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詩集「イロイロナコト」

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#自由詩

詩 夏の日

新しい季節を繋ぐ雨 湿度の向こうに待つ日差し 焼ける季節の産声が 煙る青へと伸びていく …

MASA
2年前
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詩 雨傘

灰色の空に向かって花が咲く 開いて閉じて寄り合う蕾は籠の中 一人また一人と蕾を摘んで く…

MASA
2年前
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1日

東の空が染まる頃、遠くで列車の音がする カタンカタンと 新しい朝の産声が静けさの中に伸び…

MASA
2年前

春霞

街の景色に差した淡い色 今が出番だと言わんばかりに 並んだ木々に桜の花が飾られる 花もた…

MASA
3年前

夜の散歩道

人影の無い歩道を照らす手持ち無沙汰な街灯が 街を彩る深い夜 通る車もなくなった伽藍堂の交…

MASA
3年前
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命の記憶

荒れた花壇と伸びた雑草 花で彩った庭は色を失くして 過ぎた時間の跡だけが確かな形を残して…

MASA
3年前
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「焼べる」

時間を火に焼べて燃やした命の灯で照らす 未来は瞬く間に今となって 息つく間もなく過去へと流れていく 止まることなく減っていく替えの効かない燃料に どこか寂しさを感じながら、どこかやすらぎを感じてる 確かなゴールがあってちゃんと終わることができるから あれだけ綺麗な桜の花も 散ることを知らなければ、きっと美しさは色褪せる 燃料はあとどれくらいあるだろう 片道分だけ持てばいい 空になったところがゴールだろう 今日もベランダから望む景色が美しく 明日を少し憂

「素直でいられたら」

心の声に背を向けて 大切な言葉は胸の中 つまらない壁が邪魔をして 口から出る言葉はニセモ…

MASA
3年前
2

銀河の先を追いかけて

人影を失った街の中 灯ったライトの銀河を抜けて まっすぐ伸びる道を行く いつまでも見えな…

MASA
3年前

始まりの嵐を抜けて

一歩踏み出した先で出会うもの 右も左も分からなくて とんでもない醜態を晒して 失敗して恥…

MASA
3年前

見えない花

綺麗だねって思いながら水をあげると 立派に育って素敵な花を咲かせるんだよ いつか聞いたそ…

MASA
3年前
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隣の芝生を眺めるときは

お隣さんの芝生はいつだって青い きっとたくさん手入れをして綺麗に整えているのだろう それ…

MASA
3年前
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雨のち晴れ

抜けるような青空が好きだから 天気のいい日は気分が良かった いつでもこんな天気ならちょっ…

MASA
3年前
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開拓予定者

どれだけ歩みを進めても 前に進んでいるのか  後退しているのかもわからない ただいつもどこかで 何かが崩れる音がして  足を止めてしまったら きっといつか暗い底に落ちていってしまう 日の差す道の上はあんなに自由で 何一つ迷いなんてなかったのに 日が暮れてたって夜を灯す街灯が足元を照らしてくれていた いつからか迷い込んだこのトンネルの出口は一体どこにある? いやそもそも出口なんてあるのだろうか 暗がりを進む恐怖のほとんどがその道中に転がっていた どこかでまた底