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Stay Home

2016年から、年に1回くらいのペースで友人と2人で行ってきた作品展では、毎回テーマを決めてそれに沿った絵を制作して展示しました。
ワタシたち2人の根本的な考えがほぼ一緒ということもあり、テーマ決めでもめることは一度もなく「今回はこんな感じでいこうか」といつもすんなり決定していました。

その中で、とても好評だったのが2018年の作品展『宇宙のカケラたち』です。

宇宙のカケラたち

テーマは『宇宙』ですが、科学でいうそれのことではなく「宇宙から生まれたワタシたちは生まれる前は1つだったんだから全てはつながっているんだ」というものです。
それを絵で表現するには何が一番良いか?と出たアイデアは、ストーリーを作ってそれに合わせて絵を制作し、絵本のような展示会を創り上げるというものでした。

ただ、2人の絵のテイストは全く違うモノクロとカラーなので、これをどうつないでいくかが課題で、結構悩んだわけですよ。
バラバラにならないよう統一感を持たせるにはどうしたらいいのか?を考えるんですが、それぞれのテイストを崩すことなく、尚且つ縛られることなくお互いが自由に表現できるようにすることが大事なので、ものすごく考えましてね。
基本、展示内容の企画・構成がワタシの役割(相方は販促物の製作)で、そこを組み立てることには責任がありますから、見せ方についてはとても頭をひねるわけです。鑑賞者が違和感を感じるような展示の仕方は問題外ですからね。
そこで取り入れた案が、「共通のモチーフを入れる」ことでした。
2人の絵を交互に展示して色のバランスを図り、描くモチーフを同じにしてカットがつながるように構成します。
それには、お互いのアイデアスケッチを確認しつつ、無理なく寄せていきながら、それぞれの表現で制作を進めました。

絵本にすることはまだ現実に出来てはいませんが、作品展終了後すぐに、展示作品写真に字幕をつけて簡単な紹介動画を作成したので、ここに載せます。

なぜ今これを?と思われるでしょうね。

今世界中に拡大している地球規模の健康危機の状態に「自分に何が出来るか?」を考えた時、頭に浮かんだのがこの作品展だったんですよ。

「自分が良ければそれでいい」がダメな理由が、これだから。
ただそれだけです。

『宇宙のカケラたち』 -すべてはカケラでできている-

ボクたちはひとつだった。
水も、きらめきも、風も、海も、
ボクたちは、ひとつだった。
キミはボクで、ボクはキミ。
みんなもボクで、ボクはみんなだ。
ボクたちは、ひとつだったから。

どうして傷つけるの?
なぜ、イジワルするの?
ボクはキミなのに。
風が聞いてるよ。
太陽が見ているよ。
ボクの声を聞いて。
ボクの声は、キミの声。
聞こえるかな。
キミの声が聞こえるよ。
うれしい、
楽しい、
悲しい、
つらい、
全部、聞こえるよ。
心の奥底に語りかければ、必ず
聞こえてくるんだ。
キミの目を見れば、わかるよ。
キミが悲しいと言わなくても、
キミの心が、目で伝えてくるんだ。
ボクたちに在るものは、目には見えない。
いろんな存在がそれぞれにいて、キミにもいる。
目の前にいる友だちにだって、いるんだよ。
キミはボクで、ボクはキミ。
ボクたちは、ひとつだったんだ。

たくさんの木が集まって、森になる。
ひとつの木は、独りじゃなくて
みんなで、ひとつ。
根でつながって、土を介して
同じところからはじまっている。
だから、ひとつ。
もとは、ひとつ。
ネコも、カエルも、鳥も、花も、
大きな木も、
生まれる前はひとつだった。

ボクはみんなに、こうたずねた。
「この石を “割ることも削ることもなく” 小さくしてみて」
すると、女の子が大きな石を持ってきて
さっきの石の横に置いた。
大きな石を置いたら、さっきの石が小さくなった。
ひとつの石しか知らないなら、
大きいも、小さいも、ないんだね。
石は、大きいとも小さいとも
言えないってことなんだ。

ボクが、一輪の花を指差してこう言った。
「キレイだね」
小鳥が、「あっちよりもキレイね」と言って
カエルが、「こっちよりもキレイだよ」と言った。
どうして比べたの?
比べたら、何かわかるの?
キレイなものは、キレイでしょ。
それで、いいんだよ。

ボクたちはひとつだった。
キミの心にある記憶は、
ボクの心にも同じように記憶されていて
ボクたちは、これらを共有しているんだ。
ボクはキミのことがわかるよ。
だって同じなんだから。

ボクたちはつながっている。
ボクたちは、ひとつだったんだ。


みなさまのご支援に感謝します。