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Live - 2023/09/13 Adobe生成AIが商用利用可能になったので朝までライブ

本日(13日)、Adobe Fireflyが正式版となり、商用利用も可能になりましたので、ベータ版で試してきたことを確認していきたいと思います。
(Fireflyベータ版では20億枚以上の画像が生成されたようです…)
朝5時からミーティングがあるため、4時30分くらいまでVimeoライブしながらこちらで情報をまとめていきます。


Adobe Liveでも生成AIのライブをやっています。午前9時から午後4時まで(米国時間)



続きは以下のページで更新します




本日(木曜)の記録:

生成画像の品質を高める(Fireflyの学習傾向を探る)

Midjourneyには独自のAesthetic Systemがあり、単語1つのプロンプトでも創造的な美しい画像を生成してくれます。Adobe Fireflyにはその仕組みがないため、生っぽい画像(荒削りなイメージ)になることが多く、Midjourneyよりも試行錯誤に時間を消費します。

例えば、フォトリアリスティックな画像(写真のような画像)をテキストプロンプトだけで表現するのは至難の業で、リファレンス(参照画像)を設定して、何度もバリエーションを出しながら絞り込んでいくしかないと思います。

リファレンスを設定してバリエーション展開
Fireflyでもフォトリアリスティックなイメージ生成は可能
日本人女性の表現も可能だがテキストプロンプト入力だけでは難しい

Adobe Fireflyは(他の生成AIサービスと同様に)クレジット制です。毎月、生成できる数が決められており、それを超えてしまうと極端に生成速度が落ちてしまいます。11月1日以降、クレジットの追加購入が可能になりますが、本格的に商用利用を始める方はできるだけコストを抑えたいと考えているはずです。
生成クレジットについての詳細は以下のリンクを参照してください。

テキストプロンプトだけで意図した画像を生成する方法だと、試行錯誤の時間消費(= クレジット消費)に悩まされるでしょう。私たちは、Midjourneyで経験しているのでFireflyでも早くプロンプト依存から脱却したいと思っています。

最初の仮説検証:

  • プロンプトを書く

  • イメージに近いものを選び、「似た画像を生成」でバリエーションを生成

  • バリエーションから最もイメージに近いものを選び、「参照画像に設定」で「リファレンスとプロンプトの影響力」の割合を調整しながら、さらに絞り込む

リファレンス設定の作業では、プロンプトは無価値化される

初心者の方には取っ付きにくい方法なので、Adobe Expressユーザーには紹介しませんが(コンシューマー向けは「誰でも気軽に使える」ことが重要なので難しい話はしない)、本格的にビジネスで活用していこうと考えているプロフェッショナルユーザーには、効率化かつコスト軽減のための手法として情報提供していきたいと思います。まだ、仮説の段階なのであくまで現時点でのベストプラクティスですが。

以下が、テキストプロンプトで試行錯誤せず、リファレンスを使って生成した男性モデルの画像です。

テキストプロンプトは無価値化されている


Fireflyで生成した画像を共有する

他の生成AIサービスでは、生成画像ごとの固有の番号「seed値」を取得できますが、Fireflyではまだ取得できません。他人と共有したい場合は、「リンクを取得」することでプロンプト付きの生成画像を送ることができます。

リンクを取得したい生成画像を選択する
右上のアイコンから「リンクをコピー」を選ぶ

参考:




昨日(13日)のアートワーク

生成塗りつぶしや生成拡張は、ベータ版でやり尽くしたので(世界中のPhotoshopユーザーが生成しまくったので)、今日は少しだけ高度なことをやってみます。

Photoshop 2024の生成AIでイメージビデオを作ってみる

MidjourneyとRunwayでビデオ生成のプロジェクトを進めていますが、今回はAdobe生成AI(Firefly及びPhotoshop 2024)で試してみます。
Fireflyにはビデオ生成の機能はないので、ビデオのみRunway Gen-2を使用します。

