っていう言葉自体知らない幼少期に聞いてから、なんとなくその意味がわかってきた10代を経て、意味を完全に理解した20代は「大器晩成なんだからまだまだだな」と、運だの機会だの人間関係や経済的なこと諸々、「うまくいかなくても気にするな。今じゃない」と考えていたように思います。
それが、30を迎える頃になると「そろそろ成果が現れてもよくね?」と、自身の成し遂げた感に付随する評価みたいなモノが欲しくなる、というんでしょうか、達成感に満たされる手応えを感じたいと思うようになるわけですね。
何歳がゴールとかじゃないのはわかっていますし、晩年に必ず大器となるわけではないのも重々承知ですし、努力を重ね、コツコツ頑張るから大成するのであって、何もせず時を過ごしても器は大きくなんてならない、というのも知っています。
でもやっぱり、「晩年に大成する」とかいわれちゃうと、少々期待するでしょ?
歳を重ねるたんびに、期待値は上がるしね。
自分なりに努力をして、頑張りもします。
ところが、頑張り続けることに疲弊してくると、「晩成っていつ頃よ?」と、見えないゴールが辛くていたたまれなくなってしまうこともあるわけですよ。
まだか?
そろそろいいんじゃね?
と、今年51になるババアは、ものすごく悶々としています。
この前なんて、いきなりホクロが気になり出して全身のホクロをチェックしていたら、耳の裏側にホクロがあったんですね。
で、調べてみると、ここにホクロがある人は最強運だというのを知って、更に「晩成〜、カモ〜〜ン!」とか思ってしまったわけです。
" アンパンマン" の作者『やなせたかし』さんは、69歳でアンパンマンがヒットしています。デビューは34歳ですから、実に35年努力してきたタマモノです。
70代で本格的に絵を描きはじめて、80歳ではじめて個展を開いたアメリカの画家『グランマ・モーゼス』のような人もいます。
これを聞くと「ってことは、ワタシなんてまだまだ先か」と納得しちゃう部分もあるんですけど、「自分は、いつになったら晩成するのか?」と思っている人は世にたくさんいらっしゃるに違いありません。
早期熟成型と大器晩成型にタイプ分けするなら、絶対後者の方が多いと思うので。
「大成する」 とは "長時間を費やして、仕事や研究などを完全にしとげること" とありますが、「長時間って、どれくらい?」とココに疑問を持ってしまうのもあるあるじゃないでしょうか。
そもそも、「大器」とは何なのか?ってことなんですけどね。
すごく、不明瞭。
大金を掴むことなのか、世に名を知らしめることなのか、これは人によって違いますし、" 天下を取る " とか " ビッグになる " 的な表現と同じで、何が正解なのかはっきりしていませんからね。
大器晩成の意味からすると、"大成できるのは真に偉大な人物であることが条件" のように感じるんですけど、どうなんでしょう?
ワタシは果たして " 真に偉大な人物 " なのか?と、最近気づいたわけですよ。
条件を満たしていないのであれば、晩成するわけがありませんからね。
ちなみに、成功という感覚がどういうモノなのかは、なんとなくわかっています。
30代前半に、好きが高じて小物作りをはじめたら、とある雑貨店から「お店に置かせてください」と声がかかり、あれよあれよと売れてしまい制作が追いつかなくなった、なんて経験があります。
とんでもないスピードで忙しくなっていき、在庫がない、数十個単位の注文が入るなど、今考えるとあれがいわゆるひとつの『成功』だったんだと思います。
そこそこ収入もありましたが、とてつもなく忙しくて余裕がなくなり体を壊してしまったのでハンドメイド作家活動は3年でやめましたが、あの時の"波に乗った勢いのすごさ" は、鮮明に記憶に残っています。
地道にコツコツ続ける作業が得意というか、そういうことが好きというか、それがワタシの日常で自分に合った暮らし方でもあるので、努力をしている自覚はありませんが、それが努力というのならいつか何かしらの結果が現れるんでしょう。
経済面に不安を持つことなく暮らせる環境を構築することを目指しているので、そうなれるようにイメージだけは強く持ってはいますけど。
ボ〜ッと生きていたら、半世紀 (50年) なんてあっという間です。
人生100年時代といわれても、100歳まで体も脳もフル稼働できるわけじゃないですからね。
ワタシは、『自らの才能を熟成させるのに時間がかかるタイプ、というのが大器晩成型である』と理解しています。
セザンヌの初の個展は、56歳。
葛飾北斎が「富嶽三十六景」を描いたのは72歳。
日々、ただただ試行錯誤し、創意工夫を重ね、時間をかけた結果が実を結んだのが晩年だった、ということなのだと思います。
ワタシは今現在そこそこ幸せなので、大器になっても気づかずそのまま天国へ行きそうな気もする、というのが正直なところですけど、右肩上がりの真っ只中だと思って、これからの50代を楽しむつもりです。
『 "晩成" とは限りなく遅く成る、つまり "出来上がらない" ということで、世の中では完成を善しとするが未完成だからこそ大器なのだ、というのが老子のいわんとする本当のところらしい』
と言っている人もいるので、大器晩成なんて言葉に踊らされないことが一番大事なことのような気がします。
みなさまのご支援に感謝します。