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陶器に絵を描きたい

久しぶりにカラー作品を描いてみる、っていうことでまずはアクリルガッシュの色見本を作るところから仕切り直しをしていますが、同時進行で「いろんな素材に描いてみる」ということもやっています。

アクリル絵の具は先日のnote「アクリル絵の具」でも述べたように、ガラスや木材、コンクリートなどにも描けるんですね。
近々「スロップシンク」に絵を描く予定で、陶器にキレイに描く方法を模索中なんですよ。
スロップ(slop)は英語で「汚水」の意味で、スロップシンクとは、キッチンや洗面台のシンクで洗うことに抵抗があるもの(掃除道具や靴など)を洗う、大型の流しのことです。

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素材が陶器なので紙に描くのとはワケが違い、「美しく絵を描くには何をどうしたらベストなのか?」っていうのが大きな課題となるんですけど、陶器に描いたことがないので、まずは試作してみることにしました。
お試しなので、100円ショップで手頃なサイズの小皿を手に入れてそこにアクリル絵の具で描いてみます。
陶器の表面にそのまま描くことは出来ないので下地の処理をするんですけど、今回使おうと思った下地材料のプライマーが品切れで、ゴールデンウィーク中はメーカーがお休みということでその到着待ちでした。
で、やっと届いたのが、ターナーミルクペイントシリーズの「マルチプライマー」です。

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ホームセンタにも売っていて一番手に入りやすそうだったのでこれを選んだんですけど、小さいサイズの200ml は品切れ、っていう思いもしない事態で 、ゴールデンウィーク中に作業をしたかったのに、結局メーカーの休み明け待ちっていうことになりましてね。
プライマーとは、上塗りする材料(塗料)と下地(木材など)を接着するために使う、密着性を高めて塗料が付きやすくするようにするものです。
金属やガラス、プラスチックなどは塗料が付着しにくい素材なので、このプライマーを塗らないと上手く塗装出来ないわけですね。
商品説明に「陶器」の文言はないんですけど、「ガラス」と置き換えて使ってみることにしました。

で早速、色を塗る部分にマスキングテープで枠を作り、マルチプライマーを塗ります。

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説明に「薄く1〜2度塗りで均一に塗る」とあったので、ハケで2度塗りしました(プライマーの色は乳白ですが、乾燥後は透明になります)。
次に「2時間以上しっかり乾燥(ガラスは1日)」とあるので、念のため1日置きます。
最後に「ミルクペイントを塗る」んですけど、ワタシが使いたいのはアクリル絵の具なので、ガッシュとリキテックスの2種類を塗ってみます。

まずは、ガッシュから。

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2度塗りしてマスキングを剥がしてみると

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だいぶ厚みが出て、シールを貼ったみたいになっています。
不透明タイプのガッシュは、濁った色味で表面が粉っぽく仕上がりますね。

別の皿には、リキテックスを塗ってみます。
ワタシが持っているリキテックスはレギュラー(練りの硬いタイプ)で全116色あり、透明度が3種類(透明、半透明、不透明)あるんですけど、これは色によって異なります。
今回使うのは、コレで↓

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青だけ不透明、その他は半透明タイプになります。
赤の上に黄色を塗り重ねてみると

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黄色は半透明なので下の色が透けて見えますね。
同じように2度塗りしてみましたが、ガッシュよりも薄塗りということと、透明で発色が鮮やかなことから、陶器によく馴染むような気がします。

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プライマーだけが塗ってある部分に、チューブから出した青(不透明)をそのまま(水で溶かずに)描いてみると、あまりキレイではありませんでした。

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他の色もあまりキレイではなかったので、ガッシュとリキテックスを混ぜてみると

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色がしっかり乗りました。
混ぜることで描きやすくなったので、リキテックスをベースに所々ガッシュを混ぜる方が良さそうですね。

ちなみに、ガッシュベースにリキテックス+ガッシュで描いたのがこちら↓

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混ぜたものでもガッシュの上に乗るのがわかりましたが、この2種類だけだと微妙なので、壁画用のカラー(ターナービッグアートカラー )でも試してみます。

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これもアクリル樹脂と顔料で作られている、屋内外の壁面などに適した水性ペイントで、昨年シャッターに絵を描いた時に用いたものです。

同様に、皿にマルチプライマーを塗って乾かし、塗っていきます。

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表面がキレイに仕上がるように重ね塗りしますが、青はムラができやすく3度塗り、赤と黄緑は2度塗りで大丈夫でした。

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ややツヤのあるマットな仕上がり、といった感じですかね。
ここに、リキテックスとガッシュを混ぜたもので模様を入れてみると、こんな具合になりました。

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ビッグアートカラーは、ガッシュのような厚塗りにならず発色の良いマットな仕上がりになる、っていうのがわかりましたけど、シャッターに絵を描いた時とはまた違う質感に仕上がっているように思います。
この上に仕上げ剤(保護するためのもの)を塗るんですけど、それもいくつか種類があるのでそれらを手に入れてから試すことにします。

素材が変わると見え方も変わってくるので、試し塗り(描き)というのは本当に大事なので外せない作業です。
他にも木材やプラスチック素材でもお試しを続けますが、それについてはまた後日ってことで。


みなさまのご支援に感謝します。