  1. Photoshopの生成AIで人物や背景などを生成する

  2. 生成した画像をRunway Gen-2でビデオ生成する

  3. 書き出したビデオをPhotoshopで開き、既存のテクニックで仕上げる

以下は作業のダイジェスト動画です(1分でプロセスを確認できます)。


1ファイルごとに58個までイメージを生成できます(ベータ版では60個まで生成できましたが)。ドキュメントサイズを「3,000 x 3,000 px」に設定したので、PSDファイルは「1GB」を超えました。
このPSDには生成した全てのイメージとプロンプトが含まれていますので、チーム作業ならクラウドで共有すると効率的です。

3,000x3,000のドキュメントに58イメージを生成
生成塗りつぶしを使用して、16:9の比率に変更
Runway Gen-2に画像をアップロードしてビデオを生成
生成したビデオを書き出してPhotoshopに読み込む
ブラシでクリッピングマスク用の描画
最終調整とテキスト追加で完成

以下は、Photoshopから書き出したビデオです。
素材がゼロで、Photoshopの中で全て生成しているのが凄いところ。ビデオ生成だけRunwayを使用しましたが、来年の今頃にはPremiere Proで生成できるようになっているかもしれません…



昨日(13日)の記録:

Photoshop 2024 正式版

これはベータ版の時に試してびっくりしたのですが、8,000ピクセルの画像生成が30秒くらい(M1のMacBook Pro)でした。
先ほど、3,000 x 3,000ピクセルで試しましたが生成速度は変わらず。


表現力の検証

Fireflyが苦手とするフォトリアリスティックな表現の検証。すでにベータ版で検証済みですが、正式版でもチェックしておきます。

若い男性は難易度高い

正式版でもフォトリアリスティック表現はかなり難しいですね。
Midjourneyで言うと「--style raw」の出力結果に等しい。Aesthetic Systemがないので、プロンプトの生のイメージがそのまま出てくる感じ。

女性は男性よりうまくいく


誤認識でブロックされる

Photoshopのベータ版で頻繁に出ていたブロックのアラートが、正式版でも変わらず。何度もやってもブロックされる場合は、「確認をリクエスト」をクリックします。

「結果が誤ってブロックされました」をチェックして「送信」ボタンをクリックしてください。可能であれば、「画像およびレイヤーデータをフィードバックに含める」もチェックすることをお奨めします。


Adobe Firefly 正式版

リファレンスとプロンプトで調整する生成方法は、Midjourneyでは必須でしたが、Adobe Fireflyでも実行できますね。


生成画像のアウトプットサイズ

Fireflyは右側に配置されているUIから「縦横比」を選択します。アウトプットサイズは以下の通りです。
Photoshopの場合は、8,000 x 8,000pxでも生成できましたので大きな画像を使いたいときは有効です。ただ、プロンプトに依存するので生成の難易度は高くなります(Fireflyで選択可能なスタイルや色合い、ライト、構図などのUIが搭載されていないからです)。

  • 正方形(1:1)→  1,024 x 1,024

  • 横(4:3)→ 1,408 x 1,024

  • 縦(3:4)→ 1,024 x 1,408

  • ワイドスクリーン(16:9)→1,792 x 1,024


生成クレジット
営利企業が提供している生成AIサービスは、どこも(毎月リセットされる)クレジット制なので、Fireflyも同様。クレジットを全て消費すると、生成速度がかなり遅くなるようです(今のところ生成できなくなるわけではない)。
ただ、Creative Cloudの有料ユーザーなら11月1日まで無制限なので、思う存分、試行錯誤できます。

Adobe FireflyのDiscordから引用

Generative credits provide priority processing of generative AI content across features powered by Firefly in Adobe applications.


