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近所の川を通ると、釣り人だらけで驚きました。
それもそのはず、6月1日は鮎釣りの解禁ですね。
イモ洗い状態で釣れるんかいな?と思うくらい、人で溢れかえっていました。
鮎釣りは、昔父親に連れられてよく行ったんですが、黙々と釣りに勤しむ父親をボーッと眺めているだけの退屈な時間だったとしか記憶されていませんね。
仕掛けを作った記憶はあって、ハリス(糸)と針を結ぶのを手伝わされたりしましたが、今はその結び方もすっかり忘れています。
川に行ってもすることがないので、オタマジャクシや何かの稚魚を手ですくっては器に入れてを繰り返して時間を潰し、父親が終わるのをただただ待つっていうね。全然面白くない思い出しかないんですが、鮎釣りが楽しくない根本の理由は、そもそも鮎が好きじゃないんですよ。
食べたくないんだから釣り上げられても困るわけだ。

夏休みに田舎の叔父の家に遊びに行くと、いつも鮎の塩焼きを用意してくれるんですが、海の魚の味に慣れてしまっているワタシは、川魚の独特の味がものすごく苦手でしてね。
でも、食べないわけにはいかず、ゆっくりと時間をかけて1匹を完食するんですが、次の鮎がもう焼き上がっていてお皿に乗せてくれるわけですよ。「うまいか?」と聞かれたら「うん」としか言えないし。子どもながらに、うまく断る方法はないかというのをすごく考え、行きついたのが「お腹いっぱい」というフレーズ。
もう食えないアピールをすれば無理強いすることはあるまい、と考えたわけです。案の定「そうか、そうか」と、叔父はワタシの皿に鮎をのせなくなったんですが、次の日のことです。
「一番大きいのをやろう。特別だぞ」と、超巨大な鮎がワタシの前に現れたのでした。

鮎釣りが解禁になると、そんな苦い思い出が頭をよぎります。

みなさまのご支援に感謝します。