Adobe Firefly スタイル一覧

Fireflyは、画像生成の敷居を下げるために、縦横比やコンテンツタイプ、スタイル、色合い、ライト、構図などはUIから選択できるようになっています。PhotoshopにはこのUIが搭載されていないので、全てプロンプトで指示する必要があり難易度が高くなっています。
以下のスタイル一覧をご活用ください。スタイル名は英語です(日本語のPDFは準備中)。


モバイル対応

iOSおよびAndroid上のAdobe Firefly webアプリ

  • iOS: 14 以降

  • Android: 9.0 Pie 以降

iPhone 12のSafariで使ってみました。若干のもっさり感はありますが概ね良好です。空き時間を活用して、スマホで画像生成できるようになりました。MidjourneyはiPadで生成してますが、Fireflyもモバイル環境で作業できるように!


参照リンク


コミュニティガイドライン違反

ガイドライン違反のプロンプトを入力すると、警告が表示されます。問題のないプロンプトの場合は、「レビューのフラグを設定」をクリックします。

以下の「プロンプトが誤ってブロックされる」をチェックして「フィードバックを送信」をクリックしてください。
余談ですが、Runwayは「幼い子供」をブロックします。家族のシーンでも幼い子供がいると生成させてくれません。児童ポルノの映像を生成させないための徹底した対策です。例えば「少年が活躍するストーリー」などは作れないないのです。「幼い子供」に関しては、Fireflyより厳しいですね。


画像生成AIポリシー

MidjourneyやStable Diffusionで生成するときの画像生成ポリシー(3月発効/5月更新)をAdobe生成AI用に改訂しました。

  • プロンプトに作家名や作品タイトルを入れない

  • プロンプトに映画監督の名前や映画タイトル、登場人物、俳優の名前などを入れない

  • 他人の著作物を Describeしない →※Adobe生成AIにはこの機能がない

  • Nijiモデルが生成したキャラクター等の画像を自分の作品として公開しない →※Adobe生成AIは有名人や人気キャラクターは生成できない仕様

  • 生成した画像は素材として活用する(無加工のまま公開しない) →※自己責任で

  • 公開する場合はAIで生成したことを表記する →※Adobe生成AIの生成画像には「コンテンツ認証情報」が埋め込まれる


Adobe生成AIの出力画像に含まれるコンテンツ認証情報

FireflyやPhotoshopの生成AIによる出力画像にはコンテンツ認証情報が付加されます。コンテンツ認証情報をチェックしたい場合は、「verify」サイトを開いて、画像ファイルをドラッグしてください。

参考:

Adobe Firefly の機能で生成された素材に自動的に適用されるコンテンツ認証情報には、個人を特定できない次のような情報が常に含まれます。

  • 出力サムネール:出力の視覚的なサムネール。Firefly web アプリで「テキストで画像作成」機能を使用して生成された出力にのみ表示されます

  • 発行者:Adobe Inc.(コンテンツ認証情報の発行を担当する組織)

  • コンテンツの概要:素材の作成でアドビ生成 AI が使用されたという告知

  • 使用されたアプリまたはデバイス:素材の作成に使用されたアドビソフトウェアアプリケーションまたはハードウェアデバイス

  • 使用された AI ツール:使用されたアドビ生成 AI ツール

  • アクション:素材を作成するために実行された一般的な編集および処理アクション。Adobe Firefly の機能で生成された素材については、「作成日」または「その他の編集」アクションのみが表示されます。


生成AIは自己責任で!

生成AIの機能は、Adobe SenseiのAI機能とは全く異なりますので、注意が必要です。「同意する」をクリックする前に、ユーザーガイドラインを一読しておくことをお奨めします!

Adobe生成AI追加条件の「4.2. アウトプットの適合性」を引用しておきます。これがあるので、生成AIのアウトプットイメージは検証が必要になるんですね…

4.2. アウトプットの適合性
生成 AI 機能を使用すると、予期しないアウトプットや、一部のユーザーにとって不適切なアウトプットが生成される場合があります。アウトプットは一意ではない可能性があり、生成 AI 機能の他のユーザーが同じまたは類似アウトプットを生成する可能性があります。アウトプットが知的財産権によって保護できないことがあります。



更新日:2023年9月15日(金)/公開日:2023年9月13日(水)

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